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かつての里山に暮らす動植物 その3 草~多彩な草花~


 さて、山でこうした赤い実をよく見るかもしれないが、その実ができるための花に注目したことはあまりないのではないだろうか。上の赤い実はサルトリイバラというツル植物の実だが、この実がなるための花はというと、

こんな感じ。

早春に咲き、よく見ないと花が咲いているとは気がつかないので、この花を見たことがある人は山好きか植物好きではなかろうか。とにかく、こんな花のあとにあんな真っ赤な実がなるとはなかなか想像できない。

 一方、こちらは盗掘の対象にもなってしまうシュンラン。名前のとおり、早春に咲くランの仲間。

コナラなどの落葉広葉樹の林で、上空を覆う高い木々の葉がまだ開き切らない早春、春の日差しをたっぷり浴びて出てきます。かつての里山が本来の里山であった頃はたくさんあって、この花を採っておひたしにして食べたという話を聞いたような・・。とにかく、山で柴刈り(林の低木類を切り払って燃料とする)をせず、山野草の愛好家が増えた現代では希少な草となっています。

 最後は野菊の仲間、シラヤマギク。林の縁のような半日陰な場所で秋になると咲き誇ります。


それまでキクといえば菊人形にする電照菊しかイメージのなかったわたしにとって、野に咲くキクのなんとしとやかで可憐なことよ。いまでは、やっぱりキクってこういうもんだよね、と思ってしまいます。
 かつての里山、多彩な草花が見られます。

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