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映画「きっと上手くいく」から学ぶ、夢中になれることを持つ大切さ

おはようございます。
今日は映画「きっと上手くいく」から夢中になれることを持つ大切さについてです。

「きっと上手くいく」はインド映画です。
インド映画は歌って踊る、派手な映画、という印象を持っている人が多いと思います。

「きっと上手くいく」も、歌もダンスもあってお祭り騒ぎ盛りだくさんですが、次の瞬間、一転してシリアスなシーンになったりと、始終ジェットコースターのような映画です。

インドに優秀なコンピューターのエンジニアが多い理由

この映画を見る前にインドの背景を知っていると、よりストーリーを深く見ることができます。

インドは優秀なコンピューターのエンジニアが多いですが、これはカースト制度という階級制度があることが関係しています。
インドは本来、カースト制度によって自分の階級に則した仕事に就くことが決められています。

しかし、コンピューターのエンジニアはこのカースト制度に載っていない職業のため、階級に関係なく誰でも就職することができます。

そのため、低い階級の人でも努力をして優れたエンジニアになることで、より多くの収入を得ることができるのです。

このことから、エンジニアになることが人生の成功者になることであり、本人と家族が、命がけで目指す職業となりました。

一見、いいことのように見えますが、競争が激化したことにより格差が生まれ、勉強に失敗(大学に受からなかった、卒業できなかった、など)した若者の自殺者が激増する、とういう新しい社会問題も生みました。

「きっと上手くいく」はそんなインドの社会問題に焦点を当てて描かれています。

大学時代の悪友を探しに

物語は、一人の中年のカメラマン・ファルハーンが飛行機に乗っているところから始まります。
彼は大学時代、ランチョー、ラージューという2人の友人とつるんでいました。
大学の問題児だった3人組ですが、卒業後はそれぞれの人生を歩んでいました。

そんな3人と揉めていた、チャトルという男がいました。
チャトルは在学中、ランチョーと「10年後に母校で、どちらが成功したかを見せ合う」という賭けをしていました。

しかし集合場所に集まったのは、ファルハーン、ラージュー、チャトルの3人のみ。

3人は卒業後消息が不明となっているランチョーを探す旅に出ます。

映画は、ファルハーンの「回想」と「今」が交互に描かれていきます。

大学時代、ファルハーンは家族の協力もあってやっとの思いで大学に入り、コンピューターのエンジニアとなるべく勉強しています。
しかし、本当はカメラマンになりたかった、という夢を諦めきれず、いまひとつ勉強に真剣になれません。

ラージューも、貧しい家庭のためのエンジニアを目指して大学に入りましたが、勉強についていけず、苦悩します。

新入生歓迎会、という名目で先輩からの嫌がらせを受けている中、一人の破天荒な新入生が先輩に反撃します。

この破天荒な新入生・ランチョーは、何かトラブルに巻き込まれると、「うまくいく」とつぶやきます。

落第危機の成績最下位のファルハーン・ラージューと、破天荒でありながら成績トップのランチョーの凸凹トリオ。

彼らの学生生活はハチャメチャでありながら、自分の人生の岐路に立つ学生の苦悩も描かれています。

何のために学ぶのか、誰のために生きるのか

ランチョーの行動は毎回ぶっ飛んでいますが、はっとさせられる発言も多くあります。

学問と発明を心から楽しみ追及するランチョーは、学校の教育のあり方や、社会の常識とされていることに反発します。

特に印象的なシーンが、夜に3人で階段で座って会話する場面です。

育ててくれた親に悪いから、とカメラマンへの思いを殺しているファルハーン。
家族のためと言いながら、恐怖心から思うように行動できないラージュー。

そんな二人に対し、ランチョーは叫びます。

「僕が勉強ができてすごい?当たり前だ!僕は勉強を愛している!!
なぜ自分が愛することをやらない!?」

勉強は楽しい、学ぶことは素晴らしい、それを教える真の教師になることが自分の夢だと語るランチョー。

普段はひょうひょうとしてるランチョーが、感情を爆発させる姿に、2人は圧倒されます。

そしてファルハーンは、自分の本当の夢と向き合うことを決め、ラージューは家族のために、と気合を入れなおします。

ランチョーが伝えたかったこと
一方、現在のランチョー探す旅を続ける一行が彼の家に行くと、なんと偽名だったことがわかります。
ランチョーとは一体誰だったのか?そして今何をしているのか?

ファルハーンは過去を振り返る中で、ランチョーがいなければ、今の自分はいないと思います。
あらためて、彼について知りたいとランチョーを探し続けます。

自分で生き方を決め、それぞれの道を歩んできた、ファルハーン・ラージュー・ランチョー。
最後の彼らの晴れ晴れとした笑顔に胸が熱くなります。

ランチョーが伝えたかったのは、「好きか嫌いか」ということではなく「迷わず進めるくらい自分の中で強い想いがあるかどうか」ということでした。

私も事業に取り組む上で、時には悩むこともあります。

問題が起こっても大丈夫、「うまくいく」と信じて行動するからこそ、道は開けます。
信念を持って生きるランチョーを見ていると、「私の原動力は何か?」とあらためて自分自身を振り返り、熱意を持って生きていこうと思える映画です。

金現珍


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