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フードスコーレ・校長の話 No.1

はじめまして。フードスコーレ・校長の平井巧(株式会社honshoku)です。これから、「フードスコーレ・校長の話」として、この場でフードスコーレでやろうとしていることや、考えていることを、校長目線で書いていこうと思っています。よろしくお願いします。

きょう、「foodskole」という企画をリリースしました。「foodskole」と書いて「フードスコーレ」と読みます。これ、はじめて聞く言葉でしょ?

フードスコーレは造語です。「skole」というのはギリシャ語でスクールの語源。かんたんに解釈すると、フードとスコーレで「食の学校」なわけなんだけど、そんな単純なことをやりたいわけじゃあない。じゃあぼくたちは何をしたいのか、を書きたいと思います。

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honshokuは、2018年から「フードロスの学校」をやってきました。東京農業大学の教室を借りて、「流域共創研究所だんどり」の杉野卓也さん、矢野加奈子さん、ライターの地主恵亮さんはじめ、いろんな方たちといっしょにつくってきた学校。その名の通り「フードロス」を学ぶことをやってきたわけだけど、ただストレートに学ぶことはしません。

経営学・会計学を専門とする大学の先生、木材とエネルギーを専門とする大学の先生といった、いろんな専門家の方たちから学ぶ、フードロスとは一見関係なさそうなこと。そういった話から、食や環境、暮らし方、文化などを見ていくことで、「フードロス」という概念をいままでとちがった角度で見つめ直すことができるようになる。この感覚は一度体験すると本当に気持ちがいい。これまでそんなことをやってきました。

フードロスに関する知識を、ただインプットするだけというのは無意味だと思っています。その知識を、じぶんなりに思考して表現していくことこそが大事だし、そうしてはじめて、生きていくのに必要な「見識」という力になるんです。これは間違いありません。ちなみに、知識とじぶんの考えが合わさって生まれるものが見識、とじぶんの中では置いています。

知識+じぶんの考え=見識

この「じぶんの考え」が大事で、フードロスや、ちがう環境問題に対しても、じぶんの考えは持つべきです。間違っていてもいい。ぶっとんでいてもいい。じぶんの考えがないと、ちがう意見の人が目の前にあらわれたときに、対話ができません。相手と意見がちがっていてもいいじゃない。喧嘩するんじゃなくて(してもいいけど)、相手の意見を許容しながらじぶんの考えも主張する。そうしてはじめて新しい考えが、そこに生まれるんです。そう思ったからこそ、いままでもこのような学び方をつくってきました。

メディアではおいしいお店がたくさん紹介され、ほかの国や地域の料理が手軽に日本で食べることができて、YouTubeなどの動画を見れば料理もかんたんに真似できる。こういう食のエンターテイメント性がどんどん広がりながらも、一方でフードロス、飢餓、食の安全保障、土地やエネルギーの無駄遣い、気候変動などなど、人間の食料がもたらす地球への負荷インパクトも問題になっていますよね。食べることはやっぱりたのしいし、わくわくする。でも環境には配慮しないとならない。んーどうしようどうしよう。

だから食に関しては、もっといろんな「たのしみ」と「見識」をもちたいと思う人が、これから増えていく気がしています。そしてそれをクリエイティブする存在が必要になるな、とも思っているんですが、honshokuはそのために存在していこうと決めています。そんなhonshokuが、「フードロスの学校」を今一度見直してリニューアルしたのが、「フードスコーレ」なんです。

スコーレは、学び、遊び、余暇という意味を含んだ言葉です。しあわせを据えたいわば哲学であって、それを実現するための学びの習慣。それがスコーレのもつ大きな意味です。生きるうえで大切な食にまつわること。環境、フードロス、農業、料理、経済、食文化、循環など、テーマはさまざまに考えられます。これらをみなさんといっしょに学んでいきたいと思っています。ぼくらも学ぶ側の人間です。

フードロスをはじめとする食に関する環境問題に、解決の答えなんてないんです。ないからこそ、みんなで、ときには独りでも考えつづけなければならないんです。そのためにフードスコーレをつかってください。答えを教える場でないので、ある意味タフですが、そのぶん得るものも大きいと思います。じぶんで見つけた答えを武器にできるわけですから。

具体的には、まずはこのnoteで、さまざまな活動をしている人たちが、いろんなテーマについて記事を書いていきます。興味のあるものを読んでみて、共感できる記事を見つけてください。

zoomで、オンラインのミーティングやイベントもしたいと思っています。食にまつわるテーマで、大学の先生の話を聴く会。プロの料理人の調理を覗く時間。何か食べながらじぶんたちの話したいことをしゃべる、なんて集まり方も面白そう。

いまの感染症が落ち着くまでは、実際に集まることはしませんが、それもできるようになったとき、学校のようなスタイルで座学やワークショップもスタートするつもりです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、落ち着かない日々がつづいています。このタイミングで開校することは悩みましたが、オンラインでの会話や読みものなどを通して場づくりをはじめていきたいと思っています。

そうそう。すでにメンバーがnoteで記事を書きはじめています。ぜひほかのメンバーの記事も覗いてみてください。いろんな考えかたに触れてみてほしいです。そうして、もしじぶんもフードスコーレでなにか一緒にやりたいなと思ってくださったら、ぜひご連絡ください。いっしょに食について学びたい、という方がいつでも座れるような席は空けておこうと思っています。

これから少しずつ、活動を広げていきますので、おたのしみに!

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