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【フォレスト出版チャンネル#208】ゲスト/経営|個人はもとより、企業も副(複)業の時代へ

このnoteは2021年8月31日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

空き家を賃貸物件にして経営する

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーの渡部洋平です。今日は編集部の稲川さんとともにお伝えしていきたいと思います。稲川さん、よろしくお願いいたします。

稲川:よろしくお願いします。

渡部:今日も素晴らしいゲストの方にお越しいただいております。なんと「空き家・古家不動産投資で経営者や個人のリスクヘッジをする方法」について語っていただきます。稲川さんとは、どういうご関係で出演していただけることになったんですか?

稲川:はい。全国古家再生推進協議会っていう団体がございまして、そこの理事長をされている大熊重之さんが、空き家や古家とかが最近多くなっているということで、ただただ放置しておくだけじゃなくって、これを再生して、一軒家として賃貸を経営しようと。そういう面白い経営手法と言うか、不動産投資法を教えていただきまして、本当に古い家がものの見事にきれいに再生されて、借り手に渡っていくという、すごいノウハウを教えていただきまして、一冊の本にまとめさせていただいたのが、その経緯でございます。

渡部:ありがとうございます。不動産や投資だとか、その辺に興味がある方にはめちゃくちゃ役立つ方法だと思います。今日のゲストは先ほど、稲川さんからご紹介がありました大熊重之さんです。大熊重之さん、よろしくお願いいたします。

大熊:よろしくお願いします。

渡部:では、稲川さん、大熊さんのプロフィールをご紹介いただいてもよろしいでしょうか。

稲川:はい。大熊さんは一般社団法人・全国古家再生推進協議会の理事長、株式会社オークマ工塗・代表取締役、株式会社カラーズバリュー・代表取締役をされています。2000年5月に東大阪の小さな貸工場で部品塗装の会社を開業。従業員3人から始めて、下請け業の経営に苦しむものの、2013年に始めた空き家・古家不動産投資がきっかけで会社が5社になり、グループ売上が5.7億円になりました。全国で、空き家・古家不動産投資の一般社団法人・全国古家再生推進協議会を設立し、会員数5000人、再生実績1300戸以上のコミュニティーを設立。現在も全国の空き家をなくす事業を拡大する一方で、工務店・職人に下請け脱却の仕組みを提供しています。こうした成功から教育事業、社団法人、ビジネスモデル構築の支援もされています。2025年には127万社がなくなると言われている大廃業時代に、少しでも多くの零細企業が生き残れるように「企業の副業」を進めています。著書には『空き家・古家不動産投資で利益をつくる』『儲かる!空き家・古家不動産投資入門』がございます。ということで、大熊さん、よろしくお願いします。

大熊:はい。よろしくお願いいたします。

空き家再生で町工場の下請けから脱却

渡部:大熊さんなんですけど、今、ご紹介にあった通り中小企業経営者と、全国古家再生推進協議会の理事長という二つの立場でお仕事をされていると思うのですが、まず経営者としてはどのような事業をされているんでしょうか。

大熊:はい。まずは、先ほどご紹介にもありましたように、製造業ですね。小さな工場で、従業員は今現在20名で行っている工場経営です。下請け業にはなるんですけれども、自動車部品とか家電部品、あるいは機械部品などの商品に色を塗って、お返しするというような仕事を工場の中で汗水流してやっています。もう一つは別会社でリフォーム会社ですね。古家を再生するリフォーム会社をやっていると。主にはそういった業務になりますかね。実務の経営者としては。

渡部:なるほど。ありがとうございます。かなりご苦労があったということもお伺いしたんですけれども、そういったご苦労もあって、空き家・古家不動産投資を始めたということなんですけれども、そもそもどうして空き家・古家不動産投資を始めて、二足の草鞋というんでしょうか。二つ、スタートすることになったんでしょうか?

大熊:まずは我々、塗装業だけに限らずですけど、東大阪っていうのは、小さい会社、工場が多くて、全国的にも中小企業の街ということで知られていると思うんですけども、小さい会社で、工場の駐車場を借りて、父ちゃん母ちゃんで仕事するみたいなところが、昔から多くあるというような、そういう地域なんですけども。そういう工場製造業の工場が30年前には1万社以上あったんですね。それが現在は、6000社を切るぐらいなんですよね。ほぼ半分ぐらいになるかなっていうような、そんな感じなんですけども、問題は下請けが多いんですね。大手の下請けをするんですけれども、やはり利幅は薄く、そして下請けなので、どうしても親会社の思う通りに動かないといけないと。労働集約型の仕事も多くて、このままでは社員共々、一生懸命に働くけども、いつまで経っても給料が上がらないとか、あるいは安定した経営にならないというようなことになるので、なんとか下請けから脱却をするような事業をしないといけないということで。そういった街工場の製造業なんですけれども、新しい何かをしないといけないということで、この空き家再生というのが出てきました。

渡部:先ほど「企業の副業」という言葉が出てきたんですけれども、メインのビジネスとまた別に複数の収入減をつくりたいというところがきっかけだったんですかね?

大熊:そうですね。やはり下請けから脱却するためには、今までやってる事業とは違う事業をしないといけないということで、色々なチャレンジをする中の一つではあったんですけども、私がやってよかったなと思うのが、空き家再生事業をすることによって、経営者の視野が変わるので、色んな新しいアイデア事業というのが出てくるので、一つの新規事業としての空き家再生いうことだけじゃなく、経営の幅が広がったり、ステージが上がったり、そういうことがあるので、この空き家再生事業というのを「会社の副業」の一つにして、規模であったりとか、成長であったりとか、そういった土台になるようなものになるんじゃないかなということで、この本を書かせていただいたということになります。

渡部:ありがとうございます。下請けという立場から始めたということですけれど、今の時代、ちょうど去年なんかはコロナで、例えば飲食店さんとかは、「全く自分のビジネスからの収入がなくなっちゃいました」みたいな話をすごく聞きましたけど、そういうことも踏まえて、やっぱり副業と言いますか、もう一つのビジネスをつくっておくというのは、すごくこれからの時代に合ってそうですよね。

大熊:そうですね。今は個人では、副業OKの会社が・・・。みずほ銀行ですら、あの堅い金融機関ですら、副業OKっていうようになって、他の大企業もどんどん今は副業がOKなんて言ってますでしょ。会社も一緒だと思うんですよね。やはりどんどん副業を増やしていく、あるいは事業の幅を増やしていくっていうことをしないと、この変化の激しい世の中に本当に付いていけないんじゃないかなと思っています。

失敗体験を糧に副業を本格化して協会立ち上げへ

渡部:今日、聞いてるリスナーの皆さんがどういう立場にあっても、一つの知識と言いますか、選択肢として、今日の大熊さんの話を聞いておくとすごく役立つんじゃないかなと思ったので、早速もうちょっと具体的にお話伺っていきたいんですけれども、大熊さん自身が、一番最初に不動産投資と言いますか、空き家投資を始めたっていうのは、どこからスタートしたんでしょう?

大熊:ある事情があって、知り合いに「この一つのマンション、区分マンションを買ってほしい」みたいな・・・、買わないといけないような状況になりまして。で、まあ、せっかくマンションを購入するので、ちゃんと収益につながるようにしたいなと思って、やり始めました。当初の計画ではリフォームをして、入居者がついて、そして家賃がすぐに入って、それで利回りがつくっていうように、簡単に思っていたんですけども、実際にリフォームすると、なかなか入居者がつかない。どうしようかなと。お金ももう使ってしまっているし。で、工務店とかに話を聞きに行くと、「もっとお金をかけてリフォームしないと、客がつかないよ」と。あるいは、不動産屋に行くと、「こんな物件だったら、もう損切りして早く売ってしまいなさい」と言われると。これ、どうしようかなということがあって。でも、そのままほっておくわけにはいかないし、お金もある程度投資しちゃったんで、なんとか自分で工夫して、入居者をつけようということで、DIYをやったり、不動産業者に営業に行ったり、色んなことをして、何とか入居者をつけたんですけども、実際に利回りと言えるようなもんじゃなかったんですね。投資としては本当に失敗ということになりました。ところが、そういうことをやった後に、また同じような不動産屋さんから、「次はこういう物件があるんだけど買わないか?」みたいな話になりまして、そうすると私も「一回目に失敗したことをなんとか活かして、今度はうまくできないかな」というリベンジ精神がありまして、やろうと決めたのが、長屋の一角だったんですね。テラスって言い方するんですよね、不動産業界では。長屋の真ん中の一つを買って、そしてリフォームをして、入居者をつけるということをやりました。そうすると、ワンルームマンションより、一戸建て・・・。長屋でも、一応戸建てになるので、戸建てをやる方が非常にやりやすかったんですね。で、そこでまた調べまして、入居者がなんでこれだけ早くつくんだろうとか、長屋は結構安く買えたっていうのもあったんで、そういったことで利回りが高くなるなとか、色々と調べていく中で、これ、ひょっとしたら新しい事業になるんじゃないかなと考えて、そこから、最初は個人でやり出しましたけれども、これだったら会社でもできるんじゃないかなということで、会社の一つの事業として、賃貸事業みたいなかたちでやる方向になっていきました。

渡部:ありがとうございます。その後は、協会を立ち上げられたということなんですよね?

大熊:そうですね。で、大家業として戸建てを買って、家賃収入を得るということをどんどん一つずつ増やしていく。で、4年くらいで、1500万ぐらいの家賃収入になるんですけれども、これは非常にやりやすいし、安定してるし、そして収益、利回りとしてもいいと。この事業をどんどんこう増やしていきたいと思ったんですけれども、やはり一人でやるには、情報って集まりにくいですし、仲間が多ければ多いほどリスクを減らせる。事例とかも知れるのでね。こういう大家業っていうのは、仲間を増やす方がリスクが減るし、情報も入ってきやすいなというのが分かりまして、だったら団体をつくろうということになったんですね。で、この大家業っていうのは、面白いのが非常に地域に喜ばれるなと。特にこの古家再生っていうところなんですけども。この古家再生で、例えば工事をする時に途中で見に行った時に、隣のおじちゃんとかおばちゃんが出てきて、「やっとここに誰か住んでくれるんか。」と。「よかった」と。「隣に空き家があると心配でね」というような話をする。あるいは、近所のおじさんおばさんが来て、「やっとここに誰かが住んでくれるんだね」と。「家もきれいにしてくれてよかったわ」というようなことを結構聞くんですね。なるほどなと。私自身が投資としてやってることが、地域貢献になるなと。これをもっともっと大きくすることによって、国への貢献にもなるんじゃないのかなということで、先ほどの団体を一般社団法人にして、そして全国展開できるようにしようというようなことを考えて、仕組みをつくっていったということになります。

渡部:なるほど、なるほど。個人で始めて、会社の事業になり、それから社会、そしてもっと言えば、国にも役立つような仕組みになってきているっていう。どんどん順調に大きくなられているんだなあっていうのをすごく感じたんですけれども。今、会員さんも増えているということだったんですけれども、一般の方にも空き家、古家不動産投資は始めやすいっていうメリットがあるんでしょうか?

大熊:そうですね。会員の方の95~96%ぐらいは多分サラリーマンの方と思うんですけれども、一般の方でもやりやすくするための仕組みをつくったんですね。私が最初の一件目で失敗したようなことにならないように、まずは知識を入れていただく。それも勉強しやすいようにオンラインで勉強できるようなかたちにする。だけど、現実にはやっぱり不動産というのは現物投資になりますので、やはり物を見てもらうということが非常に大事なんですね。通常の不動産のセミナーみたいに知識だけを入れるっていうことはしたくなくて、ちゃんと現物を見て、匂いを嗅いで、そして触れて、近所の雰囲気もわかるっていうことが非常に大事なので、ちゃんとそういった現物を見に行ける。そして、解説してもらえる。そういった仕組みをつくって。で、実際にこの空き家投資で一番のポイントになるのは、やっぱりリフォームなんですね。工事会社にも安心してリフォームをしてもらうようにするためには、工事会社を選定して、工事会社自身にも教育をして、ちゃんと戸建ての不動産投資だったり、戸建ての特徴であったり、賃貸業界だったり、そういったことを全部わかるように工事会社自体にも教育をする。そして、一方では先程の投資する側の方にも知識と、そして経験も積めるような場づくりをして。で、仲間同士で情報交換ができるようなかたちにして。こういう仕組みをつくることが、本当に素人の方と言うか、全く今まで不動産業界に関わったことがない方が、そこに入って、知識を得て、経験を得て、安心してできるというようなかたちに仕組みとしてしましたね。

古家再生不動産ビジネスは「四方よしビジネス」

渡部:稲川さんはいかがですか。一緒に本もつくられていると思うんですけど、ここまで大熊さんのお話を聞いたりして。

稲川:はい。先ほども大熊さんがおっしゃられていましたけれども、やはり空き家問題という、国の問題にも貢献できるっていう素晴らしい事業だと思います。そして、近所の方からも喜ばれるし、入居者の方からも喜ばれるんですよね。

大熊:はい。そうです。私は、この古家再生不動産ビジネスっていうのは、「四方よしビジネス」と言ってるんですね。一つは、先ほどおっしゃっていただいた入居者さんに喜んでもらえるっていうのがありまして、それはマンションとかそういったところでは、子どもが小さかったら音が気になって、迷惑をかけるであるとか、ペットを飼うことができないとか、そういった方が必ずいらっしゃるので、戸建てに住むと、気兼ねなく安心して住めるっていうメリットがある。しかも、我々がやる再生っていうのは家賃をできるだけ抑えて、安い家賃で選択肢を増やしているというかたちになるので、入居者さんに喜ばれる。そして大家さんですね。いわゆる投資家になるんですけども、その投資家さんも非常に安く、定額で不動産投資ができると。2000万、3000万と大きな借金をしてやる不動産投資ではなく、大体500万円前後ぐらいの定額で不動産投資ができるということで、低リスクにもなりますし、やはり普通の不動産よりは高利回りですね。そういったメリットが大家さんにもあります。そして三人目としては工事会社なんです。先ほど工事会社が安心できるようにということで教育をするって言いましたけども、我々としては安くリフォームをやってもらうことで収益が上がるんですけども、ただ単に工事額を叩き倒して、相見積して安いところばっかりに行っていると、大家業っていうのは長い期間の投資事業なので、そういった・・・。特に我々は中小企業で、下請け業として叩かれたという経験もあるので、そういったことをしないように、工務店側にもメリットがあるようなかたちで仕組みをつくっています。それは、安くはやってもらうけれど、打ち合わせとかそういったことを少なくするようにしたりとか、あるいはパターン化されたリフォームのやり方であったりとか、そういったかたちでリフォーム業者にも収益が上がるようにしています。そして最後は、先ほど説明した地域ですね。地域にもメリットがあるということで、入居者さん、大家さん、工務店さん、そして地域、この四方の利益があるという、「四方よしビジネス」だというふうに私は伝えていますね。

渡部:ありがとうございます。今日、色々とお話をいただいたんですけれども、今、ちょっとリフォームのお話があったんですけど、ビフォーアフターみたいな写真が見れると、こんなに変わるんだみたいなのを実感していただけるんですけども、Voicyは音声だけなので、それがちょっとご紹介できずに残念なんですけれども、本当に空き家・古家不動産投資っていうのは、不動産投資の中でもお話にあった通り、少額からスタートできて、しかもリフォームを楽しめるっていうところと、色んな方の役に立つっていうことなので、ご興味を持たれた方というのは是非一度、大熊さんの本を読みになっていただけると、さらにイメージが湧くんじゃないかなと思いました。今日はちょっとお時間になってしまったので、明日はもう少し具体的な手法みたいなところもお話していきたいと思います。この古家不動産投資にご興味をもたれた方、もしくは今、不動産投資してるよみたいな方がいましたら、明日も聞いていただけたら嬉しいなあと思います。それでは大熊さん、本日はご出演いただきまして、ありがとうございます。また、明日もよろしくお願いいたします。

大熊:はい。ありがとうございます。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


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