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スペイン戦後半_戦術面の重要な変化
前の記事の続きです。
WBもハイプレスに出て得点を重ねた日本
日本は後半に入る時に選手を交代します。
RSH: 久保選手から堂安選手へ
LWB: 長友選手から三笘選手へ
![](https://assets.st-note.com/img/1669974182483-Yem1lgI43D.png?width=1200)
フォーメーションはそのままですが、戦術面で重要な変化がありました。
両WB(青)が高めの位置を取り、ハイプレスにも加わる
相手のWG(赤)にはWB(青)の代わりにCB(青)がマークに付く
最終ラインがスカスカになるため、守田選手(青のLDM)が下がってスペースを埋める
スペインは全く対応できずに失点を重ねます。
まず1点目。日本の左サイドでLWBの三笘選手までハイプレスに加わり、焦ったスペインはGKにボールを戻します。そして日本の右サイドにボールを逃がしますが、そこにはRWBの伊東選手もハイプレスに加わっていました。ボールは堂安選手に繋がれ、弾道の速いシュートがゴールに突き刺さります。
次に2点目。前半と違い高い位置を取る伊東選手にスペインが気付けず、フリーキックからロングボールが渡ってしまいます。そこから細かいパス交換を経て堂安選手がクロス/シュート。ゴール前に走り込んでいた三笘選手が折り返し、詰めていた田中選手がゴール。
戦術変更がはまって3分で2得点。思わず叫んでしまうほど興奮しました。信じて諦めずに走る姿勢が生んだゴールだと思います。
相手の交代策を打ち消す素晴らしい交代
得点後の日本は、WBの位置を低めに戻してカウンター狙いに切り替えます。継続的にプレスを行うために疲れた前線の選手を入れ替え、最後には遠藤選手を入れて守りを固めます。長い長い守備の時間を過ごし、耐え切って勝利。
危なげなかったですが、その影に素晴らしい采配がありました。
まずスペインがアラバ選手とファティ選手を入れた直後に冨安選手をRWBとして入れたことです。スペインの左サイドが強化され、RWBが伊東選手のままでは厳しそうでした。ここで間髪入れずに冨安選手をRWBにしたのが素晴らしかったです。
日本は前回のW杯ベルギー戦で、相手の選手交代を機に一気に逆転されています。ウィークポイントを突かれて逆転されたのですが、この時に即座にウィークポイントを補う交代を行っていれば勝てていたかもしれません。本当に一瞬の判断ミスが勝敗を分ける世界です。日本が負けるリスクを大きく下げるタイムリーに行う、素晴らしい采配でした。
イエローカードをもらっていた3枚のCBを誰も変えずに遠藤選手を入れた判断も凄かったと思います。自分であれば伊藤選手とCBの誰かを変えていたでしょう。そうなると疲れが見えていたボランチが残ったままになり、守備の強度が上がらなかったかもしれません。選手を信じ、本当に必要な交代のみを行ったことも勝因だと思います。
敗退の積み重ねが生んだ勝利
選手の頑張りや素晴らしい采配に後押しされ、またも世界トップの強豪国に勝利。日本サッカーが次のステージに進んだ瞬間だったと思います。今後はどこの国も日本に勝てると軽んじることはなくなるのではないでしょうか。
岡田監督が今までの積み重ねが生んだ勝利というようなことを仰っていました。自分もそれを強く感じています。
まずは前回のW杯。ここでの交代策の失敗は現場に居た森保監督の頭にも残っていたはずです。これが今回の素晴らしい交代策に繋がったのではないでしょうか。
次にオリンピックでの敗戦もあります。日本は後一歩のところでメダルを逃しました。スペインに4バックで挑み、パスを回され続けて消耗し完敗しました。このイメージも森保監督や選手の脳裏に焼き付いているはずです。ここで悔しい思いをした選手はその後海外に羽ばたいて大きく成長し、この試合でも大活躍しました。
ELやCLで躍進している鎌田選手のフランクフルトの経験も大いに役立っているでしょう。バルセロナに勝利したフランクフルトの戦い方が今回も参考にされたと伺っています。
この4年で積み上げたことがこの勝利に繋がったと強く感じます。
余談
インタビューで吉田選手が涙ぐんでいたところにグッときました。コスタリカ戦のミスでかなり批判されてましたし、この勝利には思うところがあったのでしょう。権田選手も仰っていましたが、モラタ選手を完璧に抑え込む素晴らしい活躍でした。
後は田中選手のコメントも心動かされるものがありました。コスタリカ戦後、批判された選手が居て、強い想いがあったようです。ゴール後に真っ先に味方チームの方に向かいましたが、そういう背景があったのだなぁと思います。
次のクロアチア戦も楽しみです。新しい景色が見たいですね。
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