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「モノ」の考え方について(2)。

 前回「モノ」について、向き合うことが大切と言った。「ときめくか、ときめかないか」、「必要か、不要か」などいろんな考え方があると思う。しかし、少し考えてみてもらいたい。一昔前、ふた昔前、三昔前・・・、「昭和」と呼ばれてた時代、このくらい前になると、「モノ」はまだ豊富・・・というほどはなく、あるモノ、持っているモノがとても貴重だった。そのような時代背景だと、モノ自体が買い替えで済ませられることもなく、できるだけ今あるモノを大切に、長く使えるようにと、今以上に手入れする必要があったりした。そのため丁寧に扱うということが普通で一般的だった。さらにもっと昔になると、モノを作るのは「職人」と呼ばれる、専門的な知識や技術を持った人たちによって作られ、モノの扱いや手入れについても、職人から直接聞いたりして、口づてに伝わったりしていた。だからこそ、「一品モノ」などという、相当に高価なものなどが存在していたりしたわけである。そのような背景があるうえで、昔の人たちの「モノを粗末にしない」という言葉の意味が、今モノを扱っている我々の感覚と、まったく違うことが理解できるのではないだろうか。言葉の意味などというものは、その時代時代で変化するもので、昔は良い意味に使われていた言葉も、今では逆に悪い意味で使われることもある。だから、昔の人たちの言葉を時代背景も感じながら理解して、今の時代に合った内容に変化させるのは良いことではないかと思う。それは、モノを大切に扱うのと同じく、言葉も大切に扱うことになり、みんなに理解してもらえることにもつながるのではないか・・・と期待したい。

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