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◇生徒会長の支配⑦ ~ 沈黙の教室 ~

あすか様の足を使った刺激は長時間続いていた。
まゆみを黙らせる手段としてこのような方法を取る理由が完全には理解できないが、たくみへの脅しをすることが目的なのだろう。


だいき「あぁ~…うっ…ん~ぅん」


これまで我慢をしてきたが、次第に声が漏れるようになってしまった。
4人の男女に見られながら刺激を受け続け、恥ずかしい声を聞かれることは屈辱以外の何物でもなかった。


だいき「あすかさん、もう…もうやめませんか?」


言うことを聞かないと、自分も何をされるか分からないという恐怖心があったが、もうこれ以上我慢することはできずに声をかけた。
あすか様は僕のことをじっと見つめたまま足を股間から離した。


あすか「だいきくん、ありがとうね。みんな静かになってくれたよ」

だいき「…」

あすか「まゆみさん、あんまりうるさいと大切な彼氏がだいきくんみたいな目にあうわよ」


あすか様が僕の名前を出したようだが、何を言ったのか聞き取れなかった。今ここで行われたことが信じられず放心状態だった。


たくみ「俺は関係ねぇーだろ」

あすか「あら?ようやく口を開いたね。これまでだんまりだったのに、自分がひどい目に合う可能性が出てきたら話し始めるんだ」

たくみ「別にそんなことねぇけど」

こうた「あのあすかさん、足音が聞こえてきたんですけど」

あすか「こうたくん、ありがとう。そこで耳を澄ましておいて。まあ2人とも援交のことを学校中にばらされたくなかったら、私の言うことを聞いておくことね」

すみれ「2人ってどういうことですか?」

あすか「たくみがまゆみに指示して援交させてるってこと」

すみれ「最低…」

たくみ「おい!約束が違うじゃないか!」

あすか「あらごめんなさい。まゆみさんがあまりにうるさいものだから」

たくみ「なんだよそれ!」


まゆみのことをフォローしなかったたくみが自分の保身のためなら声を荒げる。
そんな様子が窺えた。


こうた「先生が来たっぽいです」

あすか「分かった、みんな椅子に座って」


こうたの声を聞くと、即座に指示を出した。
あすか様はいたって冷静だ。
教室にいる全員がなんとなく罪悪感を感じていたこともあり、すぐに行動をする。


(ガラガラガラ…)


先 生「まだ何か話し合っていたのか?」

あすか「いえ、ちょうどもう終えようと思っていたところです。それじゃあみんな説明した通りでこれから活動しましょう。今日は解散で」


あすか様は先程とは変わり、説明口調で一気に話し終えると、荷物をまとめ教室を後にした。


先 生「他のみんなも気を付けて帰れな」


あすか様の後に続き、先生も教室を後にする。
教室に残された5人はみな、席に着いたまま動けないでいた。


たくみは自分の悪事がばらされたことによる焦り。

まゆみはたくみが自分を守らなかったことへのいら立ち。

こうたはこれからの生徒会への参加が億劫になったという気持ち。

すみれはあすかにこうたを取られてはならないという対抗心。

そして僕は性的な刺激を受けたことによる脱力感。


思い思いの気持ちを抱えながら、しばらくの間無言で教室内に佇むのであった。

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