見出し画像

【実は!牛脂は身体に良かった!?】良いあぶら、悪いあぶら

脂(油)と聞いて体に悪いと反射的に思ってしまう人が多いと思います。それは少し前までそのような間違った情報が世間に蔓延していたからです。
しかし、実は「脂が身体に良い」「脂が不足している」「積極的に摂らなければならない」という研究データが次々と出てきているのです。

とはいえ、脂にも多くの種類があります。
今回はその脂の種類とその中で何を摂るべきなのか、その脂にはどんな効果があるのかをお話しします。

その前に、今回なぜ脂の話をしようかと思ったかと言いますと、市販のカレールーに使われている脂があまり身体に良いものではないということを知ってもらうためと、「ザ・クラフトカレー」に使っている脂がどんなものかを知ってもらうためです。それでは、脂の正体を暴いていきましょう!

スクリーンショット 2021-04-02 11.34.54

口から食べた脂質は最終的に脂肪酸とモノグリセリドという物質に分解されます。このうち重要なのが脂肪酸です。
では、脂肪酸とはどんな働きをするのでしょうか。
まず、細胞の膜(細胞の内と外を隔てるとても重要な役割を果たす)に使われます。そして、ホルモンやプロスタグランジンという情報伝達物質になります。さらに、脂肪を分解する胆汁にも使われます。

細胞の膜は人体に37兆個あり、それを作るのに脂肪酸の役割は必要不可欠なのですが、日本人はそもそも資質が足りない傾向にあります。
脂質を抑えるという行為は健康を害することになることが最近の研究でわかってきています。

そんな人にとって重要な役割を果たす脂肪酸は大きく二種類に分けられます。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。さらに不飽和脂肪酸は一価脂肪酸と多価脂肪酸に分けられ、さらにさらに多価脂肪酸はn-6系(オメガ6)とn-3系(オメガ3)にに分かれます。
飽和脂肪酸はバターやラード、動物性の脂肪に多く含まれています。
一価不飽和脂肪酸の代表格はオリーブオイルです。
n-6系はコーン油やひまわりオイルに多く含まれ、n-3系はアマニ油やえごま油、青魚(EPA、DHA)があげられます。

最近よく取り沙汰されるのが、最後のn-3系でしょう。青魚のEPAやDHAは血栓形成を抑制する効果があります。
対照的に肉の多く含まれる飽和脂肪酸はコレステロールを上昇させるので、あまり摂らないほうが良いと悪者扱いされてきました。
しかし、最近の研究では反対に食べたほうが良いを示すデータが多く出てきています。

こんな面白い研究データがあります。
日本人合計8万2000人の食事内容と循環器疾患の発生率の関係を11年間追跡調査した研究です。
そこでわかったのが肉をたくさん食べ、飽和脂肪酸の摂取量が増えるほど、血圧が下がっているということです。血中コレステロール値は少しずつ増えていくものの、影響を与えるほどものもではありませんでした。
そしてここでわかった興味深いことが、脳卒中の発症率との関係です。飽和脂肪酸の摂取量が一番少なく、炭水化物をたくさん食べている人たちに多く発症していたのです。これは脂肪の摂取量が少ないことにより、脳や心臓の動脈狭窄が進んでしまったことが原因でした。

続いて、脂質は太るという間違った概念についてお話しします。「健康に悪くなくても脂肪を摂ると太るんでしょう?」と言う声が聞こえてきそうですが、これも間違った認識と生化学の観点から言えます。

そもそも脂肪は食べたら皮下脂肪や内臓脂肪になるように体はできていません。脂質は三大栄養素として大切な働き口があるからです。これは前述したように人間の37兆個の細胞膜を作る役割があります。また、ホルモンの材料としても使われます。多くの人が気にしているコレステロールは食べ物からの摂取では足りないため肝臓で作られていることもわかっています。

次にそもそも私たちは脂肪を十分に摂取できていないということです。日本人の平均脂肪摂取量は男性74g、女性56gです。これらが余って身体につくことは考えづらいです。

最後の理由として、脂質は吸収されにくい性質があります。炭水化物やタンパク質はブドウ糖やアミノ酸に分解され100%近く吸収されますが、脂肪は水に溶けにくいため腸から100%吸収するのが難しいです。
特に肉やバターに含まれる飽和脂肪酸の吸収率が悪く大量に食べても体内に取り込まれず排出されることがわかっています。

ここまで、牛脂の飽和脂肪酸を中心に脂についてお話ししてきました。
皆さんの今までの認識が少し変わったのではないでしょうか。

ちなみに市販のカレールーに使われる脂のほとんどがパーム油という食用油脂です。
これは身体に悪い代名詞のマーガリンや食以外だとシャンプーなどに使われる油です。決して身体に良いものとは言えません。
それが30%近く(+小麦粉が30%近く)でできているのが日本人が慣れ親しんできたカレールーなのです。これがカレールーが安い理由です。
安く提供する上では仕方がないこととも言えますが、私はお勧めしません。

「ザ・クラフトカレー」には牛脂が使われており、これについては前述した通りです。しかし、牛脂に限らず、食というものはこれだけ摂っていれば身体に良いなんてものはありません。
全て撮り過ぎは良くないですし、適切な量がありますのでこの辺は意識してください。

以上、あぶらのお話でした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?