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40代に多い「来る来る詐欺師」、そして糖尿病の意外な原因

フォレスト出版編集部の寺崎です。

本記事をお読みの血糖値高めの方。
血糖値安定生活、送ってますか。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』の著者・市原先生によると「40代には治療に来る来る詐欺」がとても多いそうです。

治療を途中でやめるとどうなるか……についても警鐘を鳴らしているのが『血糖値を自力で下げるやり方大全』です。

40代男性に多い「来る来る詐欺師」とは!?

 糖尿病にかかったら、血糖値をなるべく安定させ、合併症を起こさないために、「定期的な通院」はマストです。ところが、自覚症状がないのをいいことに、「自分は大丈夫」と、何の根拠もない勝手な自己判断で、病院に来るのをやめる方が意外と多くいらっしゃいます。
 特に多いのが、「40代の男性」の患者さん。
 私は、彼らのことを、愛をこめて「来る来る詐欺師」と呼んでいます。「来る」と言って来ない。「次は必ず!」と言って、やっぱり来ない……。「もう浮気しませんっていう、浮気性の男性と同じだなぁ」なんて、密かに思ったりもしますが、それでもまた、フラリと来院してくれると、やはり私もうれしいものなんですよね(笑)。
 ただ、通院中断を繰り返していると、当然、糖尿病の状態は悪化している場合がほとんど。数カ月、あるいは数年ぶりの来院で血液検査をしたら、血糖値は爆上がり、即、インスリン注射を開始しなくてはいけないという方もいます。
 また、久しぶりに受診して内服薬を再開しても以前のようには血糖値は下がらないことが多いのです。来る来る詐欺を繰り返すほど血糖値が下がらない率が上がります。血糖値が高くなっていることで膵臓に負担がかかっていて、だんだん内服薬が効きにくくなるのです。もちろん医師は、薬を変更して血糖値を下げる工夫をしますが、結局、インスリン注射を使うことに……。
 そして、通院中断の期間が長いと、血糖値が高い期間も長くなるため、さまざまな合併症のリスクがグッと高くなります。とくに怖いのが糖尿病による網膜症。「来る来る詐欺師」の人たちの傾向として、眼科もなかなか受診しません。そうすると、糖尿病の薬を再開して血糖値が急に下がったことで、網膜症が悪化するケースもあります。
「来る来る詐欺師」のみなさ〜ん。
 年齢的にも多忙であることは分かっていますが、インスリン注射の手間や複数の病院に通う手間を考えると、定期的に通院して、糖尿病の治療をするほうが、よほど時間の使い方として効率的だと思いませんか?

『血糖値を自力で下げるやり方大全』より

ちなみに、2型糖尿病の場合、「不摂生がたたったんだろう」とか、「どうせ甘いものが好きで糖尿病になったんでしょ?」なんていう、いわれなき差別を受ける場合があります。

でも、それは間違いです。

糖尿病はあなただけのせいではないのです!

糖尿病は、あなただけのせいではない!

 糖尿病、なかでも2型糖尿病に対しての偏見は、いまも根強くあるように感じます。好き放題食べて飲んで、自堕落な生活を送った結果の自業自得でしょ……と。私も、11歳で1型糖尿病と診断されたときには、2型の方と同じ偏見にさらされ、悲しい思いもしました。だから正直言って、2型糖尿病の方に対して、良い感情を持てなかった時期もあります。
 でも、自分が糖尿病専門医になり、2型糖尿病患者さんたちと接するなかで、その誤解に気づき、大いに反省しました。そして、今は敬意を持って、一人ひとりの話を聞きながら治療に当たっています。皆さんそれぞれに魅力があり、尊敬すべき方々です。
 さて、2型糖尿病の原因についてですが、食べ過ぎや運動不足の背景の一つには、多くの場合、「ストレス過多」があると考えられます。その原因としては、長時間労働による肉体的疲労、各種ハラスメントや人間関係による心の疲労などの外部環境要因、また、ワンオペ育児や家庭と仕事の両立、介護問題などによるストレスもあるでしょう。
 2014年にドイツで発表された調査によると、5337人の労働者を平均13年追跡したところ、職場で過大な仕事を要求されて強いプレッシャーを感じている人は、そうでない人より2型糖尿病になるリスクが45%も上昇したそうです。また、2013年にカナダで発表された調査では、7443人の女性を平均9年追跡したところ、仕事のストレスが多い女性は、そうでない女性より、2型糖尿病の発症リスクが2倍になっていました。
 2型糖尿病にかかったことで、自分を責めている方もいるでしょう。でも、私は伝えたいのです。
 それは「あなただけのせいではない」と。ストレスで心や体が弱ってしまった人に寄り添える社会が求められています。子どもの頃、1型糖尿病になって絶望していた私は、主治医はじめ医療スタッフや友達、両親など周りの人々に救われました。そして、今は私も医師として患者さんの支えになりたいと願っています。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』より

というわけで・・・どうにか、ストレスを溜めない生活を心がけたいところです!

ストレスは睡眠の悪化、睡眠不足が大きくかかわってきます。「最近よく眠れてないな……」なんて方には、こちらの書籍がおすすめです!


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