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発達障害で困ったので、治療を始めたレポ③

①はコチラ↓

 薬を飲み始めて約半年経った。

 副作用と効果の実感を記録していく。
 ※薬の効き方には個人差があります。

 主に悩んでいる症状はADHDのもの。
 飲んでいる薬は引き続き、ストラテラとアリピプラゾールだ。


副作用

 前回のnoteで書いていた副作用はこちら。

私の場合、『食欲減退』と睡眠障害の『早朝覚醒』が出ている模様だ。あとは『中途覚醒』があるかな。(中略)あとは薬を飲んだ後に胃がもやもやするかなあ……? という程度。

 これね、私は飲み始め3ヶ月くらいで治まりました。夜中に寝たら中途覚醒もあまりなく昼頃に目を覚ますし、ご飯ももりもり食べてます。

 めでたい。

 ただどの薬もそうなんだけど、人によっては激烈な副作用とか出るものだから、我慢せずに先生に言うようにしてくださいね。

効果の実感

 喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこのことで。

 先日久しぶりに薬を飲み忘れて、そこで初めて薬の絶大な効果を実感した。それでこのnoteも書こうと思った次第でやんす。

 薬を飲み忘れた日、夕方になって脳の疲弊をものすごく感じ始めて「どうしてまだ夕方なのにこんなに疲れてるの……?」と思ったら、薬を飲み忘れていることに思い当たった。

 同時に、薬を飲んでいなかった頃はこんなに脳がすぐに疲れていたんだ、ということをしみじみ実感した。

 薬を飲んでいないと、視界に入ったものから無限に連想ゲームが始まり、ああそういえばこれもしないと、あれもしたいし、でもやらなくちゃいけないことはそれ、というように、放射線状に思考が広がっては気化していく。

 「あれがしたい」が(全く何の誇張もなく)秒で更新されていき、なおかつ「自分が今最もしたいこと以外には著しくやる気が減退する」という特性もあるもんだから、やりたいことに自分の動作が追い付かず、結局何もできずに一日が終わっていくという状況。

 いや、本ッッッ当に大変だったな。

 薬を飲み始めるまでの数十年、この状態がデフォルトで生きていたと考えると非常に恐ろしいし、それなのに自分に責められていた自分がとてもかわいそうだった。

(ここでかわいそうって思えるのは、自分を愛し始めることができている証拠ですね。ありがたいことです)

 そら疲れるよ。ずっと脳みそが全力疾走しているみたいな状況だもの。

 こんな状態で集中なんてできないし、計画を立てて実行なんて、できるわけない。

 私はナマケモノじゃなかった。そもそも無理なことを、ずっと強制的にやらされていただけだった。

 今は幸いにも、衝動性や連想ゲームや思想の氾濫はかなり落ち着いている。

 具体的に言えば、

・~をしたい! と思いついても、数日後の予定とすることができる。
(以前は思い立った時すぐに行動できないと激怒し、ひどくイライラした)

・そもそも連想ゲームが始まらないか、始まっても『ああいま話が飛んでいるな』と自覚できるくらいのスピードと連想の頻度まで落ち着いている
(以前は系統樹のごとく連想が進みまくった)

・思考の中の話者が常に1,2人かつ、喋るのと同じスピードで話している
(以前はずっと3人くらいの自分が超早口で永久に雑談している感じだった)

 ……という感じだ。

 おかげさまで読める本が増えたし、何かを最後まで平穏にやりおおせられることが増えた。嬉しい。

現在も続いていること

 逆に何が今も続いているかと考えてみた。

 まず、面倒くさいものはちゃんと面倒くさい。何もかもにやる気満々★みたいな状態にはならない。

 ただ、重い腰をよっこらせと上げるまでの時間が短くなったし、いざやり始めたらちゃんと集中できるようになった。以前はやりたくないことを無理にやり始めると、涙が出てきて自傷に走りたくなるくらい辛かったが、一度始めればきりのいいところまでやり終えることができる。

(そういう意味では、『やる気がどうしても出ない時は5分でもいいからやり始める』というよく言われるライフハックは、強めのADHD当事者にとってはあまり向いていないものなのだなと実感した。無理なもんは無理よ)

 次に、興味が持てないものは持てない。興味が何にでも均等に持てるようにはならない。

 あと軽度の衝動性は残っている。攻撃性を伴わない・金銭的なトラブルが発生しない衝動性であれば、ただフットワークが軽い人になれるだけなのでヨシとする。

 また、これは今までのレポートには書いていなかったが、発達障害当事者は『時間の見積もりが甘い』という特性があり、私自身も少なからずこれがある。

 これに関しては薬でどうにかなるものではなく、自分に合わせて組み立てたライフハックで何とかしている。いつかこういったライフハックに関することも書きたいものだ。

雑感

 薬を飲んでよかったな、と思う。

 学生時代の自分にも飲ませてあげたかった。

 そしたらあんなに怒らず、自分にも絶望せず、もっと平穏に暮らせていただろうに。

 今『発達障害で困ったので、治療を始めたレポ』の①と②を見ると、自分に色々背負わせすぎですごく大変そうだなと思う。我ながら。

 渦中にある人間は、自分が荷物を持っていることにすら気づかない。その荷物が下ろしてもいいものだなんてことは、一度下ろした状態を体験しないとわからないものだ。

 今後、薬を減らすとか飲まなくするとか、そういうことはとりあえず横に置いておくとして……

 薬がある時代に生まれてラッキーだったなあ~~。

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