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治安は不安?知らない人に殴られてから考えた治安のこと。

留学に行くにあたって、いろんな悩みごとの中に「治安」って入ってくると思います。

日本は世界でも有数の治安の良い国ですよね。

でも、私からしてみれば、事件や事故にエンカウントせずに生きてこれただけで、日本も事件に巻き込まれれば危ない国に感じるだろうし、
治安が日本より良くないという国でも、事件に巻き込まれなければ、そんなに危険な国だと感じることはないと思います。

今回は、実際のデータなどは用いず、留学において治安の不安ってどう払しょくできるのか?を考えたいと思います。

最初に言っておくと、私は「治安悪っっっ!」って思った出来事に遭遇したこと、あります。
アメリカで知らない人に後ろから顔面を殴られたんです。

今回はそんな体験談と、そこから考える治安について、お話します。

1.知らない人に顔を殴られるまで

少し経緯をお話すると、アメリカに旅行に行って現地の留学生オススメの夜景スポットに行く途中のことでした。
バスに乗ることにした私たちですが、乗ろうとしたバスの最終便がすでに出発していることがわかり、何とか間に合いそうな別のバス停へ向かいました。

現地に留学していた子と過ごす最後の日だったと思います。その子がオススメしてくれたスポットだし、後日一人で行くよりは二人の方が安全だろうと思い、夜でありましたが少し離れたバス停へ。
向かっているときから、汚い言葉をずっとつぶやき続けるフードを深くかぶった人に出会ったり、多少怖い雰囲気はありましたが、何事もなくバス停着。

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バスを待っている間、知らない人に絡まれ、私は何を言っているのか理解できなかったのですが、友人が無視して良いよ、と言ってくれたので愛想笑いを浮かべてスルー。
他の乗客と適度な距離を保ちながらバスを待ち、いざ乗車。

先ほどバス停で話しかけてきた男性が乗り込みながら、「私たちに向けて言ってるんだろうな…」と思えるアジア人差別的なことを言っていました。
まあ、よくわからないし言うだけ言わせておけばいいか…と思い座り、そろそろ発車かな、と思っていたら殴られました。

最初は痛みと驚きで何が起こったかよくわからなかった気がします。
頭が後方に吹っ飛ばされたようになり、座席の後ろのポールに頭を打ったのははっきり覚えています。

その後は何が起こったのか、友人から聞いた話で記憶しています。

殴った男は、バス停で絡んできた人でした。
まわりにいた男性たちが逃げた男を追いかけて捕まえ、警察にも連絡してくれたようです。
すぐ近くに殴った人がいるかも、と怯えていた私は、パニックすぎて「大丈夫?」と声をかけてくれた人の顔も見ることができませんでした。
しばらくは近くにいたらどうしよう、と何回も友人にいないかどうか確認したような気がします。

しばらくして警察が来て、写真を撮ったり、裁判の話をされたりしましたが、バスの中で完結して終了。

そんなに長い時間ではなかったと思いますが、パニックになった時の自分の状況だけはとてつもなく鮮明に覚えています。

2.殴られたから思う、「その国の治安が悪かったから殴られた」が答えではない

もちろん、私は何か彼に対して悪いことをしたわけではないのですが、理由もなく殴られるなんて、あまり起きることでもないので、長いこと「なんで殴られたんだろう、私が悪いのかな」と思っていました。

殴ったほうが悪いのは事実、しかし、そのうえで私にも前もってできたことはあったんじゃないかということが後々わかってきました。

まず、「その通りは治安が良くない場所」だったということ。
経緯にも書いた通り、突然怖い人に出会うようになったのですが、夜だからなのかな、くらいに思っていたんですね。
実際は、「あまり雰囲気が良くないと感じたらそこを通るのを避ける」ことが大切です。
やはり治安が悪い場所は少しづつ他の場所とは雰囲気が変わっていきます。
昼間は気にならないかもしれませんが、夜は特に注意すべきでした。

二つ目は、「女二人だった」ということ。
バスの乗客を見回したとき、私たち以外に女性はいませんでした。
狙われやすいと言えばきっとそうだったんだろうと思います。
女性だけで行動するときはより一層治安の悪い地区は念入りに調べる必要があると思いました。

三つ目は、「その都市が大麻合法の地域」だったこと。

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大麻が合法だったからなのかは断言できませんが、殴った人は薬物をやっていた可能性がある、と聞きました。
もしかしたら心理的なハードルの低さがあるかもしれませんし、大麻を吸っていたのかもしれません。
そういう地域は、どういった場所でも気をつけなければいけないんだと思います。

四つ目、これが最後ですが、「その時居合わせた唯一のアジア人」だったこと。
経緯で書いた通り、彼はアジア人差別の言葉をずっと言っていました。
私たちが女であり、アジア人であり、とにかくその中では目立つ存在だったのかもしれません。
アジア人だから殴られるわけではありませんが、行く場所によっては基本的にマイノリティです。
こういう理不尽なことがあるのだと知っていれば、より気をつけられることがあったかもしれないと思わなくもないです。

こうしたことをゆっくり考えたうえで、殴った人の方が圧倒的に悪いけど、私も自衛できることはきっとあったな、と思うのです。
それまでもいろんな国に行きましたが、ある程度の治安は理解して行ったつもりでした。
でも、もっと細かなところに注意することも大切なのだと気づかされた事件でした。

(余談ですが、その年のおみくじに書いてあった、行かない方がいい方角が見事にその都市は一致していたので、おみくじの言葉は結構今でも信じています。(笑))

3.事件後のメンタル

ちなみにその事件のあと、私は何をしたと思いますか?

正解は、「夜景を見に行った」です。(笑)

友人はこんなことも起きてしまったし、帰ろうか、と言ってくれた気がしますが、彼女は何度も、「今までこんなこと起こったことないし、聞いたこともない」って言ってたんです。

それを聞いたら、いろいろ重なっていたとはいえ、殴ってきた人のせいでこの街や、ましてや国を嫌いになることだけはしたくない。いい時間を台無しにされるとか悔しすぎる、無理絶対行く。一日の最後はきれいに終わらせればもう何でもいい。いい思い出にして帰ってやる!この野郎!とかなんとか、いろんなことを思い、いろんなものに怯えつつ夜景を見に行きました。
実は一番最初の夜景の写真がその時のものです。

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あえて都市名を出していませんが、わかる人はわかるかもしれませんね(笑)
バスにいたときは恐怖でずっと泣いていたんですが、今残っているツーショットはめちゃくちゃ笑顔です。我ながら切り替え早い。

起こってしまったことはどうにもならないです。生きていただけ運良かったな~って思って「終わりよければ…」に持っていければいいや、と常々思っています。

そして、泣きながらこのまま帰ったら怖い気持ちのままになるから夜景を見に行きたいと伝えたときに、友人は「そう言ってくれてよかった、行こう」って言ってくれたんです。

無理に帰らせようとせずに最後まで一緒に過ごしてくれたことを今でも感謝しています。そうじゃなきゃきっと私はアメリカも、あの都市のことも大嫌いになっていたでしょうからね(笑)

その後ホステルでは、私のベッド上にいた韓国人の女の子に事件のことを話して落ち着き、翌朝一人で周辺都市を巡りました。怖いと思いながらも、悪い人ばかりじゃないことを自分なりに証明しておきたかったんだと思います。

その後の旅も小さなトラブルはありましたが(レストランで髪の毛が燃えたりとか)無事今も生きていることに感謝です。

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4.最後に。自分の身は自分で守る。最低限の知識をもって行動すること!

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さて、この経験は今でも結構衝撃的だったし、だからこそ留学について話すとき、この経験も踏まえて「とりあえず命は持って帰れ」と言っています。

成果を持って帰ることなんて二の次で良いです。

アメリカは銃社会と言われているので、もしかしたら死ぬようなことに巻き込まれていた可能性もあります。そう思うと、少しの行動が生死を分けることにつながるのなら、できるだけ自分を守る行動をできるようにしておくべきだと思うのです。

私たちは身を守る行動をとることに慣れていません。
例えば、人気のない道を歩かない、夜遅くに一人で出歩かない、危険だと思う路地に入らない、などは自分の身を守る行動として“日本の常識”になっていますよね。

他の国でも基本的には同じです。でも、違う社会、ルール、マナーの中で生きていることを忘れないでください。
その国にはまた別の暗黙のルールのようなものがあります。
そして自分がマイノリティになった時、どう見られているのかを把握するのは難しいことです。
できるだけ自分の身を守れるよう、情報を集めるなどして努力してください。

詳しくは「外務省 海外安全ホームページ」で確認してくださいね!
渡航する方はたびレジなどの登録も忘れずに!
メールに最新のテロなどを含む情報や注意喚起などの連絡が届くので安心ですよ!

コメント 2019-10-22 183930

(出所:たびレジ 外務省安全情報配信サービス https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

行った国を好きになって帰ってこられるように、自分たちも万全の対策をしましょう!

次回:留学前夜 国連職員を目指していた外語系女子が林業を目指した話
です!お楽しみに◎

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