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現状から抜け出すためにはどうしたらよいか?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日は先日お伝えした「言葉があなたの人生を決める」という考え方について、コーチングの元祖ルー・タイスによるアファメーションを易しく解説した苫米地英人博士によるロングセラー「言葉」があなたの人生を決めるから抜粋・引用して、もう少し踏み込んだ解説をご紹介します。

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「言葉」は両刃の剣

 あなたの人生を阻んでいるのは、「私はこの程度の人間だ」とか、「あまり多くを望みすぎてはいけない」といった、あなたの内側に固く染みついた言葉の呪縛です。
「私にはだいそれた望みを叶える力はない」という自分自身の信念が、あなたをいまの現状に縛りつけているわけです。この信念は、何によってつくり出されているかといえば、言葉によってです。
 これまでの人生において、あなたは他人からそう聞かされてきたし、自分でも自分にそう言い聞かせてきたはずです。たかだかそんな言葉にさらされつづけるだけの単純なことで、人間は「自分はこの程度の人間だ」とか「自分にはできない」などと思い込んでいます。
 言葉というのはたいへん危険なシロモノです。
 しかし、いっぽうで、こうした言葉が持つ力を逆方向に利用してやることは、簡単なことです。単純にいえば、「私はすごい人間だ」とか、「自分にはできる」という言葉を、自分で自分に言い聞かせるわけです。たったそれだけのことでも、人間のマインドは非常にポジティブに変わってしまいます。
 アファメーションの技術を学び、それを使いこなせるようになれば、さらに大きな成果が生まれます。人生のゴールを達成するために必要なことが、よりはっきり見えるようになり、毎日の行動と選択は自動的にゴール達成に必要なことに集中するようになるのです。
 このように、言葉というのは両刃の剣です。
 うまく使うことさえできればこれほど強い味方はありません。しかし、そうでない場合は、これほど人間をダメにしてしまうものもないといえます。

ブリーフ(信念)が認識のパターンを形成する

 ルー・タイスは、「何を達成するかは、ほとんどの場合、何を信じるかによって決まる」と述べています。「何を信じるかによって」というのは、どのようなブリーフ(信念)を持っているかによって、あなたが達成することが決まるという意味です。
 ブリーフとは、脳科学的にいえば、その人の前頭前野や大脳辺縁系につくりあげられた認識のパターンのことです。
 たとえば、学校で友だちのいじめにあい不登校となった子どもには、学校は命さえ落としかねない恐ろしいところという認識が生まれます。いじめをする友だちがその子を殺そうとするわけではないでしょうが、いじめにあっている本人としては、これ以上やられると死んでしまうと感じるほどの強烈な恐怖体験を味わいます。
 その子どもは、いじめをする友だちのことを思い出したり夢でうなされたりするたびに、その強烈な恐怖体験をくり返し追体験します。すると、しだいに前頭前野に認識のパターンがつくりだされ、しまいにはお母さんとの会話の中に学校の先生の名前がでてくるだけで、大脳辺縁系の扁桃体が活性化し、からだに震えがくるような重い症状をきたすようになります。
 学校に関連する物事を友だちの過酷ないじめに結びつける認識のパターンが生まれることによって、先生の名前を聞くだけでからだが震えるという反応が起こるわけです。
 不登校の子どもの例は極端かもしれませんが、人間は例外なく、前頭前野や大脳辺縁系にいくつもの強固な認識のパターンをつくり上げています。この認識のパターンが、人間が持つブリーフシステム(信念体系)です。
 ブリーフは、言葉を受け入れることによってつくられます。

 その人に、「私には、難しいことはできない」というブリーフがあるとしたら、誰かがそう吹き込んだか、誰かに人々の面前でちょっとした失敗を口汚く罵られたか、そうした他人の言葉を受け入れたことによってそれが生み出されたといえます。
 ちなみに、言語世界では他人が示す態度も言葉のひとつです。
 このように、外部の言葉を受け入れることによって生み出されたたくさんのブリーフが、人間のブリーフシステムを形づくっています。

現状から抜け出したければ
ブリーフシステムを変えればいい

 ルー・タイスは、ブリーフシステムが私たちの行動を規定する、と考えます。
 たとえば、企業社会で何事も達成度の低い多くのビジネスパーソンは、生まれながらにして備わっている動物としての人生のゴールしか持っていません。それは何かといえば、いまの現状を維持し、生命を永らえていくことです。
 現状を維持することが最善という人生のゴールとブリーフがあるかぎり、人間が現状にとどまろうとするのは当然です。そういう人は、現状にないことに取り組もうとはしないし、現状の外に無限の可能性が広がっていることに想像をめぐらそうともしません。
 また、現状は固定化されたものだというブリーフを持っていれば、「いつも変わらない。これからも変わらない」という間違った考えにとらわれてしまいます。
 私が面白いと思うのは、「もっと世の中を変えないといけない」と声高に主張する人たちの存在です。
 彼らは、世の中が変わらないために不都合を被っていると考えているわけですが、そんなことはありません。世の中は、私たちの想像をはるかに超えるスピードで、めまぐるしく移り変わっています。じつは、変化しないのは「世の中を変えないといけない」と主張している人たちのブリーフシステムのほうです。彼らは自分たちが変化のスピードについていけずにビジネスがうまくいかないことを、「世の中が変わらないからいけないのだ」と、社会のせいにしているのです。
 現状は固定化されたものだというブリーフが、こうした甚だしい誤解を招きます。
 現状は、この瞬間にも極めて流動的なものであり、いつも変わらない現状など、本当はありえないのです。
 あなたが現状から抜け出したいと考えているのであれば、その最も効果的な方法は、ブリーフシステムを変えることです。

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じゃあ、そのブリーフシステムを変えるにはどうしたらいいのか?

これについては、次回の投稿でじっくりお伝えします。

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