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#357【ゲスト/睡眠】睡眠の悩みを一挙解決する本

このnoteは2022年3月24日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日は編集部の寺崎さんと共にお伝えしていきます。寺崎さん、よろしくお願いいたします。

寺崎:よろしくお願いします。

今井:本日もまた素晴らしいゲストにお越しいただいているということなんですけれども。

寺崎:はい。先日発売されたばかりの『働くあなたの快眠地図』という本がありまして、この本の著者でスリープコーチという肩書きでご活躍されているLIFREE株式会社共同創業者の角谷(すみや)リョウさんです。

今井:スリープコーチという肩書きなんですね。それでは本日のゲストはLIFREE株式会社共同創業者の角谷リョウさんです。角谷さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

角谷:はい。よろしくお願いいたします。

寺崎:角谷さんは企業向けの睡眠改善指導で圧倒的な実績をお持ちで、例えばNTTドコモさんとか、サイバーエージェントさんとか、損保ジャパンさんとか、そういった大手企業をはじめ、なんと計120社、累計6万5千人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきたという方なんですよ。

今井:6万5千人もですか!?ちなみに先ほどスリーププコーチというあまり耳慣れない肩書きをお聞きしたんですけれども、スリープコーチとはどういったお仕事なのかも含めて、まずは角谷さんから簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?

角谷:はい。スリープコーチというのは日本にはあんまりいないんですけど、睡眠をよく取れてない不調な人を自力で快眠できるようにお手伝いするという、そういう仕事になります。


実は全体の2〜3割の人の睡眠が危険な状態

寺崎:元々は睡眠の専門家ってわけじゃなかったんですよね?

角谷:そうなんです。元々は役所に勤めていまして、役所で全然関係のない都市計画みたいな仕事をしていたんですけども、そこからトレーナーになって、どうやったらその人の調子がよくなるかってことで、トレーニング以外に食事とか睡眠とかがすごく重要になってきたんですね。それでだんだんやっていくうちに、睡眠に特化していったっていう。そういう流れでスリープコーチになりました。

今井:元々は筋トレとかのトレーナーですかね?

角谷:そうなんです。もともと筋トレで、それこそライザップみたいな、ダイエットみたいなことしていたんですけども、やっぱりダイエットだとあんまり意味がないので、パフォーマンスみたいな方に入っていったって感じです。

今井:そうすると、筋トレとかダイエットよりも体の調子がよくなっていくには睡眠が一番根本にあるんじゃないかということに気づかれたという感じなんですかね?

角谷:そうなんです。色々とやった結果、睡眠が一番重要ってことがわかって、どんどん特化して、睡眠に集中したという感じになります。

今井:そうだったんですね。やっぱり現代ビジネスパーソンは睡眠に問題を抱えていることが多いんですかね?

角谷:そうですね。大規模統計で見ると、睡眠がちょっと危険っていう、国際テストでアウトになる人の確率が30%ぐらいありまして。その30%ぐらいの人って、医療機関に行ったら治療だったり、何らかの処置をするということなんですけど。僕らも数万人という単位で調査しているんですけれども、だいたい2、3割は医学的にはアウトみたいな結果が出ているので、そういう意味では非常によくないというか、それぐらい多い。全体の2、3割の人が危険な状態と言えます。

今井:2、3割って相当な数ですよね。

角谷:そうですね。国際的に見ても2、3割って非常に多くて。気づいている方は本当に数パーセントで、治療したり、何らか対処をしている人は5%もいないって言われているので、そういう意味では多くの人が睡眠不調なんだけど、何の手も打っていないっていうのが現状です。

睡眠時間の短さよりも「睡眠の質」がもっと問題

今井:日本人は睡眠時間が他の国に比べてやたらと短いみたいなグラフを見たことがあるんですけど、そういったことも関わっているんですかね。

角谷:そうですね。よく睡眠時間が世界一短いとか、世界1位とか2位とかっていう統計が色んな調査で出ているんですけど、睡眠時間が短いということもちょっと問題だと思うんですけど、それ以上に問題なのはやっぱり睡眠の質が悪いというか。途中で起きてしまったりとか、睡眠が浅かったりとか、そういった事が起こるので、睡眠による損失が非常に大きいというのが問題です。時間よりも質が悪いっていうのは問題だと思います。

今井:なるほど。

寺崎:ちなみに、佐和さんは普段はよく眠れていますか?

今井:私は電気をつけっぱなしのまま寝てしまったりとか、仕事をしながら寝ちゃったりとか、本を読みながら寝ちゃったりとか、今の角谷さんのお話で言うと、睡眠の質はめちゃくちゃ悪い気がします。

角谷:今の話ですが、電気をつけた状態で寝るじゃないですか。そうするとまぶたは閉じているからいいような気がするんですけど、実は豆電球くらいでも睡眠の質って下がってしまうんですよ。なので、電気をつけたまま寝るのはかなり睡眠の質を下げているので、相当もったいないですね。

今井:豆電球もだめなんですか?

角谷:そうですね。基本、豆電球が上にある場合は、それだけで睡眠の質が下がるので、海外とかだと上の豆電球じゃなくて、足元灯とか。まぶたの上に光が入ってくる時点でよくなくて、例えば外から街頭の光がカーテンから漏れるとかあるじゃないですか。全然気にせずに眠れていると思うんですけど、これを閉めるだけでも睡眠の質って全然上がるんですよ。夜中に起きる回数も激減します。お子さんとか、年配の方の起きる回数もだいぶ減ります。

今井:そうなんですね。ちなみに寺崎さんの睡眠はいかがですか?

寺崎:いや、僕も似たようなもので、電気をつけて寝ちゃうことも多いし、あと仕事のことを色々と考えて興奮しちゃって、毎日深く眠れない感じで。寝ていても歯ぎしりとか、いびきとかもすごくて、睡眠はやばい状態なんですよ。

寝る前に「仕事モード」からいったん切り替える

角谷:今の寺崎さんのお話ですが、仕事のことを考えること自体は全然悪くないんですよ。仕事ができる人とかエグゼクティブの人って、やっぱり仕事のことを常に考えているからいいアイデアが出るっていうのもあるんですけど。これを仕事のことを考えても、寝る前に切り替えてリラックスするっていうのができると、夢の中で仕事がうまく整理されたりしていいアイデアが出るので、もうあと一歩という感じです。

寺崎:なるほど。一旦、スイッチをオフにする方法が必要ということですね。

角谷:そうなんです。考えるのは全然いいので、そこからオフにして、スコーンって深い睡眠ができると、その間に頭が整理されていいアイデアが出るので、そこができるかできないかが非常に大きなポイントだと思います。

寺崎:そういったことがこの本にも書かれているんですけど。面白いのが、角谷さんは元々はお役所に勤めていらっしゃったということですけど、神戸市役所でめちゃめちゃハードワーカーで寝る時間も惜しくて、勤めていた市役所で寝泊まりしていたっていうお話を聞いたんですけど。

角谷:はい(笑)。

今井:寝泊りですか!?

角谷:その時は、僕の部屋があったんです。はい(笑)。

今井:部屋!?

角谷:僕の寝る部屋みたいな。ずっと働くから、仮眠室みたいのがあって、僕の時代って・・・、僕の時代って何歳だよって話なんですけど(笑)、本当に「24時間戦いますか?」みたいな感じだったので、「寝ること=悪」みたいなのがあって。どれだけ睡眠を削るかみたいな、そういう文化があって、あんまり寝ずに働いていました。で、役所から独立した時も2時間ぐらい自分で勉強しながら、お客さんにもやって、そして店舗拡大みたいなことをしていたので、全然睡眠も足りていなくて、睡眠の病気、不眠症と無呼吸症候群になって。そこから「これはいかんな」と思って、やったことがそのまま活きているという、そういう感じです。

今井:なるほど。全ての経験が活かされて、今の角谷さんがいらっしゃるんですね。

角谷:そうです。はい。

睡眠の質の低下がもたらすさまざまな弊害

今井:ところで、よく睡眠負債という言葉を耳にするんですけど、インターネットで調べると、「慢性的な睡眠不足の状態が続いて、その負債が蓄積されて心身に支障をきたしている状態のこと」ということなんですけど、やはり睡眠不足っていうのは健康状態にも深く関わってくるものなのでしょうか?

角谷:そうですね。あんまり知られてないと思うんですけど、いわゆる糖尿病とか、色んな病気って睡眠不足かどうかでリスクが2倍から3倍に跳ね上がるんですよ。20%~30%っていうレベルじゃなくて、数倍っていうレベルで上がってしまうので、すごくもったいないというか。重要な病気のリスクが上がってしまうっていうのがあります。あと、わかりやすいので言うと、睡眠不足か睡眠がちゃんと取れているのかで、同じ食事をしていてもすごく太ってしまうか、いいスタイルかっていうのが変わってきたり。食事も大事だけど、睡眠で結構決まっちゃうところもあるんですよ。

今井:それは聞いたことがあります。ダイエットには意外と睡眠が大事だっていう話を聞いてから、ちょっと睡眠に力を入れるようになった時期があります。

角谷:時期がある(笑)。僕も元々ダイエットをしていた時に睡眠も取り入れていたんですけど、やっぱり食事を変えるってなかなか難しいと思うんですよ。食事を我慢すると幸福度も下がってしまうと。だけど、睡眠をきちんと取って、ホルモンバランスをよくしておくと、食べた分がちゃんと代謝されたり、上手く体のリズムって取れるので、そんなに太らないんですよ。だから、その方が得だなと思います。

今井:確かに美味しいものを食べて、たくさん寝た方が幸せな人生って感じですよね。

角谷:そうだと思います。やっぱり幸福度を下げるっていうアプローチだと、うまくいかないっていうか。それは食事にしても睡眠にしてもそうなんですけど。それについては今回の『働くあなたの快眠地図』でも強く書いていることなんですけど、幸福度下げてしまったら、何のためにするのかわからなくなっちゃうので、いかにそこを減らさずに、むしろ幸福度が増えるように睡眠をよくするとか、食事をするみたいな発想でいかないと絶対続かないです。

鬱病と睡眠の密接な関係

寺崎:あと最近、鬱病の方が周りにもいっぱいいるんですけど、鬱レベルと睡眠不調レベルって、完全に比例するみたいな話がありましたよね。

角谷:そうなんです。アメリカの心理学会とかで、鬱の前駆症状、鬱の時に出る症状の中で不眠症状が1番相関性が高いって言われていまして。日本でもメンタルダウンをする前に不眠が出ることが9割以上ということがわかっています。僕らも統計を取っているんですけど、睡眠テストでちょうどアウトになる平均点が、ちょうどメンタルダウンのそこから軽い鬱症状の領域に入るっていうので、いわゆる睡眠でちょうどアウトになったら、メンタルもちょうどアウトですよっていうのが、1万人以上の調査でわかっているっていう。本の時には6000人ぐらいのデータになっているんですけど、そういうのが分かっているので、睡眠が取れていないということは、メンタルもやばいのかなと思った方がいいとは思います。ということで、睡眠不調とメンタルには相関性があるんですけど、改善した後にメンタル数値を取ってみると、ちゃんと睡眠が下がるとメンタル数値も下がるので、要はメンタル不調を治す手法って今現在だとほとんどないんですけど、それなら睡眠を治すとメンタルもよくなるっていうロジックの方が受ける側も受け入れやすいし、再現性も高いということで、それが僕らが企業で多く採用されている理由でもあったりします。

「睡眠負債」という流行語が生んだ弊害とは?

寺崎:あと、先ほど出た睡眠負債という言葉、これが2017年の流行語大賞のベスト10に入って、日本人の多くの人がなんとなくではなくて、はっきりと「睡眠って大事だよね」っていう認識に変わったっていう記載があるんですけど、この辺りいかがですか?

角谷:そうですね。この本でも書いたんですけど、その時の睡眠負債という言葉で、みんな睡眠に意識を持ちました。その後に起こったのが、寝具メーカーが高額でも売れるっていうことで、かなり高いマットレスだったりとか、枕みたいなものを売るようになって、売上が爆上がりしたりとか。あとは睡眠クリニックみたいなところに、多くの人が行くようになって、いわゆるシーパップって言われる機械、保険で毎月5000円ぐらい負担ってことは、1万7千円、8千円ぐらいかかるんですけど、そういったものの使用者が増えたということで、どっちかというと、自己改善というよりはサプリだったりとか、寝具だったりとか、シープ医療だったりっていう、お金に変わってしまったっていう、そういう印象があります。

今井:確かに、私もその時に10万円ぐらいするマットレスを買いました(笑)。

角谷:もちろん、そのマットレス自体はおそらく今まで使っていたマットレスよりはいいと思うんですよ。寝返りとかよくなって、睡眠効率が上がったりっていう部分があるんですけど、そこまでお金をかけなくてもよくなる方法があるのに・・・。ということは、お金をかけられる人か、お金持ちの人しか睡眠をよくできないみたいな流れで、エグゼクティブの人はそうなったんですけど、いわゆる一般の人なかなかなれていないのが現状だと思います。

今井:ということは、お金をかけずに快眠を手に入れることはできるってことなんですか?

角谷:そうです。もちろん。僕が企業に行ってお話する時は、お金をかけれる人はかけた方がいいんですけど、かけずにどうやってよくするかっていうことは、常に重きを置いていて、この本でもほぼお金をかけずに快眠になれる方法が書いてあります。お金持っていて、お金をかけている人よりも快眠になれるようなノウハウはかなり書いてあると思います。

今井:ありがとうございます。この『働くあなたの快眠地図』、とても興味深い内容なんですけれども、お時間がやってまいりましたので、その内容についてはまた明日さらに詳しくお聞きしたいと思います。

タイトル「快眠地図」の意味

寺崎:ところで佐和さん、なんでこの本は快眠地図、マップなのかわかります?

今井:なんでマップなのかはわからないです。

寺崎:これがね、結構画期的なコンセプトだと思うんですけど、「1日」「1週間」「季節」「年齢」のそれぞれで、実は快眠スキルが違うんですよ。だからこの本では「1日」「1週間」「季節」「年齢」を地図、マップに見立てて、それぞれの睡眠の悩みを解消するという作りにしたんですよ。

角谷:ちょっと補足になるんですけど、快眠するのが1番難しいのが個人カスタマイズなんですよ。結局、「7時間寝ればいいの?」とか、「8時間寝ればいいの?」とかっていうのが、全く現場では使えなくて、例えば個人によって、生活スタイルによって、朝のパターンも夜のパターンも違ってきますし、例えば、20代と50代だと、そもそも同じ人でも2時間ぐらい最適睡眠時間が違ったりとか、色んなものが結構バラバラなんですよ。そうした場合、誰もがいい快眠を手に入れるには、この快眠地図の考え方に沿って、まず自分に合った1日のベースを作って、1週間のリズムを作って、どの季節でも眠れるようにして、年をとっても快眠できるようにしてっていうのを一歩ずつ作っていくと、誰でも自分に合って、一年中快眠できる方法が見つかるのがこの『働くあなたの快眠地図』という感じになってます。

今井:だからマップ、地図だったんですね!

角谷:そうなんです。

今井:確かに、うちも両親はすごく早く寝て、すごく朝早く起きるんですね。で、私と全く寝る時間と起きる時間が違うので、たしかに年齢とか、季節によっても、冬だと朝日が上がるのが遅かったりとかもあったりで、違うなってハッとしました。

角谷:そうなんですよ。やっぱり年齢がいくと朝方になるのは努力したわけではなくて体質的になるので、お年寄りは頑張っているんじゃなくて、眠れないんですよ。そういう感じです。

今井:確かに、「眠れない!」って母は言っていました(笑)。

睡眠にまつわる常識がひっくり返る本

寺崎:あと、睡眠にまつわる常識がひっくり返る話がいっぱい入っています。

今井:例えばどんなお話が入っているんですか?

寺崎:例えば、佐和さんは朝起きて目覚めのコーヒーとか飲んだりします?

今井:朝起きては飲まないんですけど、午後とかになんとなく「飲みたい!」みたいな感じで飲んだりします。

角谷:それはめちゃめちゃ当たりで、コーヒーを飲んではいけないのが、朝の寝起きで。寝起きでコーヒーを飲むと、目覚める自分の能力が落ちちゃう。なので、朝は飲んじゃいけないんですけど、ゴールデンタイムというのが2つあって、1つは9時~11時で、午後は14時~16時のところなんですけど、そこで飲むと非常に覚醒して、それも長持ちするっていうのが分かっているので、その時間帯はゴールデンタイム。でも飲んではいけないのは寝起きなんですよ。

今井:すごい!私、たまたまですけど、ゴールデンタイムに飲んでいました。

角谷:そうなんですよ。ゴールデンタイムに飲んでいるんです。それだと夕方ぐらいまでカフェインのいい効果が続いて、体的にもいいっていうのがわかっているんですよ。

今井:面白いですね。

寺崎:朝、起きてすぐっていうのはストレス耐性のコルチゾールが一番高いから、ストレス耐性を下げちゃうってことですよね?コーヒーを飲んじゃうと。

角谷:そうですね。ストレス耐性を下げちゃうっていうか、そもそもストレス耐性を自分で上げられるんですけど、コーヒーを使っても上がるんですよ。なので、コーヒーを飲み続けていると、コーヒーを飲まないとストレス耐性がつかなくなって、「どうもコーヒー飲まないと調子出ないなみたいな」ことになっちゃうわけなんですよ。そこで使うよりは自力で上げておいて、上がった9時ぐらいに飲むと、それが継続していい状態が続くのが一番いい活用法なので、もったいないというか、自分の機能を下げてしまうという感じになります。

寺崎:じゃあ、タバコとドーパミンの関係に近いんですかね?

角谷:そうですね。かなり近い部分もあります。

今井:なるほど。自力を使わないと衰えちゃうよ、みたいなことだったんですね。

角谷:そうですね。

今井:では、明日はそういった具体的な改善スキルについても、深く突っ込んでお話をお聞きしたいと思いますので、ぜひ皆さんもお楽しみいただけたらと思います。本日は角谷さん、寺崎さん、どうもありがとうございました。

角谷:ありがとうございました。

寺崎:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)

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