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【読書日記】なぜ、日本の職場は世界一ギスギスしているのか?

突然ですが、
あなたは日本の職場が
世界一ギスギスしていることを
ご存じでしたか?


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。


週一でnote更新してます。


▼まずはこちらの図をご覧ください。

画像1
https://president.jp/articles/-/29779?page=2


ショッキング!


ISSP(国際社会調査プログラム)の
2015年調査によると

「自分の職場では、
職場の同僚の関係は良い」

と思っている人の割合において


日本は調査対象37カ国中、
なんと最下位でした。


なぜこのように
「職場の人間関係」が
世界最低なのか?


注目すべきは

同調査では1997年2005年度では
最下位ではなかったことです。


当時の日本の割合は81.5%です。

諸外国と比べても
格段に悪かったわけではなかったのです。



ではいったい何が原因なのか?

2005年から2015年までの
日本の職場であった実際の変化
まとめると


新卒プロパー社員に女性が増えたり
しました。


中途採用者や契約社員、派遣社員、
パートタイマーなど

雇用契約上の地位や働き方が
多種多様になりました。


もちろん
働き方が多種多様になったことが
原因ではありませんよ。

問題は日本の職場における

・旧態依然のマネジメント
・旧態依然の職場環境
・ジェネレーションギャップ


これらの要因が複雑に絡み合い

働き方の多様化した今の時代に
必ずしも合っていないことが
問題なのです。


▼この本に詳しく書いてあります。


本書の著者は
350以上の企業・自治体・官公庁で

職場コミュニケーションと
組織風土の問題に向き合ってきた方で

ズバリと解決策を提示しています。



本書の結論です。

「昭和おじさんは若手に基準を合わせるべきだ」



このフレーズは
昭和おじさんである私には
グサッと刺さりました😅


著者が提示している若い世代とは
Z世代のことです。


1990年後半から2000年代に
生まれた世代です。


なぜ、若い世代に合わせるのか?

その理由も明確です。

それはVUCA(予測困難)な
時代を生き抜く上で
合理的だからです。


Z世代はデジタルネイティブ世代。

デジタルツールを使いこなして
情報の受発信を行い

素早く必要な情報を探して
素早くコラボレーションする
スキルやマインドに長けています。

また
「上司がこう言ったから」
とか

「今までのやり方がそうだったから」
とかではなく、


世の中の動向やその仕事の目的を考えて

「なぜそうなのか?」


と疑うマインドを持っているのです。


自分が所属する組織や仕事が
社会にどう貢献しているか
考える傾向にもあります。

なるほど🤔


ここから深掘りしてみました。


◆著者が提示する唯一の解決策は「昭和おじさんは若手に基準を合わせるべきだ」

著者の沢渡あまねさん
1975年生まれ。あまねキャリア工房 代表(フリーランス)兼 株式会社なないろのはな 取締役。作家、業務プロセス/オフィスコミュニケーション改善士。日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社を経て2014年秋より現業。経験職種は、ITと広報(情報システム部門/ネットワークソリューション事業部門/インターナルコミュニケーション)。現役時代、残業だらけのシステム運用チームを定時帰りの職場に変えた経験あり。
人事経験ゼロの働き方改革パートナー。現在は企業や自治体で働き方改革、社内コミュニケーション活性、マネジメント改革、業務プロセス改善の支援・講演・執筆・メディア出演を行う。趣味はダムめぐり。
amazonより

昭和のおじさんを批判するスタンスから

著者を勝手に平成生まれと思ってましたが

著者もまぁまぁな「昭和のおじさん」です😅


「社会人たるもの〜すべきだ」



これは著者が最も苦手とする
フレーズの一つだそうです。


社会人たるもの〜の続きです。

・交通機関の遅れを見越して
 もっと早く家を出ろ😤

・満員電車に耐えて当たり前😤

・スーツを着ろ😤

・上司に気を遣え😤

・雑用も率先してこなせ😤

・仕事中にものを食べるなんて
 けしからん😤

・病欠の電話は電話ですべきだ😤

・お客様を神様のように敬え😤


これは昭和時代の
気合と根性と体育会系の
延長線上のような


「いつまでも学生気分」が
抜け切らないものばかり

と指摘されてます。


おっとこれは新発見です🤭

一般には
新卒の子に対して使うフレーズである


「いつまでも学生気分が抜け切れない」



実は
学生気分が抜け切れていないのは

50代以上のおじさん社員の方
だったのです。



「俺たちが耐えたのだから、
お前たちも耐えろ」



また著者は

私たち昭和おじさんが
自分が味わった苦しみを
次の世代に強いるのは

ツケを回すだけの行為だと
指摘されてます。

社会人ならば、大人ならば

そのツケを払わせないのが
であり責任なのだと
提言されてます。


これは深く考えされられました🤔


ひょっとして私たちは


家庭においては
自分の子には
ツケを回さない行為に努めるのに対し

会社においては
他人の子には
ツケを払わす行為を
無自覚にしているのでしょうか。



目次をご覧いただくと

いかに日本の職場はギスギスしているか

「環境」

「スキル・メンタリティ」
「制度」で切り分けてます。

●目次
はじめに
第1章 環境によるギスギス
 第1節 職場環境によるギスギス1 人が辞めていく
 第2節 職場環境によるギスギス2 情報が共有できない
 第3節 職場環境によるギスギス3 管理職、上司が現場を知らない
 第4節 職場環境によるギスギス4 相談や提案がしにくい一方通行のコミュニケーション
 第5節 職場環境によるギスギス5 誰に何を聞けばいいのかが分からない
 第6節 職場環境によるギスギス6 部門間の連携が取りにくい
 第7節 労働環境によるギスギス1 公平すぎて不公平な働き方
 第8節 労働環境によるギスギス2 テレワークで仕事がはかどらない
 第9節 労働環境によるギスギス3 物理的環境がよくない
第2章 スキル・メンタリティによるギスギス
 第1節 スキルとキャリアによるギスギス1 組織は集団主義、行動は個人主義の日本
 第2節 スキルとキャリアによるギスギス2 雑用が多くてスキルが伸びない
 第3節 スキルとキャリアによるギスギス3 日本特有の採用ミスマッチ
 第4節 スキルとキャリアによるギスギス4 待遇で区別される非正規社員、働かなくても大丈夫な正社員
 第5節 メンタリティによるギスギス1 新しいことへの挑戦を阻む5教科主義と減点評価主義
 第6節 メンタリティによるギスギス2 いまだに目立つ根性論
 第7節 メンタリティによるギスギス3 確認が多くてイライラVSしっかりと仕事しているか不安
第3章 制度によるギスギス
 第1節 制度によるギスギス1 毎日出社しなければいけない
 第2節 制度によるギスギス2 条件が厳しくて働けない
 第3節 制度によるギスギス3 自分が動いても変わらない
 第4節 制度によるギスギス4 終身雇用がモチベーションを下げる
おわりに


著者はこのようなギスギスした職場を
解消させる方法として

「3つのシフト」を挙げております。

本書の図を元に作成


つまり単にITツールのような

新しい仕組みを導入しただけでは
組織はなかなか変われないことを
示唆してます。

なぜならば、
旧態依然の組織では

新しいやり方に拒否反応を示して

元のやり方に戻ってしまう
可能性も高いのです。



本書が良心的なのは
この全20節において


問題提起だけでなく改善策まで
ちゃんと提案されているところです。

これはすごいボリューム。

当然ですが、
全部ここで紹介し切れません😅


私が本書で注目したのは

Z世代にも、ジョブ型雇用にも
相性のよい「テレワーク」に関しての

マネージメントシフト
マインドシフト
スキルシフト

この3つのシフトについて
まとめてみました。



◆テレワークで仕事がはかどらない⁉️

テレワークのような
個人個人が自宅等プライベート環境で
仕事をする場合でも

ギスギスが起こっていました。


▼こちらは内閣官房と経産省が
 取りまとめましたデータです。

出典:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai7/siryou1.pdf


オフィス勤務よりも
テレワークの生産性が低いと回答した人が

なんと82%に達しており

テレワークの方が
生産性が高いと回答した人は
わずかに 3.9%でした。


同様の結果が
パーソナル総合研究所の調査でも
出ています。

出典:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/telework-survey4.html


こちらの調査では
職場に出勤したときの仕事の生産性を100%とし

テレワーク行ったときの生産性が
どのくらいになるのか聞いたところ

全体平均で84.1%となりました。


ここでも職場の出勤時に比べて

テレワークでは生産性の低下を
多くの人が実感している。


という結果になっています。



これは一体なぜでしょうか🤔




こうしたデータを見てしまうと

「やはり日本人には
テレワークは向かないんだ。」


「日本はオフィスに出勤して、
みんなで顔合わせて仕事をするのが一番だ」


と、古い考え方の人
変わりたくない人

都合の良い結論を導き出す組織も
ありそうです。


ですが
著者はこのデータを見たときに

「そりゃそうだろう」

と思ったそうです。

その理由とは…

テレワークによる生産性の低下を示唆するデータやレポートはあるがそれは日本の組織がテレワークのための準備ができていないためである



いままでの日本の職場は

同質性の高い人たち
同じ場所に集まって
阿吽の呼吸で仕事をしてきたわけです。


だから、
そのやり方を改めないまま

しっかりとした準備をせずに
テレワークに移行した場合において

生産性が上がるわけがない


と著者は指摘するのです。


さらに問題なのは 

「職場に出勤したときの 
 仕事の生産性を100%とする」



これが前提となっていることです。


そもそも

今までの出社及び対面ベースで
行ってきた仕事のやり方は

本当に生産性が高いのでしょうか?

・書類の束やコピーの紙資料
・電話応対や長過ぎる会議等



これらは本当にムダではないのでしょうか?


・ 空き会議室を探して予約する手間

・ プロジェクターなどの機材をセットして
  資料を印刷して配布する手間

・ 営業社員がお客様を訪問するための
 移動時間の手間


もしこれらの手間
ムダではないとするならば


なぜに日本の職場は
これほどにギスギスしていて

しかも企業として競争力
低下しているのでしょうか?


特に著者が
日本における生産性のデータ
1つ疑問を持っているのが



通勤時間による疲労度などが
考慮されていないことです。

・オフィスに出勤するための時間

・朝早くから起きてお弁当を
 作ったりする時間


・外出のための身支度などの準備の時間



生産性のデータには

こうした長い通勤時間や
そのための準備時間などがもたらす
マイナス面が考慮されていません。


よって

オフィスワークの生産性に比べて
テレワークの生産性が低くなるデータを

鵜呑みにするのは
とても危険なことなのです。




テレワークを肯定するデータもあります。

実際テレワーク導入企業の社員は出社者に比べ、組織への愛着が1.3倍、仕事の成果認識が約1.2倍と高い


▼これはパーソル総合研究所の調査です。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000453.000016451.html


テレワーカーが抱く組織への愛着は、
出資者の約1.3倍だそうです。


これは実際にテレワークをしている人は

「社員の健康を考え、
 不要不急の出社はしなくても良い」

と考える企業姿勢に感謝をし、

「この企業のために頑張りたい」
気持ちになっていると考えられます。



▼こちらも同パーソル総合研究所のデータです。

2020年→2021年のはたらく幸せと
不幸せの変化です。

出典:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/well-being-telework.html

2020年2月と2021年の2月での結果を
比較してみると、

「働いていて幸せを感じている」

この割合は44.0%→43.0%と、
ほぼ変わらずですが

「働いていて不幸せを感じる」

この割合は20.2%→17.6%
やや減少していたのです。

雇用形態や職種などにより
様相は異なるものの、

全体としては「不幸せを感じている人」が
やや減少しているのです。



テレワークに慣れてきたのですね🤔



◆まずはテレワーク以前の仕事の仕事のやり方にムダがないか疑ってみる


著者はテレワークに関して
以下の流れを組んでからの
テレワーク導入をおすすめします。

・まずはテレワーク以前の仕事の
 やり方に無駄や削除の余地がないか
 疑ってみる。

・テレワークやオンラインの仕事の
   メリットを洗い出してみる。

・テレワーク併用でもうまく回るような
   仕事のやり方やコミュ二ケーションの
 仕方に再設定する。

・この機会にテレワーク併用でも成果を
   出せるスキルやマインドを育成する、
   身に付ける。


特に
テレワークでも成果を出せるスキル
マインドの育成は極めて重要です。

このスキルとマインドは
対面で仕事をする上でも
間違いなく役立ちますし

テレワークするしないにかかわらず
組織の生産性を大きく向上させます。



▼テレワークで成果を出すための
スキルとマインドの一覧です。


これは私たち昭和おじさんにとっては
一つの指標になりますね🤔


自分ごとと考えてみると
結構足りてないことあります😅


このスキルとマインドの詳細は
著者の新刊にて
詳しく説明があるとのことです。


これは私も読んでみます。



◆テレワークを機に「新しい働き方・管理のあり方」を考える


新型コロナの感染拡大によって

急遽テレワークに移行した企業の中には、



目の前に社員がいないため

「本当にちゃんと働いているのだろうか?」

「成果出しているのだろうか?」

と不安に感じた管理職も
少なくありませんでした。

そこでテレワーク監視ツールを 
導入するところもありました。


以下が主なテレワーク監視ツールです。


●テレワーク在籍確認


テレワーク監視ツール


著者は
このような会社で働いたら
「秒速で辞める」と書いてありましたが

私も同感です🥵


これはテレワークという名の監獄ですか?

絶対に無理です。


このように会社の視線を気にしすぎると 

せっかくのテレワークの有効性が
活かせなくなります。

テレワークでの仕事自体が
ストレスの大きいものになり

結果的に社員も上司もイライラしてしまい

離れているのにもかかわらず
その職場はギスギスします。

テレワークでも
成果の出せる働き方にするには

管理職のマネジメントスキル

管理職とメンバー双方の
スキルマインドを変える必要があります。

今までの対面ベースの働き方の
勝ちパターンと

テレワークを併用した働き方の勝ちパターンは違って当然です。


管理する側もされる側も
考え方と武器をアップデートする
その必要があるのです。


新しいやり方に馴染むのは大変です。

苦しみを伴います。


しかしそれは
組織とそこで働く個人が

未来に向けて正しく変化するための
成長痛だと捉えて向き合いましょう。


テレワークはとかく
管理され指示される仕事に
慣れきった社員を

自分の頭で考え、
自分の責任で行動する

自立社員へと
変えるチャンスでもあります。


統制型のマネジメントから
自立型のマネジメントへ

思い切って変える必要があるのです。


◆(感想)働かないおじさん問題とは本当は「働けない」おじさん問題

最後に私の感想です。

ところであなたは
「Windows2000」をご存知ですか?


あぁ、これじゃないです。



年収2000万円ももらっておきながら
大した仕事もせずに社内に居座る

窓際族”の社員のことを指す
隠語だそうです😅


”妖精さん”だったり

”働かないおじさん”だったりと


私たち昭和おじさん

いったいどれだけ
小馬鹿にされ続けるのでしょうか。


昭和おじさんの多くは

悪意を持って
「働かない」わけではありません。

ただ、周囲の期待に対して
十分な成果が出せなくなり

そのため
「あの人は働いていない」

という評価になってしまっているのです。


「新しいスキルを一向に覚えようとしない」 

「あの人たちのやる気のなさを見せつけられると、こっちのやる気まで削がれる」


働かないおじさんに対しての
苛立ちを覚えるのは
一定の理解を示します。


でもこんなことを
娘や息子の世代に言われちゃったら

お父ちゃん世代は
悲しくて涙が出ちゃいます😢



私はこの本をきっかけに

企業も20代〜30代の会社員の方も
一緒に考えて欲しいです。

問題は
働けないおじさんを生みだす
「日本型の雇用システム」
にあることを知ってください。



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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