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発酵はなぜ人を魅了するのか(前編)

発酵食品

なんとはなしに素敵な響きです。なんでだろう?

・体に良さそう
・美味しそう
・文化的っぽい
・人智を超えた何か

この辺りを想起するきらいがあります。

発酵食品がなぜ魅力的なのか、色々考えてみました。


発酵とは

発酵食品の前にまずは発酵とは何か?

一般に、酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生じる過程。本態は酵素反応。酒・醤油・味噌、さらにビタミン・抗生物質などはこの作用を利用して製造する。狭義には、糖質が微生物によって酸素の関与なしに分解する現象を、また広義には、これと化学的に同じ反応過程である生体の代謝(解糖系など)、および微生物による物質生産を指す。

https://sakura-paris.org/dict/広辞苑/content/15880_344

狭義(生化学のハナシ)でいうと、「生物が栄養素として取り込んだ有機物を酸素を使わずにエネルギーにする過程、ということでWikiの項目もそうなってます。

ですが、発酵食品に関して言えば広義の意味で使われることが通常。つまり、微生物が関与して人間にとって有益何かしら成分を生成(分解)する過程に対して発酵と名づけていることが多いようです。

発酵食品とは

では発酵食品とはなんでしょう?前述の発酵が起きている食品、と言えばおしまいなんですが、もう少し。

発酵食品の文脈における発酵とはかいつまんでいうと、以下のようになると私は考えています

1. 微生物の関与があること
2. 食品成分の変換が起きていること
3. その成分が除去されないこと
4. 人にとって有益で制御下にあること

もう少し詳しく!

1. 微生物の関与があること

発酵食品に関わる微生物として大きく三種類あり、すなわちカビ(麹)、酵母、細菌(乳酸菌など)があります。


これらを使ったり組み合わせていろんな発酵食品が生まれるわけです。素敵な図があったので見てほしい。


これらは生物としても異なるのですが、私の知識では説明しきれないので、詳しくはいろんなところからどうぞ


2. 食品成分の変換

二つ目の要素として、食品成分が何かしら変化することが必要。
例えば、
・でんぷん→糖類と変換(糖化)する麹
・糖類→エタノールと変換する酵母
・糖類→乳酸と変換する乳酸菌
などなど。

それに伴って物性が変化することも多いですね。
例えば牛乳に含まれる乳糖は乳酸菌の影響で乳酸に変換されますが、そうしてpHが変わることで乳のタンパク質が変性してヨーグルトやチーズになるわけです。

3.成分が残存している

三つ目として、広義の「発酵」過程は含むものの、その成分が残存するか否かも一つのもポイントだと私は考えています(あくまで私見)

例えば、コーヒーは豆の加工で発酵させる過程はあるらしいのですが、果皮を取った後のなんか膜みたいの(ミューシレージ)を除去するためらしく、それを発酵食品とは呼びづらいかなと。(ただし、それにより香りも変わるという話もありなんとも言い難いですが)

また難しいのがパン。発酵で膨らむ(物性は変化する)けど、何か残るわけではないので、微妙なところ。

ちなみに、「微生物が残存している」ことを発酵食品の定義として考える方もいるようです。その場合生ビール(酵母などを濾過)や焼酎などの蒸留酒は発酵食品と言わなくなりますね。この辺りの分類はもはや好みの問題でしょうか。

4.人にとって有益

これは発酵と腐敗の区別をつけるためによく使われるやつ。

Twitterで問題提起したら有識者の方々から色んな意見をいただいので、ぜひご覧ください


と言ったところで、今日はここまで。

後半では本題の「なぜ発酵に人は魅了されるのか?」について考えていきますので、乞うご期待。

後編はこちら


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