見出し画像

【海外書籍ランキングTop10】#13今週のアメリカ版Amazon書籍売れ筋ランキング

2021年最後のアメリカ版Amazonの書籍売れ筋ランキングのお時間となりました。

今年10月から開始した本連載も早いもので、今回で13回目となりました。本年ラストも皆さんにリアルタイムの情報をいち早くお届けしていきますね。

▼本連載をまとめたマガジンはこちら

先週は、ケネディ元大統領の甥で反ワクチン活動家のロバート・ケネディJr氏がバイデン大統領の首席医療顧問ファウチ氏の不正を暴露した問題作、

「The Real Anthony Fauci」

が1位に返り咲きしたランキングでした。

そして、前回はランキング外からアマゾンブックス編集者による「2021年ベストブックオブザイヤー ビジネス&リーダーシップカテゴリ」より、私たちの頭の中の声の重要性とそれを活用する方法について書かれたイーサン・クロス氏の

『Chatter』

をピックアップ本でご紹介しました。

では、年内最後のランキングはどうなっているでしょうか?

★Amazon.com 週間売上Top10(2021/12/26時点)★
~The Top 10 Most Sold Nonfiction Books of the Week~


第1位「The Real Anthony Fauci」
ROBERT F. KENNEDY JR.

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/3,776REVIEWS)

☆8週連続ランクイン
ジョー・バイデン米大統領の首席医療顧問のファウチ氏の正体と、ビル・ゲイツ、大手製薬会社による世界的な専制政治と不正の真実をロバート・ケネディJrが暴く。

第2位「Atomic Habits」
JAMES CLEAR

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/41,537REVIEWS)

☆152週連続ランクイン
習慣形成の専門家であるジェームズ・クリアが提唱する習慣を変えるために必要なツールと戦略。


第3位「Atlas of the Heart」
BRENE BROWN

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/701REVIEWS)

☆4週連続ランクイン
人間の87の感情と経験のリストを地図化することで自分を見失なわず、他者との繋がりを取り戻す。ブレネー・ブラウン博士による“心の地図”。


第4位「Will」
MARK MANSON

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/3,387REVIEWS)

☆7週連続ランクイン
俳優、プロデューサー、ミュージシャンとして活躍するウィル・スミスが成功するまでの過程と自身の不安やトラウマといった人間味あふれる姿をさらけ出した回顧録。


第5位「The Storyteller」
DAVE GROHL

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/5,446REVIEWS)

☆12週連続ランクイン
伝説的バンド・ニルヴァーナのドラマー、フーファイターズのフロントマンのデイヴ・グロールがゴーストライターを起用せず自らの手で書き綴った自叙伝。


第6位「Interesting Stories for Curious People」
BILL O'NEILL

(CUSTOMER REVIEWS:★4.5/11,105REVIEWS)

☆6週連続ランクイン
トリビアが好きな人、新しいことを学ぶのが好きな人はぜひ手に取ってください。魅力的な犯罪者、怪談、歴史上の人物の奇妙な習慣…この本はこの世の面白い事実を紹介する究極のガイドブックです。


第7位「Difficult Riddles For Smart Kids」
M. PREFONTAINE

(CUSTOMER REVIEWS:★4.6/23,233REVIEWS)

☆13週連続ランクイン
10歳以上の子どもと家族で楽しめる!脳を刺激するなぞなぞやパズルを集めたこの本は、異なる物事や状況の間のパターンやつながりを見ることで子どもの脳に働きかけます。


第8位「Pandemia」
ALEX BERENSON

(CUSTOMER REVIEWS:★4.9/774REVIEWS)

☆2週連続ランクイン
2020年、世界震撼させたコロナによるパンデミックで人々の権利と生活は奪われ個人の自由は抑圧された。パンデミックの背後にある集団ヒステリーと操作をジャーナリストのアレックス・ベレンソンが暴く。


第9位「The 1619 Project」
NIKOLE HANNAH-JONES & THE NEW YORK TIMES MAGAZINE

(CUSTOMER REVIEWS:★4.8/1,366REVIEWS)

☆5週連続ランクイン
アメリカで長い間覆い隠されていた真実が明らかに。奴隷制度の遺産を探る18編のエッセイと、抑圧、闘争、抵抗の重要な瞬間を描いた36編の詩や小説を織り交ぜたジャーナリズム作品。


第10位「Life Skills for Teens」
KAREN HARRIS

(CUSTOMER REVIEWS:★4.7/461REVIEWS)

☆2週連続ランクイン
ティーンエイジャーのための実用的で役立つライフスキル。食料品店での買い物、熟した果物の選び方や栄養表示の読み方、完璧なパーティーの計画まで。具体的なスキルを学ぶならこのガイドの出番です!

今回はランキングTop20初登場16位にランクインした

『All About Love』
BELL HOOKS

をピックアップ!

All About Love: New Visions
(愛についてのすべて:新しいビジョン)

NYタイムズ紙のベストセラー!

本書には愛の真実と、思いやりや強さを家庭や学校、職場に浸透させるためのインスピレーションに溢れています。

「愛という言葉は名詞として定義されることが多いですが、動詞として使えば、そこにはもっと愛が深まります」と、ベル・フックスは言います。

社会が愛を学ぶためのモデルを提供していないがために人々は分裂している、と彼女は宣言します。

ベル・フックスは、鋭い洞察力で「愛とは何か」という問いを探求し、その答えは私たちの心と体の両方に突き刺ささることでしょう。

私の周りの男性は、「愛」という言葉を軽々しく使うことに警戒心を持っています。なぜなら、女性は愛という言葉に過剰に反応しすぎると考えているからです。

そして、私たちが考える「愛」が必ずしも彼らが考える「愛」ではないことも知っています。私たちが「愛」という言葉を使うときの意味についての混乱が、愛することの難しさの原因です。

もし、私たちの社会が愛の意味について一般的な理解を持っていたら、愛するという行為はそれほど神秘的なものではなくなっていたことでしょう。

辞書による愛の定義は、「恋愛」を強調する傾向があり、まず第一に「他人に対する深く優しい、情熱的な愛情、特に性的魅力に基づく場合」と定義されています。

もちろん、他の定義では、性的でなくともそのような感情を持つことができることも書かれています。しかし「深い愛情」だけでは、愛の真の意味を十分に説明することはできません。

もし私たちが「愛」の定義を共有することから始めたら、どれほど簡単に「愛」を学ぶことができるか、想像してみてください。「愛」という言葉は名詞として定義されることが多いのですが、鋭い理論家たちは皆、この言葉を動詞として使えば、もっと愛が深まるだろうと認めています。

私は「愛」という言葉の意味を何年もかけて探してきましたが、1978年に出版された

精神科医M・スコット・ペックの自己啓発本『The Road Less Traveled』にその定義を見つけて、深く安堵しました。

ペックは、エーリッヒ・フロムの著作を引用し、「愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を促すために自己を拡張しようとする意志」と定義しています。さらに、「愛とは、愛がすることである」と説明しています。

愛とは意志の行為、つまり意図と行動の両方なのです。

意志とは、選択という意味も持ち合わせています。私たちは愛さなければならないわけではありません。私たちは愛することを選択するのです。成長を促すためには選択しなければならないので、この定義は、私たちが「本能的に愛する」という、より広く受け入れられている仮定に相反するものなのです。

生まれてすぐの子供の成長過程を見た人なら誰でも、彼らが言葉を知る前、お世話をしてくれる人の正体を知る前に、愛情に満ちたお世話に対して赤ちゃんが反応することを知っています。

通常、彼らは喜びの声や表情で反応します。成長するにつれて、彼らはお世話してくれる人の姿を見て笑うなど、その愛情に反応するようになります。

もちろん、愛情は愛を構成する要素のひとつに過ぎません。真の愛を得るためには、さまざまな要素 (ケア、愛情、認識、尊敬、献身、信頼)を混ぜあわせ、正直でオープンなコミュニケーションを学ぶ必要があります。

幼い頃に誤った愛の定義を学ぶと、大人になってから愛を育むことが難しくなります。最初は正しい道を歩んでいたのに、間違った方向へ進んでしまうのです。


【著者について】
ベル・フックス(BELL HOOKS)

フェミニズム理論家、作家、文化批評家。1952年、米ケンタッキー州生まれ。自身の言葉によれば「伝統的な南部の家父長主義的な労働者階級家庭」で育ち、人種隔離政策が廃止されるなか、人種差別や性差別への抵抗を強める。スタンフォード大学卒業後、ウィスコンシン大学で修士号を、1983年にカリフォルニア大学サンタクルーズ校で博士号を取得する。教壇に立つ傍ら、1981年『わたしは女じゃないの?――黒人女性とフェミニズム』でデビュー。1984年には『フェミニズム理論――周縁から中心へ』を刊行し、この2作で「白人中産階級女性の問題」のみをとりあげてきた主流フェミニズムを痛烈に批判、その後のフェミニズムの展開に大きな影響を与えた。その後もジェンダー、人種、階級の視点から現代社会や文化について多数の執筆や講演を行なう。2000年、フェミニズムの現状に危機感を抱いたことから執筆した『フェミニズムはみんなのもの』は、世界的なロングセラーとなる。
本名グロリア・ワトキンス。母方の曾祖母の名前に由来するペンネームbell hooksはつねに小文字で表記され、アイデンティティへの誇りと「周縁者」としてのこだわりが示されている。2014年、ケンタッキー州のベレアカレッジにベル・フックス研究所を設立。

いかがでしたか?

今回ご紹介したベル・フックス氏の本書は未発売ですが、以下書籍が2020年に日本語版で発売されています。

『フェミニズムはみんなのもの』(ベル・フックス・著/新水社)

こちらも気になった方は、チェックしてみてくださいね。

2022年も引き続き海外書籍ランキングを定期的にご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

【最新】
海外書籍の週間売れ筋ランキングと海外教材情報

この海外書籍ランキングの情報をいち早く入手したい方は、下記のURLをチェックしてみてください。note記事より数日早く入手可能です。

https://www.forestpub.co.jp/mmag/overseas/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?