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foodskole講師ご紹介vol.6 /湯澤規子さん(法政大学人間環境学部)

現在受講を悩まれている方や、foodskoleに興味を持っていただけている方に向けて、個性豊かな講師のみなさんを紹介していく企画。

今回は、運営メンバーで校長の平井巧がご紹介します。

講師のご紹介/湯澤規子さん

授業タイトル:食べものとウンコのはなし。

「ウンコ」は子どもにとって鉄板ネタ。ウンコについて話すと、楽しそうにゲラゲラ笑います。じぶんが小さいときもそうでした。でも大人になると、ウンコは汚いモノとのして、その言葉を口にすることも遠慮されるし、トイレではその存在を見ずに水に流されてしまいます(ウマい!)。ウンコに罪はないのに、汚いものとしてどうやら嫌われちゃっているようです。

この地球を保つために、生態系は、大気、水、土などの物質循環や、生物の食物連鎖を通じて、常に構成要素を変化させながらバランスを保っています。この基本を理解しておくことは、食や環境に向き合うときに重要なポイントになります。法政大学の湯澤規子さんと出会ったことで、こうしたことを理解して、わたしたちが身近に感じるようになるためには、ウンコを学ぶのが手っ取り早いと思ったんです。

日本ではほとんどの場合、人は死んでも土に還らない。人は食べていかなければ生きていけないけど、食べものを自然から搾取だけして還元をあまりしていないのではないか。そんなことを考えていたときに、縁あって法政大学の特別授業に参加させてもらい、人間環境学部教授の湯澤規子さんとお会いしました。

後日、湯澤さんが書かれた「ウンコはどこから来て、どこへ行くのか:人糞地理学ことはじめ(ちくま新書)」を読んで、静かな衝撃を受けました。これまで循環や生態系についてはいろいろと学んできたつもりでしたが、じぶんのウンコのことは一切気にしていなかった。そこに目を向ける考えさえ持てていなかった。ウンコを通して、人は環の中にいるんだということにあらためて気づかされたんです。

「ウンコを知ることは、もっと外に開かれるべきだと思います」と湯澤さんが話していました。そのとおりだと思います。食についても、環境についても、どういう行動を取るかは自分の責任であるとよく言われます。

じぶんは地球上の環の中にどうやって参加しているんだろう。ウンコを通して思いを馳せてみたい。

食について学ぶ「foodskole」では、ふだんは気にしないウンコにもスポットライトをあててみたいと思います。そのことを学び合うのに、湯澤さんはうってつけの方だと思っています。湯澤さんが「ウンコ」と連呼するものだから、こちらもつい「ウンコ」と言いやすくなるんです。大人だからこそ、久しぶりに過ごすこの時間がけっこう楽しいんです。

(校長/平井巧)


写真(湯澤)

湯澤規子
1974年大阪府生まれ。法政大学人間環境学部教授。筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授を経て、現職。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から、当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。主な著書に『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(ちくま新書)、『7袋のポテトチップス―食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社)、『胃袋の近代―食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会)、『在来産業と家族の地域史―ライフヒストリーからみた小規模家族経営と結城紬生産』(古今書院)、などがある。

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