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◇生徒会長の支配⑫ ~ 大きくなる理由は? ~

僕は暗くなり始めた夕方の道をとぼとぼと歩いていた。あすか様のに指摘された点を考えると、確かに僕の考えた資料は全然ダメだった。

でも、破いてゴミのように扱う必要があったのだろうか?正直悔しかった。

なんで、なんで、なんで、なんで…

頭の中は彼女のことでいっぱいだった。


帰宅後食事の時間になったが、さすがに食欲がなかった。母からは心配されたが、笑顔でなんでもないよ、大丈夫と答える。

男子同士のけんかとは全然違う感情が湧いていることに気がついた。男子であれば悔しい気持ちがあったとしても、負けてたまるか次こそはといった闘争心が湧いてくるものだが、それとは違う。

悔しいし、完全に心を叩き潰された感覚だった。これはあすか様が女子だからなのか、それともあすか様という個人に対する感情なのか、それが分からない。

食事が終わって湯舟に浸かってリラックスしようとしてもなかなかできなかった。頭の中があすか様に言われたことでいっぱいだ。入浴も頭や体を洗いさっさと出る。

部屋に戻り、ふと父のことを考える。帰宅してから元気がないなと感じることがたまにあるが、仕事でミスをしたときなのかもしれない。今の自分に重ね合わせ、考えてみる。

こういうときは早く寝て忘れることだな。そう思って、今夜は早めに布団に入った。

でも、どうしても今日はあすか様のことが頭の大部分を支配してしまう。自信満々で渡した資料。受け取った時の薄ら笑い。資料を破かれ、床でぐちゃぐちゃにされた様子。指摘された問題点。敬語で謝罪したこと。

これらの全てがぐるぐるぐるぐる頭を駆け巡る。

その時、自分の股間がちょっとだけ膨らんでいるのを感じた。どうしてこんな気持ちなのに…?自分自身の感覚が全く分からない。なんで悔しい気持ちなのに興奮を覚えているのだろうか。

それは資料をビリビリに破かれ、それを足で弄ばれたときのことを思い出すと強く反応している気がした。みんなの前で股間で刺激されたときにも思ったが、なんで自分は攻撃されて感じるのだろう…

一生懸命作った資料。破かれ床にばらまかれる紙片。それを踏みにじる上靴。きつい口調で言われる指摘。

あすか様の様子を思い浮かべるだけで、どんどん大きくなっていく。そして、自暴自棄になった気持ちで股間に手を伸ばし上下に動かす。


今日は早く眠りたいからいいよね。


そう自分に言い訳をして、やけくそになってしごき続けた。

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