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「雪だるま式の複利効果」ってよく聞くけど、どゆこと?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日は地味ながらじわじわ資産運用に効いてくる「複利」について『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ・著)から勉強してみます。

かつてバブルのころ、郵便局の定額預金の金利が6~8%だった時代がありました。当時は「郵便局に預けておけば10年で資産が倍になる」と言われてました。

まさに「郵便局に寝かせておくだけで資産が倍増」した。そんな時代があったわけですが、いまやゼロ金利時代(そろそろ解除するようですが)。

さて、どうする。
そうです、いまや庶民の希望の星である「NISA」です。

現時点で銀行にそれなりの金額の貯金がある人は、NISA口座に回して運用したほうが、貯金と比べて10年後、20年後に大きな金額の開きが出ることは過去の歴史が実証していますが、それは「複利」の効果によるものです。

さて、そんな地味にすごい「複利」ですが、いったいどういうメカニズムなのでしょうか。

以下、『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ・著)から引用します。

以下の話は本書150ページに登場する「株式市場が誕生して以降、200年後の株価は当時の70万倍」というジェレミー・シーゲルのグラフをベースにしています。

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あとでドッカーンと効いてくる「複利」の力

 株式が長期的には右肩上がりというのはよいとして、それにしても、前出のグラフで株式が200年で70万倍になったというのは途方もない増え方です。このようにとんでもなく大きな増え方になるのには、もうひとつ、株式が「複利」の力を持っているからです。
 お金の増え方の計算には単利と複利の2つがあります。

 単利=利息を元金に組み入れずに計算する方式
 複利=一定期間ごとに支払われる利息を元金に組み入れて計算する方式


 仮に、毎年5%増える金融商品があったとしましょう。

【単利の場合】
 投資元金 100万円
  1年後 100万円+(100万円×5%)=105万円
  2年後 105万円+(100万円×5%)=110万円
  3年後 110万円+(100万円×5%)=115万円
  10年後 145万円+(100万円×5%)=150万円
  100年後 595万円+(100万円×5%)=600万円

【複利の場合】
 投資元金 100万円
  1年後 100万円×105%=105万円
  2年後 105万円×105%=110万円
  3年後 110万円×105%=116万円
  10年後 155万円×105%=163万円
  100年後 1億2524万円×105%=1億3150万円(!)

 複利の場合、単利とくらべて少しずつリターンが大きくなっていることがわかると思います。1〜3年だと小さな差ですが、時間が経つにしたがって元金は「雪だるま式」に大きくなっていき、10年、100年という長期間が経つと、途方もなく大きくなるのです。200年も経てば、それこそ数十万倍になります。
 かつて、アインシュタイン博士は複利の概念こそ「人類最大の数学的発明だ」と言いました。この概念は知っておいた方がよいと思います。
 ただし、私たち人間には寿命というものがあり、投資ができる期間は、せいぜい数十年くらいしかありません。
 しかも、複利はプラス方向だけではなく、マイナス方向にも効いてきます。
 株式市場は上がったり下がったりしながらゆっくりと増えていくので、個人が机上の計算通りに数十万倍に増やすことはできないでしょう。
 しかし、「人類最大の数学的発明」である複利の概念に沿った形で、なるべく長期間投資することによって、複利の力を働かせやすくすることはできます。長期的な株式投資は、目先の小さな損益にはあまり意味はなく、長い運用期間の後半にこそ、複利の力が効いてくるのだと覚えておくとよいでしょう。

***

投資元本が100万円だったとして、100年後には・・・
1億3150万円-600万円=1億2910万円の差が生まれるとは!

もちろん、いまから100年生きられるわけではないので、次のような現実的なシミュレーションのもとに計算し直してみます。

【元本】
◎30歳から月5万円の積立投資をスタート
◎積立期間は60歳まで
◎投資対象は複利効果のある投資信託
◎想定利回りは6%

この条件で金融庁のシミュレーターに入力します。

最終積立金額は・・・5022万5752円となりました。

30年間こつこつ積み立てし続けてきた老後資金として、これはこれで十分かもしれません。ところが、この5000万円を80歳までの20年間、単利で運用するか、複利で運用するかで、どれほどの差が生まれるか。

【単利計算】
1億0045万円

【複利計算】
1億3326万円

【差額】
1億0045万円-1億3326万円=3281万円(!)

ただ、お金を寝かせておくだけなのですが、単利か複利かで、3000万円以上の差が生まれてしまいます。

雪だるま式の「複利の効果」・・・恐るべしですね。




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