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メイラード反応の善と悪3(知らないと後悔する『AGEs』)


前回、調理におけるメイラード反応
みそ、しょうゆ、焼き魚、パンなどで茶色や褐色に変化し、それによってメラノイジンと呼ばれる抗酸化成分ができ、体に良い作用ともたらすところまでお伝えしました。

しかし、メイラード反応に関しては注意も必要です。

それがAGEs
メラノイジンもAGEsの一種なのですが、メラノイジンは唯一体に良い作用をもたらします。しかしそれ以外のAGEsの効果はとても危険なのです。

AGEsとは

AGEs(Advanced Glycation End Product)訳すと「終末糖化産物」
これは、タンパク質が糖化してしまったもので、簡単にいうとコゲ

AGEsができた食品を食べることで、糖尿病、動脈硬化、腎不全、腎機能低下、アルツハイマー病、がんの転移促進などの病気の原因になるのです。

AGEsができる原因は、『外因性の食事』『内因性の高血糖』があるのですが、ここでは内因性の高血糖の話はせず、食事に特化して説明します。

AGEsを含む食品や調理法

外因性とは、つまりジャンクフード、焼きすぎ肉、揚げ物でできたAGEsだと思えばわかりやすいかと思います。

これまでお伝えしていた、メイラード反応でメラノイジンが発生している料理はとても多いです。

外食をした場合は、刺身、寿司などの生もの系以外のほとんどの料理にAGEsが含まれている可能性があります。

もちろんAGEs食品のたくさん入った料理を食べれば食べるほど、体が老化していきます。ちなみにタバコを吸ってもAGEsを増加させます。

食品のAGEsを例に挙げると、
鶏肉では、水炊きなど鍋にすれば、AGEsの値は約1,000kU、
でも焼くと5,000 kU、唐揚げは10,000 kU、丸焼きだと20,000 kUにもなるのです。

調理法次第で20倍もの差が生まれます。
40歳の同じ年齢でも、見た目が若く見える人と、年をとって見える人の違いは、普段どれだけAGEs食品を食べているのかの差かもしれません。

さらに揚げ物に関しては、AGEsよりもさらに怖い、過酸化脂質からはじまるアルデヒドの方がミトコンドリアなどの細胞を傷つけたり、さらなる老化の原因となり、恐ろしい存在です。

つまり、揚げ物はかなりヤバいということになります。

外食の多くは、揚げる、炒める、焼くが多いです。ジャンクフードもだいたいそうですね。

具体的なAGEs対策

対策としては、(店にもよりますが)外食をし過ぎないことと、
料理を食べる前に「その料理はどうやって調理されたのか?」を考えることが大事です。

AGEsを考慮した場合、【揚げる、炒める、焼く】調理は避けるのが好ましいです。

そして【煮る、蒸す、湯がく】調理をメインに食べるのが良いでしょう。

また、AGEsを阻害する栄養素や食品は、
ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC、スルフォラファン、αリポ酸、ケルセチン、クエン酸、緑茶やカモミールに含まれる天然成分、ドクダミ茶、
アムラ
(インドスグリIndian gooseberryと呼ばれる梅のような黄緑のフルーツで、赤ワインの30倍のポリフェノールがある。これは通常サプリでとる)
などがあります。

自分の体を大切にする

多くの人は「まだ私は元気だ」と信じ込み、なんでも体に入れていますが、臓器は悲鳴を上げているかもしれません。

肝臓や腎臓は「沈黙の臓器」、膵(すい)臓は「暗黒の臓器」とよばれることがあるように、病を発症しても痛みや自覚症状があまりなく、病気に気づきにくいです。

健康診断で「数値に問題ありません」と言われても、ちゃんと読み込むと実は重大な問題を見逃していたなんてことも少なくありません。

そして、気づいたら病気になって、取り返しがつかなくなる。
特に若くして、重い病気を診断されるのは辛いと思います。

日本人は特に平均寿命は高く、世界でもトップクラスの長寿の国ですが、健康寿命との差は約10年です。
健康寿命とは健康に生きられる年齢のことで、差が10年ということは、寿命が90歳でも最後の10年は病気で苦しむ期間ということになります。

AGEsがすべての根源ではないですが、普段の食事はあなたの健康のかなりの割合を占めると思います。

現代において、真の健康を手に入れるのは難しいことかもしれません。
正しいのか正しくないのかわからないSNSなどのネット情報を信じてしまい、逆に不健康になることもあります。
勉強していても、実は自分には間違った方法で逆効果になっているかもしれません。

よくあるパターンは、有名な芸能人とかが、健康に良いと言って続けている健康法です。
芸能人でお金もあって、権威のある医者に直接聞いて健康法を実行しているかもしれませんが、それがあなたにとって正しいとは限らないのです。

これが「健康になる」ことにおいて、もっとも難しいのです。

100人いれば100通りの健康法があり、ある人にとっては薬でも、違う人にとっては毒になることもあり得ます。

薬の話ではなく、普段の食事も同じです。
ある程度の、健康になるための法則はあるのですが、個体差に合わせなければ真の健康は手に入りません。

「なんか朝起きるのしんどい。」「今日は調子悪いな」こんな日が続いているのであれば、はっきり言ってすでに健康ではないです。

これからも、“平均寿命と健康寿命の差を縮める方法”をどんどんお伝えしていきます。

少しずつでいいので、自分の体と向き合うようにしてください。

最後に補足として、味噌や醤油に含まれるメラノイジンは優れた抗酸化能力があり、むしろ体に良いです。覚えておいてください。

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