ビタミンCを大量摂取して朝スッキリ目覚める身体に
リモートワークの日は、通勤時間分を睡眠に当てている人は多いのではないでしょうか。しかも、今年は異常に梅雨が長いため、頭や身体が重く感じる気象病の傾向が出がちな人は、特に起床に苦しんでいるはず。
しかし、二度寝をしたり、日々違う起床時間を設定するのは、目覚めをより悪くするようです。それはなぜなのか、そしてどう対処すればいいのか?
そのヒントとなる箇所を、『睡眠の常識はウソだらけ』(堀大輔・著)の中から、一部抜粋・改編したうえでご紹介します。
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起床がうまくなるコツ
多くの人は、寝起きが悪いときに、睡眠不足を不安に感じたり、睡眠の質が悪かったと考えがちですが、それはまったく違います。あくまで起床は起床であり、睡眠全体ではありません。
有名な説として、レム睡眠の段階で目を覚ますと起きやすいという話があります。これは正しいのですが、だからといって、90分サイクルで訪れるレム睡眠の段階で目を覚ますように指示している睡眠の専門家が多すぎます。
野生世界で生きていると仮定して、90分サイクルでしか良質な目覚めが手に入らない動物がいたとしたら、すぐに絶滅しているでしょう。人間も含めてすべての動物は、起きたいタイミングや、起きるべきシチュエーションのときに、目を覚ましてすぐに活動することができます。これは起床するためのホルモンが睡眠中(起床する前)に出ているためです。
ではなぜ寝起きがつらいという方がこれほどまでにたくさんいるのでしょう。
それは、起床ホルモンが出なくなる動作を繰り返すことで、それが習慣となってしまったからです。
起床ホルモンが出なくなる動作とは、二度寝を繰り返したり、スヌーズ機能を使うことです。二度寝は多くの人が快楽を感じますし、「むしろ起床がよくなる」と推奨している専門家もいますが、その日1日だけならまだしも、長期的に考えるとおすすめできません。本来、ホルモンの分泌に対して身体は準備をし、エネルギーを使いますが、二度寝をすることによってホルモンの発生が無意味だと身体が覚え、それが恒常化するのです。
また、起床ホルモンの量の低下はメラニン色素を抑えるメラトニンの分泌を抑制してしまうため、日中に日差しを浴びることでシミ・ソバカスが発生しやすくなると考えられます。
睡眠中には、ドーパミンやノルアドレナリンといった、行動を促すホルモンの受容を抑制するホルモン、GABAが発生しています。寝起きにまったく活動できなかったり、やる気が出ないのは、起床ホルモンが出ずにGABAの影響をもろに受けてしまうためです。
反対に、起床ホルモンが大量に出るようになれば、寝起きがよくなり、睡眠に関する満足度がかなり向上します。「起きられないかもしれないから徹夜しよう」といった無理をすることもなくなります。
したがって二度寝を今日から一切しないでください。最初はつらいかもしれませんが、繰り返すことで身体の恒常性維持機能(周囲の環境の変化によらず、生体的に身体を一定に保とうとするはたらき)によって、起床がスムーズになっていきます。
ビタミンCを大量摂取して起床ホルモンを出す
起床ホルモンをもっと直接的に出したいのであれば、ビタミンCを摂取しましょう。
起床ホルモンはDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)というホルモンを活発化させると分泌されやすくなります。そのDHEAを分泌させるために必要な栄養素はいくつか存在しますが、DHEAの分泌のときに大量に消費されるのがビタミンCなのです。
1回で1000㎎を上限として2時間おきに摂取し、1日で6000㎎は摂取したいところです。 これはサプリメントを使うことに抵抗がなければ、そこまで大きなストレスもなく実践できるはずです。
DHEAはあまり日本では馴染みが少ないホルモンかもしれませんが、米国などでは、若返りホルモンと言われ、知名度が高いのです。なぜ若返りと言われるかというと、DHEAが分泌されると、男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲンが生成されやすくなるためです。男性ホルモンや女性ホルモンは20代をピークに徐々に身体の合成力が減り、これが加齢の原因と言われています。
ワシントン大学の調査では、DHEAを摂取することで、お腹まわりの脂肪が減少したという実験結果を発表しています。また、寿命という観点から見ても面白いのが、加齢とともにDHEAの分泌が減るという報告です。つまり、DHEAの分泌を促すことでアンチエイジングできる可能性があるのです。
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以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。編集部の石黒でした。