◇幹事を引き受けるワケ⑦ ~ 謝罪の言葉が... ~
ゆみか「ねぇ~。お腹すきませんか?」
きょうこ様の靴底を舐めていると、ゆみか様の声が耳元まで届いた。
まさか、食べ物を注文するつもりなのか?そんなことをしたら、部屋の中の様子が見られてしまうのに。。。
まあや「そうですね。飲み会の時はやっぱり遠慮しちゃいますからね~」
ゆみか「まあやちゃん、好きなの選んでいいよ。軽く食べようよ」
私は彼女らの会話が信じられなかった。私はいったいどうするつもりなのだろうか。そんなことを気にしながら耳を澄ましているときょうこ様の靴が私の顔を小突いた。
きょうこ「お前何さぼってんの?やる気ある?」
わたし「きょうこ様。申し訳ございません」
きょうこ「ちょっと。こいつが注文すること気にしてるみたいよ」
ゆみか「どうしたんですか?もしかして自分が今されていることが恥ずかしいんですか?」
まあや「それなら今すぐこの部屋を出ていけばいいじゃないですか?」
わたし「許していただけるんですか?」
フリータイムでこれからまだまだいじめられると思っていたので、まあや様の言葉に少し希望を持った。
ゆみか「許すって何を?」
きょうこ「自分がこれまでしていたことを反省してるってこと?」
わたし「はい。申し訳ございませんでした」
きょうこ「何が?何が申し訳ございませんでしたなの?」
まあや「きょうこ先輩、ダメですよこいつ。なんにも分かっていませよ、たぶん。今も自分の性欲満たせるって喜んでいるんですよ」
わたし「そんなことは、、、」
ゆみか「とりあえずポテトフライ頼んどきますね。私ウーロン茶取ってきま~す」
わたし「えっと、、、」
そして、ゆみか様が受話器を持ち上げて注文をし始めた。本当にどうするつもりなんだろう。女性3人の部屋に男が1人裸の状態でいたら、もしかしたら通報されるかもしれない。
まあや「早くしないと店員さんがきちゃいますよ~。自分の何が悪かったのかもちゃんと言えないなんてダメな大人ですね~」
まあや様の言葉を聞いて、本格的に焦ってきた。女性3人で辻褄を合わせて店員さんに話をすれば、突然性的なことをしようと脱ぎ始めたなどと言われかねない。
わたし「その、えっと、自分の欲求を満たすために、、偽善で、幹事を引き受けたりして、、、」
言葉が震えて、うまく表現ができない。ばれるなんて思っていなかったし、ばれたとしても、いきなりこんな状況になるなんて思いもしなかったので、頭の整理ができない。
きょうこ「何それ?謝罪のつもり?なんにも伝わってこないんだけど」
土下座する後頭部をきょうこ様に踏みつけられながら、混乱する頭を動かそうとした。しかし、どう謝ったらよいのか言葉がまとまらない。
その時、まあや様の声が聞こえた。
まあや「せんぱい。私たちも面倒だから、早くこの部屋出て行ってくれない?さっさと服着なよ」
この言葉がどんなにありがたいかを身に染みて感じた。なんだかんだかわいそうだと思ってくれたのだろうか?
きょうこ様の足を押しのけるようにして顔を上げ、まあや様の顔を見た。
わたし「ありがとうございます。ありがとうございます」
まあや様は何も言わなかったが、気が変わらないうちにボタン部分を破かれたワイシャツを着て、ぐちゃぐちゃの上着を羽織った。
そして、慌てて荷物を取って扉を開けようとした時、
まあや「その代わり今帰ったら、今日の写真みんなにばらまくけどね」