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「完璧さ」を求めることは逃げ!完璧主義者=仕事ができないヤツ

こんな仕事をしていて非常に致命的なのですが、私は新規の著者にアプローチするのが得意ではありません。というか、メチャクチャ悩みます。

「こんな企画にノッてくれるか?」
「門外漢がこんな企画を提案して大丈夫か?」
「正直、この著者の本、まだ1冊しか読んでないんだよな…」
「ゴメンナサイされたら、きっと精神的ダメージがやばい」
「バカだと思われたらどうしよう…」
「こんな名もない編集者が連絡したら、失礼にあたらないか…」

考え出すと、どんどん卑屈なほうに気持ちが傾いていきます。
こんな思春期の少女のように繊細で傷つきやすい編集者も、稀にいるのです。
そこで、「著者の本やその分野の傾向を調べ尽くして理論武装し、準備万端になってからアプローチしよう」などと考えるのですが、機を見るに敏な編集者が多い中、こんな逡巡は自ら勝ちを放棄しているようなもの。完璧さを求めているようでいて、じつは自分が傷つくことから逃げているだけなのです。
「すみませーん、どもども。自分、この分野全然わからないんですが、とても興味があってご連絡しました。こんな企画ですけど、どうっすか?」という厚顔無恥さも、ライバル編集者を出し抜くためには、時には必要です。

さて、私のように何かと言い訳を考えて一歩踏み出せなかったり、十分な情報が集まらない限り先に進めない、という人は多いのではないでしょうか。また、何をするにも、情報収集に時間をかけすぎるタイプの方もいらっしゃるかと思います。
私の例からもわかるように、それはなんの生産性も生み出さないばかりか、時間を無駄にしているのですから害悪でしかありません。
では、そんな思考プロセスから脱出するにはどうすればいいのでしょうか?そのヒントになると思われる箇所を、羽田康祐『無駄な仕事が全部消える超効率ハック』の中から一部抜粋してお届けしましょう。

情報を待つ→仮置きで動く

いろいろ理由をつけて、行動を先延ばしにしてしまう人は、「周到な準備をしておけば、うまくいくはず」「情報が網羅されれば、正解が導き出せるはず」と信じているようです。
しかし、どのような仕事もリアルタイムに変化していく以上、「100%完璧な状態」になることはありえません。にもかかわらず「完璧な状態」を目指して、あれもこれもと時間と労力を割いてしまうと、先に進めなくなってしまいます。
そこで必要になるのが「今ある情報だけで結論を仮置きして進めて、後から軌道修正をする」という仮説思考の考え方です。

●結論を仮置きしないと、工程が増える

たとえば、商品の売上が下がっていて、何らかの対策を考えなければならない局面を考えてみましょう。
今、手元にある情報は「ライバル商品が値引きキャンペーンを仕掛けてきた」ことだけだとします。
この例の場合、主に注目すべきファクターは「客数」「客単価」「新規顧客」「既存顧客」の増減ということになるでしょう。そして結論を仮置きせずに網羅的に進めようとすると、次のように5 つのステップが必要になります。

ステップ1:「新規顧客の客数が減少していないか?」を確認する
ステップ2:「新規顧客の客単価が下がっていないか?」を確認する
ステップ3:「既存顧客の客数が減少していないか?」を確認する
ステップ4:「既存顧客の客単価が減少していないか?」を確認する
ステップ5:新規の顧客数を増やすためのアクションプランを考える

●結論を仮置きすると、工程が減る

段取りはステップが増えれば増えるほど「情報が集まるまでの待ち時間」や「段取りの所要時間」が増えてしまうため、業務の生産性を下げてしまいます。
一方で「今ある情報だけで結論を仮置きして進める」ことができれば、次の3 つのステップですみます。

ステップ1:今ある情報を基に「客数」に焦点を絞り、「客数が減少」のみを確認する
ステップ2:今ある情報を基に「新規顧客」に焦点を絞り、「新規顧客の客数の減少」のみを確認する
ステップ3:新規の顧客数を増やすためのアクションプランを考える

このように、今ある情報を基に結論を仮置きして進めることで、段取りのスピードは劇的に速くなります(図12)。

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●仮説が間違っていても軌道修正は容易にできる

今回の例のように、たとえ4 つのファクター(「客数」「客単価」「新規顧客」「既存顧客」)があったとしても、今ある情報を元に仮説を立て、絞り込んでいくことができれば、情報収集が素早くなり、作業の着手も早めることができます。
また、いきなり4 つを絨毯爆撃的に検証するよりも、短い時間で答えにたどり着くことができます。
もし仮説が間違っていたとしても、別の仮説を立てて2個目、3個目を検証して軌道修正していけば、最初から4 つの可能性を網羅的に検証するより、はるかに段取りのスピードは速くなるのです。

いかがでしょうか?
私も反省しきりです。
完璧主義者という自認がある人は、「完璧な仮説」を求めないようにご注意を!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石黒)

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