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うつ病は『薬』ではなく『読書』で治す。|【読書セラピー】心と体がラクになる読書セラピー

本書の結論。
良い本はそれ自体が「薬」にもなる。


どうも
安全安心と絆で繋がる
キャリアコンサルタントのタルイです。


さて、いきなりですが
人はどうして本を読むのでしょう。

ちなみに私も毎日読書してます。

それは
自分の知識欲を満たすために
自己啓発や自己研鑽のために
娯楽や気分転換のためでもあります。


しかし、この本を読んで、
私の考えが少し変わりました。

読書にはセラピー効果もありました。


2009年
イギリスのサセックス大学で
行われた調査によると

音楽療法や散歩
ビデオゲームで遊ぶといった
様々なリラックス法のうち

最も効果があったのが「読書」でした。

なんと❗ストレスレベル
68%も引き下げたのです。


アメリカのイエール大学の研究チームが
12年間にわたって行った調査では
読書をする人は、読書をしない人に比べて
2年も長生きすることがわかりました。


そして読書セラピーの起源は
実はとても古いのです。

古代ギリシャの図書館には、
ドアに「魂の癒しの場所」
と記されていました。

ギリシャでは
早くも、本を読むことで
「知識を得る以外の効果」
を見出してました。


17世紀の医師シデンハムは
「良好ナル書ハ百ノ医薬ニ勝ル」
と述べています。

読書は癒やしであり
治療の役目もあったのです。


自分のために、
自分で本を処方できたら、
こんなに強いことはないと
思いませんか? 


読書セラピーのやり方も一つじゃないです。

集団での読書会形式も
作文や作詞を書くことも
読書セラピーなんです。

マンガや実用書もOK
ハウツー物などの実用書も
読書セラピーに活用できるでしょう。

びっくりすることに
読書セラピーは腰痛にも効きます。

そんなバカな!
と思いましたが本当のようです。

 ▼この本です!

amazonのレビューでは
「読んだだけで腰痛が治った」
と多数の報告があります。


興味を持っていただけましたか😊

ここからは本書で知った

読書のセラピー効果について
解説します。


◆著者は過酷な幼少期とうつ病発症していた

日本読書療法学会会長の
寺田真理子さん。

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長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は文筆や翻訳、講演で活動。 
読書によってうつから回復した経験を体系化して自らの学びと読書の普及のために日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
また、うつの体験を通して共感した認知症について「パーソンセンタードケア」の普及に力を入れている。 
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。

毎回そうなのですが
私は本を読みすすめる前に

著者について、
よく調べてから読む習慣があります。

それは本は著者との対話と考えているからです。

ただ、この本に関してはページ内に
著者の寺田さんの過去話が書いてありました。

寺田さんもまた
読書のおかげで
うつ病から回復することができた人
だったのです。


寺田さんは幼少期、メキシコで育ち
小学校入学直前に帰国して
日本語がわからず戸惑いました。

日本の団体行動も馴染めず
学校でいじめられるました。

そして小学3年生にして
またしてもコロンビアに行く羽目に。

その3年後中学入学直後にベネズエラに移ります

とにかく治安の悪さに苦しみます😅

そこで通っていた日本人学校が
ゲリラに脅迫される❗
さらに自宅も狙撃される😱

などなど
危険の多い生活から
精神的に不安定な状態になったそうです。

その後に両親の配慮で
日本の祖父母と暮らすことになり帰国。

一浪の末に東大に合格して
通訳になりますが
仕事が合わずにうつ病を発症します。

パソコンを立ち上げるだけでも
具合が悪くなって
寝込んでしまったそうです。

そんな状態の中で
寺田さんが
ふと手にとったのが本でした。

後に自分のやってきたことが
読書セラピーだったことを気づき

 ▼その体験を本にまとめました。


その経験から日本読書療法学会を設立し
読書セラピーの研究と実践をされてます。

個人的にこの協会の活動には
興味を覚えました。

というのも
協会の運営のために
「読書セラピスト」という
民間資格を設けたりしていません。

私も経験があるのですが
資格があると学びの目的が
「試験合格のため」
になってしまうことがあります。

本質からずれるリスクは否めませんよね。

▼さっそく私も入会しました。

▼出版記念トークショーの模様です

▼目次も紹介します。

目次
はじめに ── 読書セラピーへの招待状
プロローグ ── 本が私を助けてくれた
第1部 読書セラピー《理論編》
古代ギリシャでも注目されていた、スゴイ!「本の力」
第1章 読書セラピーって何?
第2章 読書セラピーはどんなふうに行われているの?
第3章 読書セラピーお国事情
第4章 読書セラピーでできること
第5章 もっと読書セラピーを知りたいあなたへ 
第2部 読書セラピー《実践編》
何を読む? どう読む? これから始める新しい読書習慣!
第6章 何を読もう? 本の選び方
第7章 どうやって読もう? 本の読み方
第8章 こんなときには、こんな本! おすすめ本ブックガイド

目次はだいぶ端折りましたが
実際はもっと細かい章立てです▼

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このように大部分をQ&Aにあてられてます。

とことん読者に優しい本です🤔


ここから厳選して

◎海外での読書セラピーの活躍
◎うつ病を読書で治すステップ
◎寺田さんのシーン別おすすめ本

以上3つの感想を書きます。


◆海外での読書セラピーはかなり進んでいた!


●アメリカでは図書館で本が処方されてます。

アメリカでは読書療法のことを
ビブリオセラピーといいます。

1930年代のアメリカの
メニンガー兄弟の研究がきっかけで生まれました。

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マンハッタンのミッドタウンにある
NPOセンター・フォー・フィクションでは

様々な相談でやってきた
クライアントに
読書セラピストが
毎月1冊・計12冊の本を処方します。
(有料サービス)

すべて小説で、
クライアントと同じ問題を
抱えた主人公が

解決に向かう姿に
クライアントが
自らを重ね合わせるようにしています。

アメリカにおいて
読書セラピストとは
クライアントの困難な時期を
乗り越える手助けをするものなのです。


さらに
ニューヨーク公共図書館では
無料サービスとして
司書が豊富な知識を基に
本を処方してくれるそうです。


ニューヨーク公共図書館についての詳細はコチラ▼

映像で確認されたいときはコチラ▼



●イギリスでは代替医療として政府認定

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私も大好きな国イギリスでは
従来の医療への代替策として、
読書セラピーが活用されてきました。

ウエストヨークシャー州カークリーズの
かかりつけ医はうつ病のクライエントと
地元の読書セラピストの司書とを
照会します。

司書はクライエントのために
オーダーメイドの本リストを作成します。

つまり
かかりつけ医は薬も処方しますが
本も処方してくれるのです。

このような取り組みが全国的に広がり
2013年にReeding Wellと
呼ばれる取り組みで
読書セラピーが導入されました。

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精神疾患に苦しむ患者が対象で
医師は患者の症状に合わせて
30冊の指定図書の中から
適切な本を処方します。

そのうちの1冊がこちら▼

このプログラムは
2020年2月までに
120万人以上が利用してます。

ブックリストのおかげで症状が
良くなったと言う人が
90%と高い満足度を示してます。


イギリスでは本の処方以外にも
文学作品を読み込む読書会も盛んでした。

「ザ・リーダー」が主催する読書会が
全国各地で開催されてます。



◆イスラエルでは憧れの職業「読書セラピスト」

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イスラエルでは読書セラピストが
国家資格になってました。

読書セラピストは
セカンドキャリアとして人気が高く。

音楽家やパイロットなどから
読書セラピストに転向する方も
いるそうです。

読書セラピストになるためには
文学や心理学統計学まで学ぶ必要があり

フィールドワークも含め
数百時間のトレーニングが必要です。


イギリスと同様に読書会形式も行われます

読書会での選本は
参加者が著者と年齢が近いとか
共感要素が求められます。

高齢者の読書会で使われるのが
「ワンダー」

主人公は顔に障害があり
外見のせいで差別的な扱いをされます。

高齢のために
同様の扱いを受ける参加者が
多いため共感しやすいそうです。


◆うつからの回復「7つのステップで読書」

いよいよ本書のメインテーマです。

うつ病は読書で治す。

しかし
著者自身もそうでしたが
本当に鬱の症状がひどかったり
極度に疲れてしまった時には
文字を読むことができなかったそうです。


そこで
どういう精神状態の時に
どういう本を読むといいかを
7つのステップで教えてくれてます。

>>>7つのステップ
1. 美と休養 
2.「ちょっとずつ」と記録 
3. 心理学と自己認識 
4. 想像力とモデリング 
5. 言葉と潜在意識 
6. スピリチュアルとシンクロ 
7. 仏教

詳細にふれます。


●1. 美と休養は「写真集」がいい

症状が重く
生きる気力もないくらい
疲れてしまっている時期です。

この時期にはまだ
文字を追うことができないので
読むと言うよりも写真集などを眺める
と良いそうです。


著者のオススメは
マイケル・ケンナの写真集です。

モノクロですっきりした構図が
いいですね!

人間は精神的に疲れているときには
脳の活動が低下しますが
美しいものを見ることで活性化します。


●2.「ちょっとずつ」と記録 

エッセイ集・詩集・絵本など
文字が大きく、余白がたくさんあって
読みやすい本がいいそうです。


この時期は
過去にできたことができなくなって
落ち込みやすいそうです。

(あれもできなくなった)
(これもできなくなった)

と失ったものばかりに
目についてしまいます。

そこで
「ありがとうといいましょう」
「靴を揃えましょう」

あるいは
片付け掃除の本

などの些細な生活習慣を扱った
軽めなエッセイ集が良いそうです。


ちょっとずつ生活の中で
できることを増やすように
心がけましょう。

大切なのは
精神状態の回復を
「見える化」するために
記録を取ることでした。

だんだんとできることが
増えていくことを記録すると
今後の励みにつながります。


●3. 心理学と自己認識 

自己啓発書・心理学書などです。

自分のことについて思い悩む時期に
心理学の本を読むと

自分の考えには
どんなパターンがあるか
わかるようになります。

著者の場合は
『極端思考』
と言うパターンがありました。

「私は海外生活が長かったから、日本でやっていくのは難しいやっぱりこの国では生きていけない」


「〇〇だから、□□できない」パターン

これは認知の歪みで
心に潜むモンスターの仕業ですね。


 ▼こちらの記事で詳しく書きました。

自己啓発書には
身の回りになかなか見つけられない
メンター的な存在に出会える
新鮮さがあります。

本の中でなら
たとえいくらお金を積んでも
会えることもできない相手と

膝を突き合わせて
対話ができるのです。

そして
相手の視点を手に入れることができます。

自己啓発書には即効性もあります。

書いてあることを
実際にやってみることで
変化が感じられるでしょう。


 ▼これは著者のおすすめです。


●4. 想像力とモデリング 

エッセイ・ビジネス書・自伝など

自分が「こうなりたい」
憧れる著者の本を

その生き方や考え方を
取り入れるために読みましょう。


モデリングについて

モデリングをすることで
少しずつ自己改善に繋げながら
表面を見るだけでなく
背後の事情を知ることで
想像力を養うことができます。

著者は小学校でいじめられたときに

「気の強い女の子」
モデリングすることで

いじめを克服した過去もありました。


 ▼モデリングについては
HSPの方にもおすすめです。


著者のおすすめ本は、
清川妙さんの著作全般です。


マーケティングの神様である
フィリップ・コトラーが
「星の王子さまのようだ!」
と絶賛した名著「Good Luck」も▼



●5. 言葉と潜在意識 

自己啓発書・ビジネス書・小説・詩集などです。


あなたもご存知かもしれません。

脳科学の常套句である

潜在意識は主語が認識できない

つまり
自他の区別がつかないので
人の悪口を言うと

潜在意識にとっては
自分の悪口を言われてるのと
同じことになる。


また、学ぶことで
言葉の力を認識できますし
言葉の使い方も変わってきます。

言葉を変えると環境や人間関係が
変わっていくことを実感できるでしょう。


詩集については
坂村真民さん茨木のり子さんのお二人。

強い精神性に感化されるそうです。


支えになる言葉ができると
気分が滅入ったり

心が折れそうになったりしたときに
持ちこたえられるようになりますね。


●6. スピリチュアルとシンクロ 

スピリチュアル本です。

胡散臭いと思われる方もいるでしょう

著者は、
地に足のついた日常生活での
スピリチュアルを扱った本や

見えない世界とのつながりを
どのように大事にするかを
伝えてくれる本は
有用だと思っております。


著者のスピリテュアルでオススメ本は


「病気になるのは体は
こういうメッセージを発しているからだ」

と教えてくれる本▼


私も以前はスピリチュアル系は
苦手でしたが😅

最近では直感や体からの
メッセージを否定しなくなり

スピリチュアルなものに対する
認識が変わってきました。



●7. 仏教

著者は仏教を「宗教」と言うよりも
「哲学」と捉えています。


松原泰道さんの造語「逆復縁」
本書から引用します。

マイナスの出来事や逆境は
受取人指定配達だから

いくら嫌だと思っても
拒否できないのです。

拒否はできないけれど
それをプラスの贈り物として
人に与えることができます

たとえば
病気を乗り越えることで
その生き方が人に勇気を
与えるようになります。

そこに生きがいも生まれます。


また
私も大好きな五木寛之さんの
「他力」もおすすめされてました。


ここまでで
著者のオススメ本を紹介しましたが

この後ではシチュエーション別の
オススメ本について書いておきます。



◆著者:寺田真理子さんのシチュエーション別オススメ本

読書セラピーの理想は
自分でその時の状態にあった本を
選べるようになることです。

ですが、
慣れないうちは
難しいこともあると思います。

ここで著者の寺田さんが
実際の相談のなかで

おすすめしてきた本を
紹介されてましたのシェアします。

寺田さんのおすすめ本は
絵本や児童書が多いです。

その理由は

・精神的に疲れていて文字が多いものが読めないときでも読める
・メッセージが伝わりやすい
・ロングセラーなので安定的に入手できる
・自分で読むだけでなく、同様の立場にある方にプレゼントする際に贈りやすい


児童書や絵本は
「子ども向け」というよりも

「子どもでも読める本」
大人が読んでも構わないのです。

また、作り手は大人です。

大切なことを子どもにも伝えようと
取り組んでいる良本が多いのも事実です。


あなたの今の状況で刺さる
「〇〇なとき」シチュエーションが
ありましたら

Amazonのレビューなどを
参考にしてみてください。


では、どうぞ▼


大切な誰かをなくしたとき


不安でいっぱいになってしまったとき


自分は誰にも必要とされていないと感じたとき


なんだかむしゃくしゃして「ほっといて!」と思うとき


孤独を感じるとき


何をするにも時間が足りないと感じるとき


自分ばかりが大変に思えてしまうとき


閉塞感を覚えるとき


散々な目に遭ったとき


今ここから遠く離れたところに行きたいとき


生命力が弱くなっていると感じたとき


人の悪意に疲れたとき


死の不安にとらわれたとき


自分の中に凛としたものが欲しいとき


年齢を理由に諦めてしまいそうなとき


外に出られなくてイライラしてしまうとき


生きる意味がわからないとき


現実の人間関係が辛いとき


先が見えないと感じるとき


夢に向かう背中を押してほしいとき


◆まとめ 決めた!私も読書セラピストになります!


最後のまとめの代わりに
本書より読書のスゴイ効果!
引用します。

問題解決の援助
心理的な支援
行動を変える
苦痛を減らす
ストレスの軽減
死亡率の低下
読解力、語彙力、発信力、集中力アップ!
...など

改めて列挙すると凄い効果です。

そして本書を読み終えた私から
お知らせしたいことがあります。

読書セラピストになります。


資格を取るということではなく
キャリアコンサルタントの活動中に
読書セラピーを導入します。


本で人を救えるなんて最高だ!


具体的なことはまだ決めてませんが

私も寺田さんと同じように
読書が人生の大半を締めつつあります。

去年、コロナ禍で活動自粛中に
毎日読書習慣を復活させたことが
メンタルの支えになりました。

本さえあれば
多くの著者と対話できます。

たとえ部屋で1人でいても
独りじゃありません。

世の中が先の見えない
不安定な状況にあると

私達の気持ちも
不安が増してしまうものです。


しかし
私は読書をすることで

これからの未来のことや
過去の出来事を整理する時間に
向き合えました。


私は思います。


「今ここに集中」する一番の方法は
「読書」ではないでしょうか。


いろいろと思い悩んでしまう時は、
心をリセットできるような本を
じっくり読んでみませんか?



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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