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スペイン・バスクの教訓:Jリーグにも名監督輩出の素地あり?!

いよいよ欧州サッカーはシーズン後半戦も佳境。しかし、チーム状態がイマイチ。。。となると、監督交代か?!という話になる時期でもあります。しかも、監督が外国人となると、向けられる目はさらに厳しくなります。

こうした中でも生き残り名を挙げているのはスペイン人監督です。最高峰と言われるプレミアでは、マンチェスター•シティのペップ•グアルディオラをはじめ多くの監督が活躍しています。

今回はスペイン、特にバスク地方に名監督が多い理由を考え、Jリーグにもその素地があるか妄想していきます。試合前後のフットボール談義のおつまみにどうぞ。本日のお品書きは以下の通りですよ~。


イングランドの地で最も多いスペイン人監督

スペイン人監督の凄さを語るうえで、現時点では最高峰と言われるイングランドリーグの状況を見てみましょう。イングランドは4部も含めれば、1月20日時点で91人の監督が指揮を執っています(4部のforest green roversはワトフォードなどで活躍したトロイ・ディーニーを解任したため空席)。全91クラブの内、なんと54%がイングランド人。スコットランドや北アイルランドなどイギリスと隣接国もいることを含めると、イギリス以外の外国監督の座は非常に狭き門と言えるでしょう。

ちなみにイングランド以外だと、
1位:スコットランド 9人
2位:スペイン    7人
3位:北アイルランド 3人
4位:ドイツ     3人
以下、ウェールズ、アイルランド、デンマーク、オーストリア、ポルトガル、イタリアが2人。ベルギー、アルゼンチン、オランダ、トルコ、ジャマイカ、米国、フランス、ジブラルタルが1人。
イギリス以外の地域だと、スペインがドイツを抜いてダントツで監督を送り込んでいます。

さらに率いているクラブも、プレミアファンであれば見たことがあるクラブばかり。かつ、グアルディオラ監督とアルテタ監督は長期政権を築き上げ、クラブの顔になっています。個人的には、エメリ監督にも長期政権を築いてビラの象徴になってほしいと願っています。

スペインは格差が監督を鍛える

スペインが名監督を量産できるのはなぜでしょうか。個人的には、戦力差が大きい環境で戦いを強いられることが要因の一つだと考えています。プレミアは放映権料がほぼ公平に分配される仕組みなのに対して、スペインのラ・リーガは圧倒的にビッククラブ有利に配分される仕組みです。22/23シーズンは放映権料トップのレアル・マドリードとマジョルカの差は約3.6倍もついています。ちなみにプレミアだと1.5倍です。

多くのクラブが、放映権料はビッククラブの半分以下。かつ、降格すれば、その放映権料すら更に下がるという過酷な環境。中位~下位のチームは力のある選手を多くそろえることができない中、ビッククラブに立ち向かうことを余儀なくされます。生き残るには、監督が戦術眼を磨くほかないのです。

スペインの過酷な環境下、さらに制限があるのがバスクです。同地方の代表であるアスレティック・ビルバオは、バスクにゆかりのある選手のみプレイが許されるという特殊なクラブです。つまり、南米や東欧から有望選手を引っ張ってくるという移籍戦略を自ら封じているのです。

同じバスク地方にあるレアル・ソシエダなどは、久保選手に代表されるように外部からの獲得に寛容ですが、それでもバスク地方たたき上げを重視する姿勢には変わりありません。格差が大きい中で移籍戦略も制限されているという厳しい環境が、アルテタ、エメリ、さらにドイツのレバークーゼンで旋風を巻き起こしているシャビ・アロンソなど名監督を輩出している素地の一つだと考えます。(後は、独自スポーツが盛んな点も、要因の一つと言われているようです。文化面からは著名な小宮氏が紹介されているので、そちらをオススメします。)

Jリーグも格差、ということは?

さて、我が国はどうでしょうか。Jリーグの売上データに基づくと、格差が徐々に固定化しつつあると感じます。コロナ禍の影響が薄まり始めた2022年度の売上高は、浦和がダントツの81億円!。続く60億円の強豪クラスが川崎、横浜FM、神戸、鹿島、名古屋。中堅と言える4~60億円クラスがG大阪、C大阪、FC東京、清水、広島。J1ではスモールクラブとなるのは、札幌、京都、岩田、福岡、鳥栖。

※3月決算の柏、湘南は除く

いかがでしょう。見ていて、大体はそんな感じだなというクラス分けになっているのではないでしょうか。何より、トップの浦和とボトムの鳥栖の売上高は2.94倍の差がついています。この3倍近い格差というのは、セリエAに近い水準です(放映権料格差:インテル vs. クレモネーゼ)。

格差だけ見れば、Jリーグは既に名監督を生み出す素地があると言えるでしょう。欧州で活躍とは難しいですが、サッカー•タイ代表監督の石井正忠さんのように東南アジアで活躍する監督は増えて行くのではないでしょうか。日本代表の森保監督にも、次のステップは海外に行って欲しいと期待しています。では、本日も良いフットボール生活を!



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