飲食DX相談室とはなんですか?後編
専門家profile
蛭田一史(Hiruta Kazushi)株式会社RockHill代表取締
大学卒業後、ベンチャー企業に就職、その後、2009年株式会社RockHillを設立2013年堀江貴文プロデュースのグルメアプリ「TERIYAKI」の立ち上げに携わり初代編集⾧に従事2014年wechatpayの国内への導入に携わるなど、インバウンド、訪日観光に関わる業務に従事2016年大手飲食店チェーンのインバウンド支援、マーケティング支援などを経験、媒体活用、販促の双方に対する知見を習得。2020年DXを推進するベンチャー2社に参画中。自らも飲食店を2店舗経営。趣味は外食で高うまから安うままで年間400食以上食べ歩いている。
谷 耕平(Kohei Tani) 株式会社ビータス 最高技術責任者
合同会社ミーテック 代表社員。新卒でWeb系のサービスの開発者としてキャリアをスタート。事業所の立ち上げに伴い上海に赴任し、英語のみでの中国人開発者チームのマネジメントを経験。帰国後は株式会社ユーティルを創業し、取締役CTOとして組織づくりや数多の受託案件を経験。その後第一子を授かった際にユーティルを退職し、2018年からミート矢澤 / ジャンボ白金 / GAZTAなどを運営するグループのシステム子会社の最高技術責任者に就任。コロナ禍においては自社ECサイトの改善やテイクアウト・デリバリーシステムを自社開発して新たな販路の拡張を推進。並行してWebサービスの企画・設計・プロジェクトマネジメント・保守運用を行う法人の代表も兼務。
後編
コロナを機にいっきにデジタル化が進んだように思う、飲食店ですがこれからどのように変わってくると考えていますか?
蛭田
実は、コロナ機でもルールを守りつつも売上が好調な飲食店はいくつかあります。よくテレビで、悲痛な叫びをする飲食店を観た方も多いかと思いますが、こんな中でも堅調な結果を出している飲食店はあります。
なにが違うのか、来店目的が明確な飲食店にはお客さんが来る傾向が多かったです。
これから大変なのは、来店目的が定まっていない飲食店です。
お客さんは、多くの情報の中から、お金と時間をどう使うか選択します。選択にはいるためには、お客さんをより知る必要がでてきます。
飲食店をひとくくりにするような旧来型のメディアから
個々がメディアになります。
その時に、どのような飲食店か説明できる飲食店かそうでないかで変わっていくと思います。
アナログな飲食店はよりアナログになる飲食店もありますし
アナログに見えつつ、中はデジタル活用している飲食店もありますし
キャッシュレス、ロボットによる省人化などデジタル活用に思い切り舵を取る飲食店もあります。
なんでもありなんですが、中途半端になんとなくデジタルを活用する、Instagramをやってみるみたいなお店は淘汰されてくると思います。
コロナを機に、はじめたデリバリーや通販をこれから続けるか悩んでいる飲食店さんも多くいると思いますが、そういった方に対してアドバイスはありますか?
谷
コロナ禍はまだまだどうなるかわかりませんし、新しい行動様式が広がっていく中で新しい販路 / 売上を作っていくことは非常に大切です。
しかし、例えばテイクアウトを展開したいと考えた時には
容器やおしぼり、お箸などの備品の準備
販売したいものによっては各種資格(菓子類の販売は「菓子製造業営業許可証」、アルコール類以外の飲み物の販売を行うには「喫茶店営業許可証」なそ)の取得
テイクアウト用の人員の調達及び教育
テイクアウト開始や店休日の周知手段
などなど考慮すべき点がたくさんあります。
店頭販売以外に予約販売やデリバリーを実施したいとなればUberや出前館などのサービスの選定や契約、オペレーションの追加などやらなければならないことが多々あります。
まずは自社の状況を整理し、達成したい売上目標及び超えなければいけないハードルの把握しておくことが大切です。
上記のような項目を一旦整理した上で既にテイクアウトを実施している同業者
壁打ちに付き合ってもらうのがてみると良いのでは無いでしょうか。
これから飲食店を開業する人に対して、飲食店に付帯するデジタルを活用するには、どのような知識や、おすすめの書籍などあったりしますか?
谷
勘違いしてはいけないのは「デジタル化」と言っても、全く新しいことをデジタルツールを使ってはじめるわけでは無いと言うことです。
あくまで「自社でしかできない業務を除いた周辺業務をデジタルツールによって効率化する」なんですね。
いきなり「テイクアウト始めるぞ!」がスタートだとUberなどの既存サービスありきの考え方にどうしてもなってしまいますが、まずは
自社の強みや売りを改めて言語化する
どんなテイクアウト専門商品だとお店のブランド価値を毀損せずにお客様に満足していただけるか
値段はお客様に納得していただけるか
時間が経っても満足できるレベルの味をお客様に楽しんでいただけるか
どんな提供方法だとお店のブランド価値を毀損せずにお客様にお届けできるか
提供サービス(Uberや出前館など)は顧客層にマッチしているか
配送の質はブランド価値を毀損しないか
を整理してみるのが良いかと思います。
その観点でおすすめの書籍を上げさせていただきますね。
コンセプトの作り方
任天堂の大ヒット商品であるWiiを世の中に送り出した玉木さんの名著です。テイクアウトやデリバリーを始める際に、既存の延長ではなく新規事業として立ち上げる気概持った上で試行錯誤していただけるとお店の方もお客様も納得のいくサービスになるのでは無いかと考えております。
テーブルチェック様の記事
大手予約サイト様の記事です。必要なことや注意点などを細かく記載してくれているのでチェックに使えます。
https://www.tablecheck.com/ja/blog/covid-19-takeout-delivery-part2-blog4/
これからの飲食店にとってDX、デジタルツールを活用する事でどんなメリットがありますか?
蛭田
メリットというよりかは、当たり前になってくると思っています。
食べログの初期のユーザーや、Googleマイビジネスを5年前からちゃんと運用していた飲食店、先行者利益は必ずあります。
飲食DX相談サービスも同じです。先にやるか後にやるか
先にやれば、効率は多少悪いかもしれませんが、得ることは多いです。
また、食いがいの部分も飲食店は学ぶ必要があると感じています。
なんとなくいれてしまうなど、学習せず知識なく導入すると、結果無駄なコストを払う事になったり、成長したタイミングで変更するために莫大な時間や労力やコストがかかる事になります。
そういった事を、飲食DX相談サービスではサポートしたいと考えています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?