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マックの裏側 第17回目

 2001年7月にジャスダック上場した際、藤田元氏売却520万株、藤田完氏売却500万株、故・藤田田氏売却400万株、2001年分所得税番付では、株式売却益で親子3人で3位から5位にランクインし、藤田元氏33億7000万円、藤田完氏32億7000万円、故・藤田田氏21億6000万円の納税となっていた。(2001年分の全国 所得税 高額納税者上位100人より 朝日新聞平成14年5月16日夕刊より。)当時の株式売却益の税率は10%と低く、それから逆算すると御子息二人の継承した資産は600億円近い膨大な額だ)。 その後の故・藤田田氏の遺産は約500億円と言われており、故・藤田田氏の金儲けの才能には目を見張る物がある。

 これには、故・藤田田氏の20年先を見通した戦略がある。先回お話しした、社内組織改革の続きを見てみよう。購買部の新設でお金の流れを管理した次が、米国対策だ。色々組織改革をしようとしたが、目障りだったのが、故・ジョン朝原氏だった。故・ジョン朝原氏は米国マクドナルドの社員で、創業者の故・レイ・クロック氏と故・フレッドターナー氏に報告していたのが目障りだった。創業者の故・レイ・クロック氏と故・フレッドターナー氏は日本マクドナルドの経営には関与しないとしながら、店舗運営にアドバイスし、社員の教育をするという名目で、店舗運営部顧問という立場に過ぎなかった。しかし、店舗運営部の教育だけでなく、本社各部社員への米国本社教育や、ハンバーガー大学の研修を通じて大きな影響力を持つようになったことが、故藤田田氏にとって懸念となっていった。

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