「ブザービート」を決めるヒーローは奇跡ではない。努力の集積だ。〜独身アラサー、都内のちょいイケイケの社会人テニサーに入るの巻 前編〜
追い込まれたとき、ここ一番の勝負の時に、パフォーマンスを発揮できるヒーローになりたかった。
「明日!!20代テニスサークルメンバー募集!」
あと4ヶ月で30歳突入。
これは行くしかない!と直感で思った。
実際行ってみると、サークルの雰囲気もよく、テニスのレベルも高くよかった。
何よりも、出会ってしまったのだ。
「コートを駆ける天使」に。
テニスは得意なので、ラリーで打ち勝ったり、簡単なミニダブルスで優勝したりと、まあまあ爪痕を残せた。
そして、テニス後の飲み会。何とかここで、
天使
ともっと仲良くなりたかった。
飲み会では、オレは人と大分変わった行動をしてたり、変な価値観を持ってたりするので、割と盛り上がっていた。
そして、「席替えしよう!」となったとき、
ついに斜め前に来たのだ。
天使が。
「全集中!!面白い話をする呼吸!」
しかし、話題は営業やら保険やら株の話に。
.....しまった。ついていけねぇ...。
ただ、笑顔でうなづいたり、相槌を打ったりするだけ。
社会を知らない、公務員の苦手分野なのだ。もう少し、社会に目を向けておくべきだった。
オレのターンになり、職場あるあるシリーズ。
職場では、結構ウケたすべらない話を話すも、
滑り笑いにもならず、やんわり流される滑り。
所謂「オレが考える最悪の滑り方」であった。
「マジかよ!!!!」と心の中で100回叫んだ。
同時に、今までの経験や、価値観、雰囲気によって、笑いは左右されるのだと感じた。
二次会はダーツである。12人で3テーブル。三分の一で天使と同じチームになる計算だ。
じゃんけんの神様よ!!オレに赤い糸を結んでくれ!!!!!
結ばれませんでした。
オレは、6回に1回はブルが入る。初心者グループの中では、上手い方に分類されるらしい。
全チームの中でも、ベスト1.2を争う成績を出せた。
そして、4度目の正直。ついに天使と同じチームになった。
爪痕天使アタックチャーーンス!!!
しかし、オレにはもう一つ弱点がある。酒だ。酒はだめなんだ。弱いし、酒癖悪いし本当にダメなんだ。
しかし、負けたらテキーラショットと言うノリになり、飲めないオレは、天使にいいとこも見せたいし、なおさら負けられない戦いだった。
.......なぜだ。なぜブルが入らないのだ。
爪痕どころか、女性メンバー含めて、全チームで最下位の結果。
もちろん、オレのチームは負けた。なんなら、天使がめちゃくちゃ得点をとっていた。
テキーラはめちゃくちゃまずかった。「なにこれ!?飲むの?死ぬの?」って感じで躊躇してたら、二個下の後輩が
(オレ、飲んじゃいますよ)と囁き、全部飲んでくれた。イケメン...!食べちゃいたい!そしてオレださっ!笑
帰り道、天使が他の紳士仲睦まじく歩く姿を、羨ましげに見ながらも、ハッと我に帰った。
「いや、オレ、何もしてなくね?」
今日だって、
・テニス中とか、話すタイミングはたくさんあった。
・例え自分がてんでダーツがダメだったとしても、ハイタッチとかして、盛り上げられた。
・帰り道に、勇気を出して隣をキープして話すことだってできた。
仲睦まじい紳士は、確かに人一倍天使とコミュニケーションを取ってたが、自分は何も努力していない。
もちろん紳士が、山田孝之似のイケメンで、オレが20人に1人に星野源に似ていると言われる程度のハンデはある。(星野源ファンの皆様燃やさないでください...)
そう、努力もせず運命やらというまやかしで、天使と空に行くことはできないのだ。
鬼滅の刃の中で、炭治郎に錆兎はこう言った。
「努力はどれだけしても足りないんだよ。知っているだろう。お前も。」
30才まであと、3ヶ月!
公開する前にまずは、「努力」に「努力」を重ね、未来の30歳のオレと祝杯をあげたい。
例えダメだったとしても、この3ヶ月よく頑張ったねと、労い杯をあげたい。
もちろん30になっても飲めないだろうから、「ほろ酔い」で祝おうじゃないか。
ちょいイケイケサークル編 前編終
(後半劇的な展開あったら書きます)
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