正直者

私が高校生の頃の話である

仲良し3人組

3バカトリオである

3バカトリオは家も近く、いつも時間を共にしていた

いつからか夜な夜な私の家たむろするようになった

ただただマリオカートをするために、、、

https://pixabay.com/ja/photos/フィアット-フィアット-500-4322521/


ある時1人が「何か嫌な予感がすると」家まで送ってくれと言い出した

深夜、暗い竹藪や川を流れる橋を越えて帰るのだから仕方ない

https://pixabay.com/ja/photos/竹の木-ドック-環境-成長-1867840/

https://pixabay.com/ja/photos/ブリッジ-木-木製の橋-自然-2705973/

それからというもの、深夜に私の家でマリオカートをして、それが終了したらそのひとりの家まで送っていくという生活がスタートした

そういう生活がスタートしてまもなく、その1人が橋の上でトイレをしたいと言い出した

周りを見てもトイレは見当たらない

田舎、深夜、人がいない、橋の上、高校生3人、、、

そう、立ったまま橋の上ですることに

https://pixabay.com/ja/photos/トイレ-記号-トイレ-サイン-983390/

https://pixabay.com/ja/photos/小便小僧-ベルギー-ブリュッセル-299074/

開放的な瞬間、、、

は束の間

言い出した1人が急に声を上げてそこから走り去った

青ざめた顔、震えた身体

振り絞った一言

「カッパ」

カッパを見たらしい

https://pixabay.com/ja/vectors/動物-擬人化動物-漫画-文化-2029790/

残された2人は顔を見合わせた

カッパがいたなんて嘘に違いないとアイコンタクトを取った

しかしカッパの友人は以前震えている

どれくらい時間が経っただろうか

もう既に深夜だったためただならぬ雰囲気のまま誰も何もカッパの話題には触れることなくカッパの友人を送り出した

翌日も何事もなかったようにマリオカートの夜

いやカッパを思い出したくなかったのだろう

案の定、帰り際に送ってくれとカッパの友人

あとの2人もカッパに怯えながらあの橋へ

やはり

深夜、高校生、カッパ

恐怖しかない

そんな時でもまたトイレを探しているカッパの友人

完全にアホだ

今回は橋を避けてその手前にある竹藪で仕方なく仲良くならんですることに

カッパの事は忘れ再度開放的な瞬間、、、

は束の間

カッパの友人がまた急に声を上げてそこから走り去った

青ざめた顔、震えた身体

「いったんもめん」

カッパではなくいったんもめんを見たらしい

さすがにあとの2人も冗談だと思い、竹藪を見渡した

何も見当たらない

深夜のため明かりひとつなく見えないのは当たり前だ

しかしカッパといったんもめんの友人は依然震えている

どれくらい時間が経っただろうか

再度恐怖に包まれながらカッパといったんもめんの友人を送った

翌日、どうしても信用ならない2人はカッパといったんもめんの友人に秘密にして実際に現場を見に行くことにした

2人は竹藪に到着した

昼過ぎなのに薄暗い

本当に何か出てきそうだ

2人で竹藪の中を目を凝らして探す

、、、、、、？？？？？？

汗が止まらない

震えが止まらない

さらに見る

何と、、、

竹藪に白いシーツが見事に揺れていた

、、、、、、、、、、、、、

https://pixabay.com/ja/photos/布-ファブリック-繊維-シルク-4669151/

その時思った

カッパといったんもめんの友人は嘘つきじゃない

正直者だ

正真正銘の正直者だ

それならカッパは何だったんだろう

続く、、、

https://pixabay.com/ja/photos/天使-アート-彫刻-図-装飾-3740393/