見出し画像

発達障害の原因は食にあるのか?

長崎のある政治家が「発達障害に苦しむ子供が増加傾向にある大きな要因は食にある。遺伝子組み換え農作物や危険な農薬を受け入れている国の制度を変えなければ、子どもの笑顔や未来は守れない。」と主張していると聞き、大変驚きました。

では、アメリカの連邦機関 CDC (Centers for Disease Control and Prevension,疾病対策予防センター)では、発達障害をどのように紹介しているでしょうか。CDCホームページ内にある developmental disabilities (発達障害) の Causes and Risk Factors (原因と危険因子) のページを見てみました。

CDCでは「発達障害の多くは、複数の要因が組み合わさって起きていると考えられている」とした上で、

・遺伝
・妊娠期間における両親の健康状態
・妊娠期間における両親の行動(例:飲酒、喫煙)
・出生時の合併症
・妊娠期間に罹患した感染症
・出生時の早期に罹患した感染症
・環境有害物質(例:鉛)

以上のものが要因に含まれる、と書いてあります。

Fetal alcohol syndrome (胎児性アルコール症候群) のように、原因が良く知られている発達障害もありますが、「But for most, we don’t(多くはわかっていない)」と書いてあります。


もう一度、この主張を振り返ってみましょう。

「発達障害に苦しむ子供が増加傾向にある大きな要因は食にある。遺伝子組み換え農作物や危険な農薬を受け入れている国の制度を変えなければ、子どもの笑顔や未来は守れない。」

少なくとも、現在のCDCの見解とは距離があるのではないでしょうか。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?