見出し画像

オードリー・タンから学ぶ不確実性の高い世界を生き抜くための哲学

2月11日(金)現在、日本のコロナウイルス感染者総計は約41.2万人、死亡者数6800人、1日の感染者数は1600人を超える。

一方、日本のとある隣国では、感染者数約930人、死亡者数9人、1日の感染者は平均2名とコロナウイルスのパンデミックを確実に抑え込んでいる。

この国はどこか?「台湾」である。

台湾では、コロナウイルスの感染拡大が問題となった2020年3月迅速なコロナウイルス対策を実施した。薬局のマスク在庫が一目でわかる「マスクマップ」を開発し、マスクが国民全員にいきわたるよう実名制での販売を行い、国民全員が近くの薬局などで、2週間で9枚のマスクを購入できる仕組みを作った。

また、公共交通機関でのマスク着用や感染者・濃厚接触者の隔離も法制化し、違反者には罰金を科すなど、厳格な政策を実施し被害を最小限に抑え込んだのである。これらの迅速な対応の立役者と言われるのが、台湾のIT担当大臣「オードリー・タン」。


迅速な政策実行には国民からの厚い支持が必要だ。ではオードリー・タンはどのように国民の支持を得たのか?そこには彼女の2つの思想が大きく関係しているといわれる。

ひとつは「インクルージョン」。多様な背景・能力の人々が認め合い、平等に機会が与えられる状態のことを指す。彼女自身トランスジェンダーであり、マイノリティの立場を経験していることが、だれ一人取り残さない社会を作りたいという「インクルージョン」の思想に強く影響を与えているようだ。

もうひとつは「オープン」。彼女はコロナに関する一連の議論は、全て国民に開示し、透明性のある議論を展開した。厳格なコロナ対策であったにもかかわらず議論のプロセスを透明にすることで、国民と政府の間に共有の価値観が生まれ、国民からの納得を得たのである。


2021年、アメリカ大統領の交代や中国の台頭、コロナウイルスの感染拡大、世界がどう転ぶかは誰にも予想がつかない。ただ一つ言えるのは、困難な状況に一人で挑むのは難しいということである。多くの人を巻き込み、後押しを受けることの重要性を再認識すべきであろう。オードリー・タンから学ぶべきところは多いはずである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?