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RIMOWA125周年展「SEIT 1898」ルポ

展示初日に行って参りました。
RIMOWAのDNAがしっかりと表現されていて良かった。

搭乗券を模したチケット

RIMOWAについては、LVMHの傘下に入ってからは、分かり易い形でラグジュアリーブランドらしさを表現して展開している印象なのだけれども、その土台にしっかりブランディングされてきたものが、元来のRIMOWAにはある。
そのブランディングの髄を、本展示で十全に味わうことが出来た。

独ブランドらしいストーリーに触れられる

RIMOWAはドイツ発のブランドということで、マイスター気質溢れる実直さも持ち合わせている。
マス・プロダクトに限らず、「ストラディバリウス専用ケース」をはじめ、ワンオフでの特注ケースも数々手掛けてきている。

また、スーツケースを形づくるアルミニウムやポリカーボネートという「素材」のブランディングにも余念がない。
そうした素材にまつわるストーリーにも本展示では触れることが出来る。
華やかなディスプレイの傍らに記された解説にもぜひ、目を通して欲しいところ。

ちょっとユーモラスなアルミニウムの解説

デザインの耐久性

ブランドを運営する中では、「デザインの耐久性」というものが少なからず付きまとうことになる。

年月を経ても耐え得るデザインか、様々な媒体に展開しても耐え得るデザインか、と言った話。
本展示はRIMOWAデザインのその耐久性の高さを、まざまざと見せつけるものにもなっている。

まずケース製品そのものが、どれがどの年代のものか、パッと見では判別がつきにくい。
新しくつくられているものが必ずしも洗練されている、というわけでもない。
その時流に即して必要とされたことでの、一つ一つのアーカイブピースが纏う、各々の重厚さ。
完成された、それでいて今もなお耐久性を保っているデザインあってこその重みが、そこにはある。

リブパターンを徹底的にデザインしている本展示

また、製品ボディの縦に走っている直線のリブ(凹凸)を、この展示全体を通して、あらゆるデザイン面に余すところなく展開しているのも見どころ。
このリブを徹底的にデザインしているからこそ、RIMOWAはRIMOWAでいられるのだろう。
(余談ですが、そんなRIMOWAのリブに敬意を表して、当日はロンドンストライプのシャツに、あえてアルミではなくチタニウム製アタッシュ、という装いで伺いました)

他、雑感メモ

・ディスプレイの仕方が、単純に勉強になる。
写真のお仕事の中で、試してみたい構図がいくつかあった。

・予約しなくても観れるけど、予約するのがオススメ。展示スペースに入るまでの体験や高揚感が少し変わると思う。

・本展示「SEIT 1898」は、東京、NY、ケルン(ドイツ)の3都市で開催され、東京から始まっている。
リモワにとって日本は特別な市場と言える。
世界のスーツケース市場で見れば、シェア1位はサムソナイト(圧倒的1位)になるけれども、少なくとも東京にいる限りは、リモワがサムソよりも遥かに多いんじゃないかと思わされる。
ここ数年でアルミ製のスーツケース自体は2-3万円台でも手に入る様になったが、それでも揺るがない支持を集めていると感じる。

・スーツケースの歴史というのは、70年代に車輪付きトランクが開発されたのが始まりと言われていて、まだまだ製品としての歴史が浅い分、それ以前より歴史の続くメーカーの培ってきた技術や設計思想が体現されるというところに面白みがある領域だと思っている。

・というのをそらんじて語れるぐらいにはスーツケースについては知見を持ち合わせています

・そんな私はPROTEX派です。

こちらは「SEIT 1902」…RIMOWAさんの少し後輩になります。

ブランド運営者必見。単純に楽しむのもアリです

ブランドやプロダクトデザインに関わる人には超オススメな本展示ですが、楽しく手軽に回れる空間になっていますので、気が向けば色んな人に行ってみて欲しいなと、思いました!

10日間だけの展示です


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