見出し画像

相場が大暴落したら、あなたはどうする?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

とうとう日経平均が4万円を超えましたね。

かつては「日経平均は5万円まで上がる!」なんて言えば、「いやいやいや・・・」と失笑されていた状況が嘘のようです。

ただ、これって、金(ゴールド)の価格と相対比較すると、手放しで喜べる話ではないという記事が数日前の日経新聞にありました。

こちらの記事を要約すると――

  • 日経平均株価が1989年末の最高値を更新したが、当時の国内金小売価格と比較すると、その価値は5分の1以下に減少している。

  • 国内の金価格は国際相場と為替の影響を受け、消費税率の上昇もあって小売価格は当時の約5.6倍になっている。

  • 株価と金価格の比較では、バブル時代は日経平均で20グラムの金が買えたが、最高値を更新した現在は3.6グラムしか買えない

つまり、見た目の株価は過去最高値なわけですが、ゴールドと比較対象してみると、ぜんぜん価値は下がっているというのです。

それでもやっぱり、エヌビディアとの半導体製造の工場がスタートしたり、日本にはいろいろこれから上向きの話題が多く、若干のお祭り騒ぎが始まっているようです。

ただし・・・歴史は繰り返す。
バブルはいつか必ず弾けます。

さて、そのときあなたはどうする?——という話を今日は積立投資のバイブル『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』から学んでみたい。

「大暴落は必ず起こる」という歴史的ファクト

 あらかじめ申しあげておくと、過去何度も相場の大暴落があったように、今後も大暴落は起こります。そして、たとえ発生確率が1%の大暴落でも、100年に1回だから100年後まで来ないなどという保証はまったくなく、今年にでも発生確率1%の大暴落が起こることはあり得ます。
 いつ起こってもおかしくないのです。
 大暴落をうまく避けることができれば、それに越したことはありません。大暴落の直前まで投資を続けて、大暴落が来る直前に一気に売却して、相場の底で一気に買い戻して……ということができれば最高です。
 しかし、第1章で書いたとおり、適切なタイミングで売買するということは、とても難しいことです。プロが適切な銘柄を適切なタイミングで売買して、インデックスを上回るリターンを目指すアクティブファンドの80〜90
%は、インデックスのバイ&ホールドに勝てないことを、もう皆さんはご存じのはずです。
 残念ながら、インデックス運用であろうと、アクティブ運用であろうと、誰もが大暴落をうまく避けることはできないと腹をくくる必要があります。
 大暴落を避けられないとすれば、どうすればよいのか?
 ポートフォリオのリスク水準を、自分のリスク許容度の範囲内に抑えた資産配分にしておくことです。

 もし大暴落が来たとしても、市場にとどまり続けることができれば、相場の回復をゆっくりと待つことができます。そして、積み立て投資を続けることができれば、暴落中、暴落後は「絶好の買い場」となり得ます。
 実際に、2008年のリーマン・ショックのときには、積み立てたそばからそれ以上に値下がりしていくような地獄絵図で、正直に言って私も心穏やかではありませんでした。
 でも、翌2009年3月に底を打ってからは、相場がV字回復したことに驚きましたし、その回復の勢いがあまりに急だったことに、さらに驚きました。
 まさに「昇竜拳!」という感じでした。
 地獄絵図のなかで、アクティブ投資家たちが狙ねらっていた買い時(暴落相場の転換点)は、あっという間に終わってしまったのです。アクティブ投資家の買い時は、早すぎても暴落で損失を被こうむるし、遅すぎても上昇相場に乗り遅れるため、往々にしてインデックスのバイ&ホールドに劣るリターンしか上げられないことになりがちです。
 タイミング投資は本当に難しいなと思ったものです。
 ポートフォリオのリスクは、資産配分(アセットアロケーション)の国内債券クラスの比率で調整するのが効果的だと第2章で説明したとおりです。
 インデックス投資を継続するにあたって、大暴落が怖くて怖くて仕方がないのであれば、それはリスクの取り過ぎかもしれません。株式クラス(国内株式・先進国株式・新興国株式)の比率を下げて、国内債券クラスの比率を上げるとよいと思います。

水瀬ケンイチ『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』第4章より

つまり、要約しますと、こうです。

  • 過去に何度も起きた大暴落は今後も起こり得る。

  • 発生確率が1%の大暴落は、理論上はいつでも起こりうる。

  • 大暴落を完璧に避けるのは極めて難しい。

  • プロのアクティブファンドでも、80〜90%がインデックスのバイ&ホールド戦略に勝てない。

  • 大暴落を避けることはできないため、リスク許容度に合った資産配分を心掛けるべき。

  • 市場にとどまり続け、暴落後の回復を待つ戦略が有効。

  • 積み立て投資は暴落中や暴落後に「絶好の買い場」を提供する。

  • 2008年のリーマン・ショック後のV字回復は、タイミングを計ることの難しさを示す例。

  • ポートフォリオのリスク管理は、資産配分によって行うのが効果的。

  • 大暴落への恐怖がある場合は、リスクの取り過ぎを考え、国内債券クラスの比率を上げることが推奨される。

ここでいちばん重要なことは、最後の「株式だけでなく、債券クラスにも投資しとけ」って部分でしょう。本書では「株式」「債券」の分散投資を推奨しています。最近ではいろいろな人がこの投資手法を推奨しているので、もはや常識かもしれませんが。

さらに詳しくは『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』をご覧いただければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?