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数字で見る『おっさんずラブ』#1 ドラマ映像売上ランキングより

2018年4月~6月にテレビ朝日系列の ”土曜ナイトドラマ” 枠で放送された『おっさんずラブ』は、私の大好きな大切な作品である。
この作品は、第97回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 の最優秀作品賞をはじめ主演賞、脚本賞など6部門での受賞を達成し、第12回「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」において作品賞等を受賞、など輝かしい実績を数多く残している。

実は『おっさんずラブ』は作品としての素晴らしさが評価されただけでなく、映像作品の売上などの面でも多大なインパクトを残した作品である。

そこで、改めて数字的側面から平均視聴率わずか 4.0% のこの作品が成し遂げた偉業を残していきたいと思う。
まず、『おっさんずラブ』の映像作品売上について書こうと思う。この作品については他にも数字的な観点から追々noteに上げていきたいと思っている。

添付の記事にあるように2018年に発売されたドラマ映像作品の中で、『おっさんずラブ』は年間映像ランキング のテレビドラマDVD部門、同BD部門ともに1位を獲得している。

そこで、『おっさんずラブ』映像作品の売上が過去4年間(2017年~2020年)のテレビドラマ映像作品の中で、どの位置にあるのかを調べることにした。
2017年~2020年を調査期間にしたのは、下記のような理由があるためだ。

2016年10月期にTBS系で放送された大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(主演:新垣結衣)のBD-BOXは2017年に発売され、歴代ドラマBD最高売上を記録している。邦ドラマ史上に残る名作且つ売上も多大であるこの作品を含めてこそ『おっさんずラブ』の立ち位置を測ることができると考え、2017年~最新の2020年のデータまでを比較することとした。


2017年~2020年発売ドラマ映像売上ランキング ベスト10

ここで2017年から2020年の映像作品の売上ベスト10を示したい。こちらは、2017年~2020年の各年ごとのベスト20作品を4年分並べ(1位~80位まで)、その中の売上ベスト10を抽出したものだ。

1位『逃げるは恥だが役に立つ』(19億8,000万円)、2位『恋はつづくよどこまでも』(18億8,000万円)に続き、『おっさんずラブ』は見事3位(9億8,300万円)に入っている。
1位と2位の2作品の売上が圧倒的なのが印象に残るが、『おっさんずラブ』も4位以降を大きく引き離す数字を取っている。
この4年間で数多くの名作ドラマが生まれ、数多くのドラマ映像作品が発売された中での3位というのは、実にすごい結果である。

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<参考資料(出典)>
オリコン・リサーチ株式会社 発行
「ORICONエンタメ・マーケット白書2017」2018年3月28日発売
「ORICONエンタメ・マーケット白書2018」2019年3月27日発売
「ORICONエンタメ・マーケット白書2019」2020年3月31日発売
「ORICONエンタメ・マーケット白書2020」2021年3月31日発売

映像ジャンル別売上状況 ドラマ (邦ドラマ / 洋ドラマ) ページより【邦ドラマ 作品】売上金額TOP20(2017年、2018年、2019年、2020年)を引用


この売上金額比較はあくまでも各年のランキングベスト20に入ってきた数字を基にしている。実際にはグレーで塗った3作品(『逃げるは恥だが役に立つ』『おっさんずラブ』『今日から俺は!!』は、複数年でランキング入りしているため、売上金額はこの単年に記載されているものよりも多い。また、その他の作品も発売年以降も売れているため、現在の売上金額合計とは異なっている
なお、グレー塗りの3作品だが、2017年~2020年のベスト20に登場した数字を加えると下記のようになる。

『逃げるは恥だが役に立つ』
2020年は106百万円で16位、2018年は139.6百万円で9位 → 合計2,226百万円 (22億2,600万円)

『おっさんずラブ』
2019年は161.8百万円で11位 → 合計1144.9百万円 (11億4,400万円)

『今日から俺は!!』
2020年は105.0百万円で17位 → 合計595.3百万(5億9,500万円)


2017年~2020年発売ドラマ映像売上ランキング TOP 10_ 売上 / 視聴率比較

先ほどの『2017年~2020年発売ドラマ映像売上ランキング ベスト10』だが、ランキング入りしたドラマはどれも話題になり、視聴率も比較的高い作品が多かった。そのため、視聴率と映像作品の売上がどのくらいリンクしているのかを調べるためにグラフを作成してみた。
まずは、売上順に視聴率と比較してみよう

『ぼくらの勇気、未満都市』(堂本光一、堂本剛主演)がこの中で視聴率が一番高く、『おっさんずラブ』の視聴率が圧倒的に低いことがわかる。
また、『恋はつづくよどこまでも』は『逃げるは恥だが役に立つ』よりも視聴率は低いが売上は同じように高いことがわかる。
これはおそらく2作品の放送された時期が2016年と2020年と離れているため、テレビの視聴方法がリアルタイムから配信に大きく変わったためだろうと思う。

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次に視聴率順に並べた表を添付したい。

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この二つのグラフを見ると、視聴率と映像作品の売上には相関関係はあまり無いように思える。とりわけ『おっさんずラブ』については、視聴率と売上が反比例していることがわかる非常に面白い比較となっていると思う。

なお、参考までに2017年~2020年の各年ベスト20を並べたべスト80を示しておきたいと思う。

参考:2017年~2020年発売ドラマ映像売上ランキング ベスト80

※前述の通り、これは各年のベスト20を並べ替えたものなので、厳密に2017年~2020年のベスト80ではないことを予めお伝えする。
この表を見ても、いかに多くの話題作がこの間放送されてきたかがわかり、その中で『おっさんずラブ』が3位に入っていることは特筆すべきことだとわかる。

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最後に・・・

『おっさんずラブ』はテレビ界の常識を変えた作品とも言われる。また、コンテンツ重視の方向にあるテレビ局にとっては非常に重要な作品になったと考える。この作品については、まだまだ数字的に見るべき点があるため、また別のnoteでそのことに触れていきたいと思う。

私はこの作品のファンとして、この作品がいかに多くの人に愛されているか、この作品の続編を望む人がいかに多いかを示すため、数字の側面から『おっさんずラブ』の素晴らしさを書いていきたいと思っている。
どうかこの思いが届き、再び『おっさんずラブ』、天空不動産の面々が出演する続編に会える日が来ることを心から願っている。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!














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