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ガンバ大阪✖️アヤックス~「らしさ」を取り戻せ!、鳥栖が示したお手本~

インフルエンザでぶっ倒れており、投稿の間がすっかり開いてしまいました。皆様におかれましては、寒暖の差が激しくなる中、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。

本日取り上げるのは、ガンバ大阪とオランダのアヤックスの3年間の戦略的提携についてです(2024/3/4発表)。戦略提携と聞こえはいいのですが、一体全体どんなメリットがあるのかを、いつもの通り妄想を交えながら読み解いていきます。


サガン鳥栖がガンバ大阪の先例だと思う理由

Jリーグのクラブと欧州のクラブが提携する例は少なくなく、過去10年間をざっと振り返ったとしても7例見つかりました。この中でガンバ大阪の先例として注目したいのは、サガン鳥栖の例です。

横浜Fマリノスとマンチェスターシティは資本提携ですし、ヴィッセル神戸とバルセロナも楽天がバルセロナのスポンサーだったということから、資本提携に近い属性だと考えられます。

サガン鳥栖はガンバ大阪と同じくアヤックスと提携しています。また、他の提携とは異なり、人材交流をメインにしている点も共通しているため、サガン鳥栖がアヤックスから学んだことがガンバ大阪が学べる事だと考えます。

アヤックスは「らしさ」を学ぶ場所

サガン鳥栖はアヤックスから何を学んだのでしょうか?筆者は当時監督だった金明輝監督のコメントに注目しました。

"アカデミーを視察して、PSVとのU-23チーム同士の試合も見たんですけど、23歳以下のチームでもトップチームと同じゲームモデルで、レベルの高いサッカーをやっていた。若くないんですね、23歳って。" "10代は若いという日本の基準に少し違和感を覚えました。"(Number取材コラムより)

当時のアヤックスは、F・デヨング、デリフト、クライファートなど10代ないしは20そこそこの選手が、チャンピオンズリーグ(CL)という大舞台で躍進していました。そこで気づかされたのは、①ユースでもすぐにトップ昇格できる仕組みが必要、②そのためにはユースも含めて同じゲームモデル・哲学が必要だったと妄想しています。

サガン鳥栖の「らしさ」(哲学)と言えば、そうハードワーク。アヤックスとの提携を経て、これを強固にする意志がサガン鳥栖内に広がったと考えます。

その結果は、J1のクラブ別走行距離ランキング(試合平均)に表れています。2018年は9位でしたが、2020年にベスト3に浮上し、以降3シーズンは一回もトップの座を渡していません

走行距離につき、サガン鳥栖とJ1平均を見るとその変化はより明らかです。18-19シーズンは平均と何ら変わりませんでしたが、2020年以降は平均を大きく上回る走行距離を維持しています。

※山吹色がサガン鳥栖の走行距離、グレーがJ1平均の走行距離

このように誰も負けないハードワークという哲学を守る大切さをサガン鳥栖は、アヤックスから学んだと想像しています。パワハラ騒動で金監督が辞任した2022年以降も、哲学が守られている辺りに組織への浸透度合いがうかがえます。

アヤックスの提携を機に、ガンバ大阪も「らしさ」を取り戻すことを切実に願っています

ただ、大阪→オランダルートは期待しないで

一点、注意事項があるのは、戦略提携は海外移籍に必ずしもプラスに働くわけではないことです。

アヤックスと提携した2018年以降、サガン鳥栖の日本人選手がオランダへ移籍した例は一例もありません(下図参照)。サガン鳥栖の海外移籍と言えば、鎌田大地選手が成功例ではあるものの、彼がフランクフルトに移籍したのは提携前の2017年です。

加藤恒平選手は鳥栖に加入する前から東欧のクラブを渡り歩いていたため、いわば元に戻った格好です。伊藤選手はスイスのユースチーム出身であり、元々欧州に縁のあるプレイヤーです。このように一個一個を見ていってもアヤックスと関係ありそうな移籍は見当たりません。

なので提携を機に「第二の堂安輩出じゃー!」(※堂安選手の欧州挑戦はオランダのフローニンヘンから始まる)とはならないリスクが大きい点だけはご注意ください。

何はともあれ、ガンバ大阪が今シーズンより「らしさ」を取り戻していくことを楽しみにしています。後、サガン鳥栖 vs. 町田ゼルビアの走力対決にも注目しています。では、本日も良いサッカー生活を!

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