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NISAに「債券」を組み入れたほうがいいのは、なぜか?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

日本はこれまでずーーーっとデフレが続いてきましたが、ここにきてインフレの状況が生まれています。物価がどんどん上がっているのを、みなさん苦々しく実感されていることでしょう。

私が住んでいる神奈川県の西側エリアのスーパーでは、これまでキャベツ1玉の値段の最安値が「99円」でしたが、今では「199円」と、約2倍に値上がりしました。

ところが、これでもまだ安い方だと最近知ります。

先日、都内某所のスーパーにたまたま立ち寄る機会があって、「そういえば東京ではキャベツ1玉いくらなんだろう?」と純粋な好奇心から値段をチェックしたところ、なんと「298円」もしました!

このインフレは果たして一時的なものなのか?

人気エコノミストであるエミン・ユルマズさんの新刊『エブリシング・バブル 終わりと始まり』によれば、「今のインフレは短期的なものではない」そうです。

 欧米はパンデミック下でベーシック・インカムの社会実験をやったところ、物凄いインフレになった。
 日本もこれからインフレがさらに進み、2050年頃まで続くと私は見ている。ベーシック・インカムを導入すればさらに強烈なインフレになる可能性もある。
 日本人はまだインフレという概念に戸惑っていて、政官財のトップですらインフレを一過性のものと考えており、頭を切り替えらえれていない。だから、多くの日本人はデフレマインドのままで、投資どころかお金を使おうとしないし、まだ貯蓄しようとしている。
 しかし、インフレマインドはもはや避けがたい。失われた30年が終わる今、社会を動かす仕組みが大きく変わり、変化に伴う痛みが生じる。
 しかし、私は悲観していない。なぜなら、日本人は変わるまで時間がかかるが、いざ変わった時は「右に倣え」で一瞬のうちに切り替えることができるからだ。マインドがデフレからインフレに変わった途端、日本でも消費や投資が活性化していく。

エミン・ユルマズ『エブリシング・バブル 終わりと始まり』プロローグより

「米中貿易摩擦」というワードがニュースで飛び交うなか、「米中新冷戦が始まった」と予見し、「日経平均株価の上昇」など数々の予言を的中させたエミンさんの言うことですから、信ぴょう性があります。

デフレとは、突き詰めると「お金の価値が下がる」現象です。貨幣の価値がどんどん下がっていくため、現金で保有するリスクが高まります。

つまり、預貯金で資産を保有することがリスクになるわけです。

では、どうすればよいのか。

現金以外の資産に代えておくこと・・・です。

株式、債券、不動産、ゴールド‥‥などなど、現金以外の資産クラスはたくさんありますが、まとまった資産がない一般庶民にとっては、少額の積み立てから始められる「新NISA」はいちばん手っ取り早い方法でしょう。

というわけで、今日は「現金以外の資産」としての「債券」について、鬼塚祐一さんの『50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?』から一部抜粋、引用してご紹介します。

***

なぜ、債券にも投資をしたほうがいいのか?

 投資と聞くと、ほとんどの方が真っ先に思い浮かべるのは株式投資だと思いますが、よりリスクを抑えた分散投資を行うためには、株式投資だけに偏ってはいけません。株式だけでなく、債券にも分散投資することで、着実な資産運用が可能になるからです。
  なぜ、株式と債券の両方に分散投資する必要があるのか?
 結論から言いますと、「株式と債券は互いに逆の動きをする傾向にあるから」です。
 実際の値動きを見てみましょう。まずは、次の図の日本のほうを見てく
ださい。これは、2014年末からの約6年間の株式の値動きと債券の値動きをグラフで表したものです。
 1つはTOPIX(株価)で、もう1つが債券価格です。2015年、チャイナショックで株価は暴落、2016年に起こったイギリスのEU離脱問題のときも暴落しています。

 この2つのタイミングでの債券の線を見てください。
 債券価格は上がっています。
2018年のトルコショック、米中の貿易戦争の際にも株価は下がっていますが、債券価格は対照的に上がっています。
 このように、株価と債券価格は対照的な逆の動きをする傾向にあるということがグラフから読み取れます。
 
 今、見ていただいたのは日本の場合なので、今度は下のアメリカの場合も見てみましょう。こちらは1998年からの16年間のグラフです。1つがS&P500(株価)、もう1つが債券価格になります。
 2000年、ITバブル崩壊によって株価が大暴落を起こしています。しかし、その時の債券価格は上がっています。また、2008年に起きた100年に一度の金融危機、リーマンショックの時にも株価は大暴落を起こしていますが、債券価格は上がっています。
 
 このように、株式と債券というものは、互いに逆の動きをしやすいものなのです。ですから、株式と債券の両方に投資をしておけば、一方で損失が出たとしても、もう一方が利益をもたらしてくれることで、リスクコントロールが可能になるというわけです。

なぜ、株価と債券価格は相反するのか?

 それでは、なぜ株価と債券価格は相反する動きをするのか?
 いろいろな要因があるとは思いますが、株式と債券は市場規模が大きく2大投資対象でしたよね。仮に、そのひとつである株式の大暴落が起きると、投資家たちはどう考えるでしょうか?
「今、株式に投資をするのは危険だ!」と判断して、株式を売却してお金を引き上げようとします。引き上げたお金をどうするかというと、株式よりもローリスクである債券に回すことで、リターンは低いかもしれないものの、安定的な運用を選ぶようになるわけです。
 債券を買う人が増えれば債券価格は上がります。
 これが株式と債券が逆の動きをする理由のひとつです。
 
2023年5月18日の日経新聞の記事に掲載されたボストン・コンサルティング・グループが発表した世界の資産運用市場に関する調査によると、運用会社が預かる資産の総額は2022年末の時点で98兆3000億ドル(約1京3450兆円)だったそうです。つまり、世界には投資しなければならないお金が1京3450兆円もあるということなのです。
 このお金は常に投資しなければいけない、運用しなければいけないお金ですから、株が下がって資金を逃がすならば、他のものに投資をしなければなりません。
 その資金の逃げる先が、安定的な債券になるということです。逆に株価が上がってくれば、リターンの低い債券の魅力は低下しますので、債券を売ってハイリターンが期待できる株式を買う人が増えるので、債券価格が下がるということが起きるわけです。

***

・・・いかがでしょうか。

私はこの鬼塚さんの説明がものすごくわかりやすく感じられ、これまでなんとなく「債券にも分散投資したほうがいいんだよね」ぐらいな認識でしたが、「なるほど、そういうことか!」と腹落ちして感動した記憶があります。

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