2.23ゼミ記事「見る力とビジョン・アセスメント」

本日、特別支援教育の検査のお話です。

学研が販売しているアセスメントのセットがあります。
名前はWAVES(ウェーヴズ)。頭文字をとってるやつですね。
Wide-range Assessment of Vision-related Essential Skills。
『見る力』を育てるビジョン・アセスメントとも書いてあります。
こちらHPです。だいたい2万円ですね。

こちらの検査は、2つの大きな特徴があります。

まずはトレーニングドリルが付いていることです。
発達検査(IQがでるもの)って、事前に練習とかしたらダメなんです。そりゃそうなんです。結果が変わっちゃいますから。でも、WAVESは結果を見て子どもの苦手な分野を補うドリルが付いています。これは、このあと書きますが伸びていった方がいい力だからです。
発達検査の練習は、IQが上がるというより検査方法の先取りでしかなく、普段の生活をしている時のIQも上がるわけではありません。一方でWAVESで使う力は普段にも活用できます。読み書きなどの力に直結するからです。なのでトレーニングをして補えるようになっているんですね。


もう1つはコピーができることです。
こういう検査って、コピー不可なものが多いです。なので記録用紙や検査用紙を追加で買っていく必要があります。ですがWAVESはコピーをしてもいいことになっています。商品の箱にも「コピーして”くり返し”使える!」と明記されています。
これは先ほどのトレーニングドリルにも通ずる理由がありそうです。ドリルは何回もやることで子どもの力になります。一回やって劇的に、とはいかないですよね。そのためコピーをして何度も使えるようにしているのでしょう。他にもこの検査が広まってほしいという作者の願いが隠れているように感じますが…それはわかりません。想像です。


そんなことで案件かのように紹介したWAVESですが、実はそうではなく大学院の講義で学んだんです。そして検査をかける練習が必要になり、息子にかけました。私が検査者で息子に検査をやってもらったんです。

息子の話はゼミメンバー限定でお話するとして、WAVESの話をもう少しします。

ガイドブックには「見る力」の成り立ちから説明してあり、分かりやすいですし、読んでいて面白いです。見る力には大きく3つのスキルがあり、それらの説明が書いてあります。現場で「この子は見るのが苦手」というと「集中力がない」という言葉でまとめられてしまいがちですが、実は見る力というのは…

眼球の動きや、
ピントを合わせる機能や、
目で見たものを理解する力や、
それらのスピードや、
見るを書くに連動させる力や、
見て覚える力、などなどなど

分解すると、山ほどの力や機能を使って「見る」をしています。
生まれつき育ちにくい機能がその子にあれば、それは集中力ややる気の問題ではないことに気づいてもらえると思います。

そして、一人の子どもの力や機能の得意苦手を知れるのがWAVESです。


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