見出し画像

教育格差を縮める、無料教育コンテンツ

「経済格差が教育格差を生む」というのは、数年前からさんざん問題視されています。
たとえば、ほとんどの東大生の親の年収は○○○○円以上!などと書かれた記事を読んで、教育格差が拡大再生産されつづけている様がリアルにイメージできるという人は多いのではないでしょうか。

私は、文化の香りどころか肥溜めの香ばしい臭い漂う畑、狸やムジナ、ハクビシンの発情期となれば毎晩そのあえぎ声の大合唱がはじまる山、そして地平線が見えるんじゃないかというほど広がっている田園に囲まれた限界集落の中で育ったのですが、小学校時代(1学年20人!、現在は全校生徒10人……!)は「神童」と呼ばれていました。
とどのつまり、典型的な井の中の蛙だったわけです。
「オレだって東京のそれなりのところに生まれていれば、開成とか行って、東大目指していたはずだ」などと自分の地頭の弱さを棚に上げて、地域格差というもう1つの要因によって自分の人生の可能性を酷く制限されたというルサンチマンに日々悶え、クソ田舎に生まれた自身の境遇と両親を恨んだものです。

しかし、時代は変わりました。
もちろん、経済格差は広がりました。コロナ禍によって首都圏脱出が流行っているとはいえ、地域格差も広がっています。
ところが、そうしたハンディキャップを埋めるコンテンツがあるのです。それが、12月16日に発売され、その発売日当日に重版が決まった『塾へ行かなくても成績が超アップ!自宅学習の強化書』の著者で、教育YouTuberである葉一さんが配信している、無料の授業動画です。

葉一さんのYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」では、教科書に基づいた無料の授業動画を大量にアップしています。小中高生の主要教科とその単元を広くカバーしており、これを活用して自宅学習で志望校に合格する生徒が続出しているそうです。

実は私の動画は、不登校の子にもたくさん活用してもらっています。保護者の方に聞いて知ったのは、みんなそれぞれに学校に戻れない理由はあるものの、大きなネックの1つが勉強の遅れなんだそうです。
でも、私の動画を観て自宅学習に力を入れた子が、保健室登校でテストだけ受けに行ったら、学年で20位以内に入ったという報告もありました。それが自信になって授業も少しずつ受けられるようになり、無事に卒業できたそうです。
その子のお母さんから長文の感謝のメールをいただいて読んだときは、私もめちゃくちゃ泣いたのを覚えています。
――前掲書

不登校の子でも、無料の授業動画で学年上位にまで成績を伸ばすことができたうえ、それが自信になって学校に通えるようになった……。私の中学生時代には考えられなかったことです。

さて、そんな葉一さんの授業動画だけではなく、実は無料で視聴できるYouTubeの教育コンテンツはたくさんあります。
代表的なものを、葉一さんの解説とともにご紹介しましょう。

映像授業 Try IT(トライイット)

中学生以上向けだと、私の授業動画のほかには、「TryIT 」なども、さすが家庭教師のトライが制作しているだけあって充実しています。
――前掲書

小島よしおのおっぱっぴー小学校

 小学生向けのものでは「小島よしおのおっぱっぴー小学校」もすごくわかりやすい。算数を教えているのですが、小学校の低学年・中学年の子たちの心をわしづかみにしています。
――前掲書

ヨビノリ

PASSLABO in 東大医学部発「朝10分」の受験勉強caf

高校生以上だと「ヨビノリ」( 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」)とか、東大チームの「P A S S L A B O 」もすごく人気があります。
――前掲書

教育における地域格差という点でいえば、こうした無料コンテンツを使えば、かなり縮めることができるのではないでしょうか。
もちろん、無料とはいえ、こうした動画を視聴するためのデバイスや通信費はバカになりません。
特に、生活になくてはならないインフラであるにもかかわらず、国際的にも高いと言われる通信費は困りもの。
しかし、そこは携帯料金4割引き下げを要求しているガースーこと菅首相に期待したいところです(首相に携帯料金を引き下げを要求する法的権限があるのでしょうか……?)。

ともあれ、5Gが当たり前に使えるようになり、通信費が下がれば、教育格差はグンと縮まるかもしれません。

 経済的事情でまともな指導を受けることができなかったあるアフリカの選手は、Y o u T u b eで技術を独学で学び、オリンピックに出場したことで話題になりました。
 勉強だって、Y o u T u b eで学べば、いくらでも成績を上げることができるはずです。
――前掲書

YouTubeというと、子どもが夢中になっている姿に保護者の方は眉をひそめるかもしれません。
しかし、もしかしたら、子どもが夢中になって観ているのは、甘いマスクと優しい語り口で難しい数式を解説している、次の本の著者かもしれません。

(編集部 石黒)







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?