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第5回 マックの裏側

<2>クラーク・ボールドウイン

 筆者の最初の米国研修旅行後、品質管理に真剣に取り組む必要性を感じだした。それが、スーパーバイザーが品質管理のために行う店舗のチェックリストの作成であった。マクドナルドのスーパーバイザーは顧客から見た品質としてQSCと言う、品質、サービス、クレンリネスの3つを管理しなくてはいけない。
 当初は顧客から見たQSCの管理として、「SVR(ストアー・ビジテーション・リポート)」と言うチェックリストを作成していた。店舗を無予告で訪問し、顧客の視点でQSCをチェックし、点数をつける。当時のマクドナルドは顧客を待たせないようにあらかじめハンバーガーやマックフライポテトを作り置きした。でも賞味期限をハンバーガーで10分、マックフライポテトで7分と設定し、時間が経過したら廃棄する。

 作り置きをする量が少ないと品切れで顧客を待たせるし、あまり作りすぎると廃棄ロスが増えて利益が低下し、そのバランスが難しい。店舗前を通る人の数を見ながら販売予測をする技術も難しい。

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