五時間目。体育

蝉が泣き出し、人々の動きがもっともさかんになる季節
          夏

私はこの季節が好きだった。そう

好きだった、のだ。

まだ小学生の頃は、教室に二台しかない扇風機の風で厚さを凌げていたし

休み時間は下敷きをうちわ変わりにして、蝉の合唱が聞こえる季節を

乗り越えてきたのだ。

午後になれば暑さはその日一番

そんな日の小学生たちの楽しみであるプールの授業が

また小学生の心を躍らせ、猛暑日を乗り越える

まさにオアシスのような授業なのだ。

真夏の太陽によって熱せられたプールサイドの上で

声を出せと言われ続けた準備体操も

日射により火照った体を一気に冷たくさせた

地獄のシャワーも

水気を含んで少し重くなったプールバックの重みも

今となってはもう経験することの出来ない

だが、この先忘れることのない大切な思い出なのだと

今でもたまに思い出す。人目を気にせず友達と心地よい水の中ではしゃいだ
小学生の頃の記憶。

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