教授だった父親が、認知症になった②
【前回のあらすじ】
大学教授だった父親が認知症になって大変だぞ!
以下、本編。
思い返せば、父の認知症がその兆しを見せ始めたのは、10年ほど前からだったのかもしれない。
ちょうどそのころ、ある出来事があり、家族はてんてこ舞いになってしまったのだ。
詳細まで書くと膨大な分量になるのであくまで要点だけをかいつまんで述べるが、とにかく父の持ち物が家の中で紛失し、烈火のごとく吠えていた。
その吠えの対象は家族。
なぜだか我々家族にその紛失の原因?責任?を擦り付け(=「お前らがあれを勝手に触って無くしたんだろ!」のような)・・・。
まあ結局は、後日普通に父の部屋からその紛失物が見つかったのだが。(そりゃそう、勝手に部屋に入ることなんてしないですぜ)
そしてその時はずっと、私は「あーあ。この人、また変なこと言ってるよー」的なことを考えていた。
しかしこれも私にとっては当然の思考。
これは同居している家族でしか分かり得ないことなのだが、父は思い込みが激しく・ノンデリカシー言動でおなじみの人間だったから。
現に私の大学受験時にも、まあ幾度も幾度もこちらが傷ついたり動揺してしまうような言葉を、平気な顔してよく話していたし。
ま、分からないでもないんですよ?
父は大学教授。ある意味『大学』という概念のエキスパート。専門家。まさにプロフェッショナル。
なんせ学部や大学院時代も合わせると、50年以上にわたり大学で勉強し続けたという猛者中の猛者。これは素直にすげえ。
だからこそ、子供が大学受験を控えていると色々と言いたくなるんだろうが・・・。
言葉と場所とタイミングを選べよ!!どう見ても相手が傷ついてるだろ!!
他の家族が受けた個別の事例まで上げると10万文字ぐらい超えそうになるのでやめておきますが、つまりこちらもそんな父の言動に注意を払うことも皆無だったわけでして。
話を戻すが、だからこそ先ほど書いた10年ほど前の『大事な物を紛失その原因は家族だろあれ?結局部屋で普通に見つかったよ事件』も、まあこの人ならいつものことだと思っていた。
のだが・・・。
今になって思う。あの時、父の様子はどれだけ普段からノンデリカシーでも、過去と比べてちょっと変だったかもしれない。
そしてそのちょっとは時間をかけて段々とちょっとでは無くなっていったのだろうなと・・・。
いやでも分からん!分からんよそんなこと!
認知症は早期発見できれば・・・とよく聞くが、現実問題としてそれも難しいなと思う。それも、『かなり』と言えるほど。
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