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上場企業を含め延べ140社以上が活用しているフォレストック制度とは?

はじめまして!一般社団法人フォレストック協会事務局の川西です。
今回は延べ140社以上が活用されているフォレストック認定制度について、どのような制度なのか、具体的な活動内容をご紹介させていただきます。

フォレストック協会とは?


フォレストック協会ロゴ


フォレストック「Forestock」とは森林を意味する「Forest」と貯蔵を意味する「Stock」を組み合わせた造語です。
健全で豊かな森林が光合成により二酸化炭素(CO2)を吸収し固定化しながら成長することを表現しています。

日本は国土の約70%(約2,508万ha)が森林の森林大国で、私たちの日常は森林のたくさんの機能により成り立っています。

例えば・・・
きれいな水を供給する
災害を防ぐ
地球温暖化を抑制する
多種多様な生物のすみかとなる
やすらぎや憩いの場となる

などなど

認定森林マルマタ林業の森 樹齢60年の杉

森林の創出価値は年間70兆円と評されています。
一方で、木材生産や補助金だけでは採算が合わないため整備保全が放棄される森林が増加しており、林業の担い手不足も深刻な問題となっています。

そこで、森林が持つ機能のひとつである「CO2吸収量」をクレジットとして発行・流通することで価値化し持続可能な森林経営をサポート、日本の美しい森林と自然の恵みを未来へ繋いでいくことを目的に、フォレストック協会は活動しています。

森林は温暖化を抑制してくれる大切な資源です


フォレストック認定制度とは?


ここからは当協会が運営する「フォレストック認定制度」についてご紹介いたします。

フォレストック認定制度は2008年創設、2009年から本格的に始動し今年で開始から14年目となる国連・日本政府と並び、民間では唯一運用実績のあるCO2吸収量クレジット認定制度です。
【適切な森林管理】と【生物多様性保全】が図られている国内森林を対象に、制度基準を満たす森林を「フォレストック認定森林」として認定しています。2022年7月現在全国8ヵ所にフォレストック認定森林があります。

認定森林がどれだけの量のCO2を吸収しているのか専門機関の調査により算定し、その算定量に基づき「CO2吸収量クレジット」を発行、クレジットの売買流通を認める制度です。

認定森林のひとつ 群馬県高崎市のエコ計画の森 


例えば、認定森林のCO2吸収量が100t-CO2(※)と算定されたら、100t-CO2分のクレジットが発行され売買が可能となります。クレジット代金は1t-CO2当たり〇〇円、というようになっています。
CO2吸収量クレジットが売れると代金は認定森林へ渡り、植栽や間伐、林業機械の購入、林道の整備などに活用され、持続可能な森林管理・経営へと役立てられます。

※CO2吸収量の単位は【t-CO2】を使用し、「トン シーオーツー」と読みます。簡単に「トン」だけで呼ぶことも多いです。ちなみに1トンのCO2は半径が約4.95mの球に相当します。

CO2クレジットを購入するってどういうこと?


では実際にCO2クレジットを購入するとどうなるのか?クレジットは目に見えないものですので少しイメージしにくいかもしれません。ここからはクレジットの活用方法を見ていきたいと思います。
 

カーボン・クレジットって聞いたことはあるけど…


CO2クレジットの活用方法は大きく分けて2つあります。
(CO2クレジットとカーボン・クレジットは同義です)

①    カーボン・オフセット
②    マーケティング
 
①    カーボン・オフセット
カーボンとは「CO2などの温室効果ガス」のこと、オフセットとは「埋め合わせる、相殺する」という意味です。つまり、自らが排出したCO2の埋め合わせをするということです。
例えば、ある企業の従業員の移動(通勤や出張など)で、年間10t-CO2を排出した場合、CO2クレジットを10t分購入することで相殺でき、従業員の移動によるCO2排出は実質ゼロになる、という仕組みです。カーボン・オフセットはCSR活動の一環となり、企業価値向上へつながります。
 
②    マーケティング
2つ目の活用方法はマーケティングです。
例えば、ある企業が商品販売数に応じてCO2クレジットを購入します。そうすることで「1商品お買い上げごとに1㎡の森林を1年間守ることができます」など商品に付加価値を付けることが可能になります。近年、環境への配慮は消費者が購入を検討する上で重要な項目となっており、戦略的CSVとして活用することができます。 

 おまけ

CO2クレジットには【排出回避・削減系】【炭素吸収・除去系】があります。前者は省エネ・再エネ活用などによる「排出削減量」がクレジットとして発行されます。後者は森林経営などによる「炭素吸収量」がクレジットとして発行されます。CO2クレジット取引が活発に行われている海外では、どのクレジットでオフセットしたのか、というクレジットの内容にまで目を向けているようで、【炭素吸収・除去系】のクレジット価格が近年上昇しています。それだけ【炭素吸収・除去系】クレジットへの注目が高まっているということですね。



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今回は当協会の認定制度及びCO2クレジットの活用方法についてご紹介いたしました。
ご興味のある方は協会ウェブサイトもぜひご覧ください!
http://www.forestock.or.jp/index.html
 
〈お問い合わせ〉
一般社団法人フォレストック協会
こちらまで


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