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相手をリラックスさせて「素」を見抜く面談メソッドとは?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

昨年11月に刊行した『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野壮彦・著)がこのたび7刷の重版が決まり、発売3か月で累計3万部を超えました。

お読みいただきました読者のみなさまに感謝申し上げます!

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今日は3万部突破を記念して、これまでnoteではあまり公開してこなかった「面接の具体的メソッド」をいくつか『人を選ぶ技術』から引用してご紹介します。

相手をリラックスさせる究極の方法

 理想の面接にするためには、相手をリラックスさせることが肝心だ。
 リラックスすると会話が弾むだけでなく、相手の〝素〞が見える。
 四角四面のロボットのような人かと思っていたのに、ちょっとリラックスしたら冗談も口に出てきて、意外と〝人間くさい人〟だということがわかるかもしれない。
 面接用につくられた〝非常モード〟の顔より、その人本来の〝通常モード〟の顔のほうが、これから一緒に仕事をしたい人間かどうかを判断するには役立つだろう。
 もちろん仕事だけでなく、プライベートな付き合いの場合でもそうだ。
 ではどうすれば、相手をリラックスさせられるのか。

 クスッと笑ってしまう気の利いたジョーク?
 思わず夢中で見てしまうマジック?
 
 それでは面接官は全員コメディアンかマジシャンでないと務まらなくなる。そんなふうに口達者や、手先が器用でなくともできる方法がある。
 誰もが実践できる、相手をリラックスさせる方法。
 それは──自分自身がリラックスすることだ。
 人間の感情は案外たやすく他人に伝播する。
 大人の人間の体は約60%が水分だ。鳥の羽ばたきが池の水面に影響を与えるように、対面した人間同士の波動が互いに影響を与え合うことがあっても、何ら不思議はない。
 ぼくもこれまで5000人以上を対面で面接してきたわけだが、〝波動の伝播〞があるということを強く実感している。
 自分がイライラしているときは何となく相手もイライラしてくるし、こちらが穏やかなときは相手も穏やかな表情になってくる。したがって、こちらから積極的に〝和らぐ〞こと、そして、良い波動を生むことが、特に初対面時には大事なのである。

小野壮彦『人を選ぶ技術』(フォレスト出版)より

相手をリラックスさせるためには、まず自分自身がリラックスすること。

まずはここがポイントです。

アイスブレイクはやはり必要

「アイスブレイク」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
 その名の通り、〝緊張して氷のように固まった空気や心を溶かす〟という意味だ。
 具体的には、会議や商談を始める前に簡単なゲームや自己紹介をして、お互いの心を和ませる行為である。
 日本ではこのアイスブレイクの戦略的意義があまり認知されておらず、知っていても省略する人が多いのだが、この最初の1分間のショート・トークを無駄にしないだけで、面接の質(=情報収集の量)は格段に上がる。
 時間を無駄にしているようでいて、そうではなく、むしろ有効なコミュニケーションのために必要なものなのだ。
「そんな気の利いた小話なんかしゃべれないよ」と思う人もいるだろう。
 ご安心を。
 ぼくも大した話はできない。鉄板ネタもない。アイスブレイク集みたいなものを作ってそれを読み上げたところで、心の氷は溶けっこない。
 実は、アイスブレイクのコツは、相手の氷ではなく〝自分自身の氷〞を溶かすことにある。自分はどうやればリラックスできるかを考えよう。
 自分がリラックスすれば、相手もリラックスすることは先に述べた通りだ。
 例えば、「もうすぐ週末ですね」とか、「今日はいい天気ですね」など、お互いポジティブになるような一言を発するのもいい。昔からあるこうした挨拶の決まり文句は、私たち人類が長年のコミュニケーションで手に入れた究極のリラックス方法なのかもしれない。

小野壮彦『人を選ぶ技術』(フォレスト出版)より

「アイスブレイク」と聞くと、何か特別なことをしなければいけないイメージがありますが、ここも前段の「自分がリラックスする」というのがポイントです。

私たち編集部でも採用面談の際には「うちの場所、すぐにわかりました?」と最初に聞くパターンが多いのですが、これもひとつのアイスブレイクになっていたのかもしれません。

感謝の気持ちを伝えよう

 もっと簡単に、相手を和ませる方法がある。
 それは「感謝を伝える」というものだ。
「今日は来ていただきありがとうございます」と言うだけだ。
 営業職の人はこれを割と自然にできる。しかし内勤の人はなかなかできない。なぜならば、1日中社内で顔見知りの人たちと仕事をしていると、知らない相手を訪ねて話すことがいかに大変か、いまひとつ想像がつかないのだ。
 加えて、面接にはどこかで「雇ってやる」という心理が無意識に働きがちであるということも、感謝の言葉を伝えられない要因だ。契約してやる。お金を払ってやる。そんな気持ちが透けて見えたら、相手は心を開いてはくれない。
 そもそも面接は何のために行うのか?
 相手は社外の人であり、ある意味では「お客様」ともいえるはずだ。
 そう考えれば、おのずと感謝の言葉が口から出てくるはずである。

小野壮彦『人を選ぶ技術』(フォレスト出版)より

これも大事なポイントですね。
ついつい、面接官は「選ぶ側」であるがゆえに、偉そうになりがちですが、それでは相手は心を開いてくれません。

このほかにも「タメ語風言葉の絶大な効果」「パソコンでメモを取るのは是か非か」など、具体的なワザが本書には盛り込まれています。

ちなみに先日、元ミクシィ社長の朝倉祐介さんのVoicyに著者の小野さんがふたたび登場して、本書で解説したものをさらに深掘りしたトークを展開しています(全2回)。

こちら、ぜひ、お時間のあるときに聴いてみてください。


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