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「糖質ゼロ」「糖類オフ」「糖質カット」の定義に迫る

最近、血糖値を上げないようにハンバーガーを食べるときは、いつもの「コカコーラ」ではなく「コカコーラゼロ」を飲むようにしているのに、ホットコーヒーは砂糖とミルク入れないと飲めないお子ちゃま舌のフォレスト出版編集部の寺崎です。

ちなみにYouTubeで実験している動画を見たことがあるのですが、普通のコーラは血糖値が爆上がりなのに、コーラゼロは血糖値が微動だにしていませんでした。すげーな、ゼロ。

というわけで、今日は世にはびこる「糖質オフ」「糖類ゼロ」といった用語の真相を、新刊『血糖値を自力で下げるやり方大全』(市原由美江・著)から引用して、みなさんにお届けします。

「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質カット」みんな違って、みんないい?!

 お菓子やビールなどの食品には、「糖類ゼロ」「糖質○%オフ」などの表示があります。
 まず「炭水化物=糖質+食物繊維」であり、「糖質=炭水化物‐食物繊維」です。糖質には、砂糖やブドウ糖、果糖の「糖類」、でんぷんやオリゴ糖の「多糖類」、キシリトールやエリスリトールの「糖アルコール」が含まれます。
 よく皆さんが間違えるのが「糖質」「糖類」
「糖質ゼロ」は、血糖値を上げる要素がなく、血糖値は上がりません。食品100g当たり0・5gまでは「ゼロ」と表記できるので、完全にゼロではありませんが、血糖値は心配しなくてOK。
 また、「糖質ゼロ」は、糖類も多糖類も糖アルコールもないので、カロリーはないけれど甘みもなく、代わりに人工甘味料で甘くしてあります。
 一方、「糖類ゼロ」はどうでしょう。血糖値を上げる「糖類」がない「糖類ゼロ」は大丈夫そうですが、血糖値を上げる他の糖質が入っていることがあります。糖質表記がないこともあるので注意。
 次に「糖質オフ」。食品100g当たり5g以下を「オフ」と表記できるので、「糖質オフ」も「糖類オフ」も200g食べたら糖質は最低でも
10g含まれます。10gでも決してバカにはできません。
 昔から販売されている「糖類オフ」のチョコレートは、普通の甘いチョコを食べるよりもいいのですが、血糖値は上がりますよ。ちなみに食物繊維は血糖値を上げません。オリゴ糖やキシリトール、エリスリトールも同様です。
「ゼロ」や「オフ」などのいろいろな表示に混乱しますよね。食品に含まれないのが「ゼロ」や「ノン」「レス」など、含まれるけど低いのが「ひかえめ」や「ライト」など、通常の食品より減らしたのが「◯%カット」「◯%オフ」「ハーフ」など。
 細かな決まりがありますが、一番簡単でおすすめなのが、食品のパッケージに記載されている「栄養成分表示」の糖質を見ることです。糖質の表記がない時は、炭水化物を見る習慣をつけましょう。間食なら糖質または炭水化物10g程度にとどめる習慣を。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』(フォレスト出版)より

いささか混乱気味だった「糖質」「糖類」「ゼロ」「オフ」といった食品表示について、これですっきり理解できましたね。

ちなみに食品表示といえば、「トクホ」の食品をうまく生活に取り入れることで、血糖値スパイクの防止に役立てることができます。

トクホを賢く利用して、血糖値を下げる

 コンビニなどで、トクホマークのついた清涼飲料やヨーグルトを見かけませんか? トクホは「特定保健用食品」の略称で、科学的に保健効果の認められた食品成分がきちんと含まれていて安全であるとメーカーが申請し、国が審査して許可したものです。血糖値を改善したい人は、このトクホをうまく利用しましょう。
 トクホにある「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」というフレーズ、血糖値が気になる人には魅力的ですよね。この表示があるトクホは、75gブドウ糖負荷試験などで境界型糖尿病(いわゆる糖尿病予備軍)と診断された人、または、食後の血糖値が高めの人を対象におこなわれた試験の結果を
もとに作られています。
 多くは、難消化性デキストリンを主成分としている食品で、お茶や粉末などです。難消化性デキストリンは水溶性食物繊維なので、小腸での糖の吸収を抑えて食後の血糖値の上昇を穏やかにすることがわかっています。水溶性食物繊維は善玉菌のエサにもなるので腸内環境も整えやすく、血糖値の改善も期待できそうです。
 トクホを利用するときに注意してほしいのは、トクホの効果は、境界型糖尿病のような軽度の糖尿病の人で確認されたものであるということ。ヘモグロビンA1c6・5%未満の人や血糖値を下げる薬を使ってヘモグロビンA1c6・5%未満の人も、効果は期待できます。αグルコシダーゼ阻害薬よりも効果は劣りますが、似たイメージで血糖値を下げます。
 そして、効果を最大限に発揮させるためには、食事の前に摂取することが大切です。お茶の場合は食前、せめて食べ始めのときに集中して飲みましょう。
 もちろん糖質を摂り過ぎれば、トクホの効果は簡単に打ち消されるので過信は禁物です。たくさん摂っても病気が治るわけではありません。薬ではなく、あくまで健康を補助するものであり、いろんな食品をバランスよく組み合わせた食生活が、健康的な体づくりの基本であることを忘れないでください。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』(フォレスト出版)より

難消化性デキストリンは糖尿病対策のみならず、ダイエットの味方にもなるはずですので、おすすめします。

巷では、ダイエット目的で血糖値を下げる薬を飲むことを推奨しているインフルエンサーがいると耳にしましたが、低血糖状態になると大変危険なので、絶対にこちらはおすすめできません。

本書『血糖値を自力で下げるやり方大全』はこうした日常の知恵が満載ですので、血糖値が気になる方にはとってもおすすめです。

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