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◇生徒会長の支配④ ~ 後輩への忠告 ~

僕は放課後、屋上で考え事をしていた。
あすか様はいったい何をしようと考えているのだろうか?


気になるのはまゆみに見せたあの写真。どうして彼女はあんな写真を持っているのだろう。
そしてまゆみは今後どうなるのだろう。


まだ涼しい風を感じながら思考を巡らせていると、話し声が聞こえてきた。


あすか「すみれさん、この前まゆみの写真見たでしょ?私はあんな写真くらい簡単に入手できるんだからね。」

すみれ「えっ?どういう意味ですか?」


どうやらあすか様が2年の生徒会員であるすみれを呼び出して話をしているようだ。


あすか「どういう意味ってそのままよ。援交の証拠なんて簡単に撮影できるってこと。援交が簡単なら、、もう分かるわね」

すみれ「それって私がやってることをばらされたくなかったら、何かするってことですか?」

あすか「さすが理解能力が高いわね。何かするというより、何もしないで欲しいの。私がこれから生徒会で行うことについて。もし、少しでも余計なことを企んだら、まゆみのように弱みを握って、なんでも言うこと聞いてもらう」

すみれ「あすかさん、恐ろしいですね。生徒会選挙もなぜか票が集まってたし。いったい何をしようとしているんですか?」

あすか「それはこれからのお楽しみよ。悪いけど彼氏のこうたくんも巻き込んでしまうことになるわね」

すみれ「えっ?こうたは止めて下さい。関係ないでしょ!」

あすか「関係ないかどうかは私が決めること。私が生徒会長になった時点で、あなたに発言権がないことくらい分からない?」


僕は女性同士の怖い会話を聞いてしまっている。彼氏を取り合う女性同士はこんな感じなのだろう。


あすかは僕だけでなく、全員と屋上で話をしているのだろうか。
でも、本当にあすか様がこれから生徒会でやろうとしていることが分からない。
単に受験勉強のためなら、僕に運営を任せて終わりのはずなのに…


あすか「私ね。受験勉強のために恋愛を捨ててきたの。それなのに生徒会にカップルが2組も入ってるなんて、気に食わないじゃない?」

すみれ「こうたを横取りする気ですか?」

あすか「横取りはしないわよ。でも私の遊びには付き合ってもらうことになるかな~」

すみれ「遊びって…」

あすか「まあ、私からの話はそれだけだから。じゃあね」

すみれ「あすかさん!」


すみれの声を無視して、あすか様は屋上を後にしたようだった。
すみれの性格はよく知らないが、気が強く彼氏のこうたを引っ張っていくタイプのような気がする。
そんな彼女にあすか様は「こうたで遊ぶ」と言ったのだ。


僕はすみれに声をかけようとしたが、思いとどまった。
ここで声をかけたところで僕にできることは何もないし、本当にあすか様が何を考えているのか分からないのだ。


次の生徒会まで残り3日。
これからどうなっていくのかは次回の生徒会で分かってくるだろう。

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