ノスタルジックを文章に

まだ子供だったあの頃を思い出すような、そんなこと書いてます。

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まだ子供だったあの頃を思い出すような、そんなこと書いてます。

最近の記事

五時間目。体育

蝉が泣き出し、人々の動きがもっともさかんになる季節           夏 私はこの季節が好きだった。そう 好きだった、のだ。 まだ小学生の頃は、教室に二台しかない扇風機の風で厚さを凌げていたし 休み時間は下敷きをうちわ変わりにして、蝉の合唱が聞こえる季節を 乗り越えてきたのだ。 午後になれば暑さはその日一番 そんな日の小学生たちの楽しみであるプールの授業が また小学生の心を躍らせ、猛暑日を乗り越える まさにオアシスのような授業なのだ。 真夏の太陽によって

    • あの空

      夏の昼間と夜の間に見かける赤い空 生ぬるい風が、体全体を包み込み、 私の瞳に移る数舜の景色に私は目を奪われていた 太陽の日は空高くの雲を橙色に染め そのほとんどを地平線に隠してなお ”夏の太陽”という存在を主張している。 熱せられた体を、駄菓子屋で買ったアイスで冷やすも 隠れた”夏の熱”はアイスをも、溶かしていく アイスが完全に溶けきる合間、数舜の間の空は形を変え ついには世界が夜の顔を出し始める あの日見た短い夏の景色を 私は毎年思い出すだろう。 あな

      • あの頃の夏

        学校が終わり、家まで歩いて帰る午後三時過ぎ。 初夏の日差しが慣れない肌を徐々に色付けて行く そんな中、おばあちゃん家へと帰る足は急ぎだんだんと小走りになっていく 夏ゼミはまだ小さく泣いている 息を切らした私に後ろから吹く風はまるで 「もうひとっ走り!」 と言ってるような気がする。 私は、そんな 何時か感じたなんとも懐かしい夏の日を思い出した。