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ドリブルで切り込める選手は、パスも鋭くなっていく(対話編)

岩谷篤人氏との対話。攻めないフリして攻めるのではなく、攻めるフリして攻めないになっているボールの持ち方について、改めて聞いていくと・・・


チームで逆を取る前に・・・

個人を伸ばしている段階では、取られないだけのプレーを選んで、攻める方向に逆を取らないプレーには不満はある・・・

でも、チーム・グループで、逆を取る時期になってくると、取られないということは重要になってくる

攻めようとして囲まれて挟まれかけた時に、パッと後ろに繋いで、後ろの人から前にチョイと通ったら、その取られないドリブルが効いていたことになる

最後の公式戦で勝負がかかったときには、チームで攻めないフリして攻めることを指導していくことになる

個人のドリブルの駆け引き・フェイントを、

チームやグループで逆とっていこうとなっていく


ドリブルで右足と左足で逆を取っていくと、ボールが動くのは1〜2m以内だから、挟み込まれたりカバーされたりしやすくなるけど・・・

パスでそれをやると、ボールが動くのは5~10mとなっていく

最終的にはそこに向かっていく・・・


そこに向かっていくけど・・・

狭いところに切り込める選手が集まってこそ、本当に怖いパスでのボールの動かし方の効果がでてくる

だからこそ、個人の将来を考える上でも、ひとりでも結果を出せる力は身に付けていかないといけないから、厳しく指導している


指導力が必要なのは・・・


個人を指導するときに・・・

指導力がなくても、ある程度能力があって、スキルを磨かせていけば、逆を取る選手はでてくる・・・

指導力が試されるのは、足が遅いとか、フィジカルが小さいとか、ハンディーを背負っている子でも、そこに何かを入れることによって、できるようにさせていけるかどうか



チームやグループを指導するときに・・・

指導力がなくても、パターン化させていくことで逆をとることはできるようになっていく・・・

指導力が必要なのは、イメージを持たせながら選手自らがチームで逆をとるようになっていけるようにできるかどうか



1番と10番の成長の違い

過去の上手い二人の選手の成長の違いを話すと

少年時代

1番はどこでもドリブルで切り込む選手

10番は中盤のゲームメーカーで、取られずにスルーパスを出す選手

サッカー協会の人が見ると、1番と10番がダントツ上手いと評価しながら

1番は切り込んでいくからミスもある・・・

10番はミスせずにいいパスを出すから判断がいい、誰もが10番の方がいい選手と口を揃えて評価していた


中学年代になり、だんだん年齢があがるにつれて、

狭いところへ切り込んでいく1番の方が、最終的に怖いパスを出すようになっていく

10番は、怖いパスを出せなくなってきて、散らし役になっていく・・・

1番が2列目に下がり、切り込みながら怖いパスを出すようになっていった


高校年代になって、

10番はチームの中心でやる高校に行き、中盤で取られないし、ボールを散らして上手いんだけど・・・普通のことしかできなくない選手になっていった・・・

高校の監督は、「全然取られないし、上手いですわ。上手いですわ。」といつも言っていたけど、「その位のことはやるでしょう」と俺は思っていた

1番は、高校でもドリブルで仕掛けるチームに行き、高校年代になっても更にドリブルに磨きがかかり全国優勝を遂げ、その後プロとして長年戦い続けた

1番と10番の高校年代の試合を見ていると、少年の時は変わらなかった二人は、中学年代で差がひらき、高校に行ったらレベルが違う選手になっていた・・・

狭いところへ

切り込める選手か・・・

切り込めない選手か・・・

その差は選ぶプレーを変えてしまい、埋めることのできない差になっていく・・・

切り込める選手は、結局パスはできる

切り込める選手がワンタッチのパスを使いだすと、すごく怖くなるけど、

最初からワンタッチパスを武器にしていたらダメになっていく・・・

下の学年の間は、ボールを持てる能力を伸ばしていかないと、選べるプレーがかぎられた選手になっていく・・・

もちろん持ちすぎには気をつけないといけないけど・・・

上手くなっていくには、そこがベースになってくる



イメージを描く早さ

プレーの選んでいる結果を見ていると、落ち着いているフリをして、落ち着いていない選手をよくみかける

ボールを持ってから「さ〜どうしようかな・・・」

背後が見えたらスルーパスと、状況が見えてから閃いている状態・・・

でも、ボールを持つことをやっているうちに、背後をイメージするのが早くなっている

背後のことを考えながらドリブルに入っているから、誰かが動き出した時にスルーパスを出すのが早くなっている

頭の中でイメージを描いて、頭の中で早く見ているようになっている

ボールを持つことによって、駆け引きが上がって、もともと持っているパスのイメージがよくなっていく


最初見た時、持つという意味をわかっていないのかなと思った・・・

ドリブルというのは縦にガッと抜いていくことがまずあるのに、安全に体を入れて取られないことを優先している・・・

抜くためにちょっとスピード出したらボールと足が離れてしまう、だからスピードを殺して足の速い選手に追いつかれる・・・

結果、ターンが多くなる・・・

攻撃をしていくのに、まずは足とボールが離れないことをしていかないと、前に入っていけない・・・

逃げたドリブルから、逃げたパスになる・・・

駆け引きは出始めているけど・・・

いいものを持っていても、安全なプレーをしていたら、そのスルーパスは段々と死んでいく・・・

高校になったらボランチになっていく

今、切り込むドリブルを身につけないといけない

そうしないと、10番が上の年代に行くにつれて、1番の背中が見えなくなっていったように、上手いけど普通のことしかできない選手になってしまう


ドリブルの切り込む様子や、接近戦の駆け引き、スピードをあげても足とボールが離れないプレー、進歩はしている

それだけではいけないけど・・・それがドリブルの基本

そこに微妙なフェイクを瞬時にいれていけるようになれば・・・

それの世界で一番すごい選手がリオネル・メッシという選手・・・

瞬間的な閃く早さでドリブルのコースを創り出し、パスコースを創り出す



岩谷篤人氏の指導の中で、「1タッチ目が気にいらない・・・」高校生の指導・・・中学生の指導・・・小学生の指導・・・年代に関わらず、必ず聞く言葉。その真意を考察していくと・・・


岩谷篤人氏との対話。1タッチ目に逃げるプレーを選んでいることについて、改めて聞いていくと・・・

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岩谷篤人氏についての参考記事

野洲はまるで今年の川崎フロンターレを先取りするようなパフォーマンスを見せていた。両SBを高く上げ、CBの間にアンカーが落ちてビルドアップを開始。選手同士の距離を短く保ち相手を自陣に押し込むと、高い位置から厳しい守備で奪い 再びハイテンポのパス回しを始める。岩谷が求めたのは、足もとの技術だけではない。「世界最速のプレスバック」と号令をかけ続け機敏な守備も加味していた。

「こういう守備を実現するには、こんな繋ぎが必要なんや。それをJFA関係者やJリーグの監督たちに見てもらって、将来の参考にして欲しかった」(岩谷)

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*対話編では、岩谷篤人氏と指導について対話をする中で、岩谷氏の言葉・思考をできる限り忠実に文章化しています。

育成のための指導力を伸ばしたい!

子ども達のプレーを変えたい!

football を変えたい!

そんな志を抱いた指導者の一助になれば幸いです。

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