見出し画像

FaY | ラオスの民話 ワニと水牛


プロジェクト紹介

2021年11月からスタートした、Wisa(日本)&CAF(ラオス・ルアンパバーン県)の協働プロジェクト、「民話と若者」FaY(Folklore and Youth | フォークロア・アンド・ユース)。

本プロジェクト は、Wisa(Wakamono International Support Association)が2021年から開始したラオスの若者とのデジタルユースワークプロジェクトです。ラオス人の子ども・若者たちがお年寄りから聞き取った昔話を文字起こしし、その英語の翻訳をオンラインでつながった日本人の中学・高校・大学生の学生たちがお手伝いします。その後、日本語に翻訳して、イラストをつけていきます。

プロジェクトについての詳細は、こちらのActivo

今回は民話、「ワニと水牛」を紹介します。

作品紹介

ワニと水牛 イラスト、WISA|FaYプロジェクト

昔々のある日、
ごはんを買うため街に行きたいと思っている水牛がいました。
しかし、そのために、彼女はボートで行かなければなりませんでした。

その日、彼女はボートの出発時間に遅れてしまい、
町へのボートを見つけられませんでした。
彼女は、ただ川の前で座り込み泣くことしかできませんでした。

しばらくして、一匹のワニが川からやってきました。
彼は水牛が泣いているのをみて、心配そうにやってきました。
「どうしたんだい?」と、そっとワニは水牛に声をかけました。

「私は母親のためにごはんを買いに、街に行きたいんです。
でも小舟の出発時間に遅れてしまいました」と水牛は答えました。

するとワニが言いました。
「僕の友達になってくれませんか? もし僕の友達になってくれるなら、君が街に行くのを手伝ってあげるよ。みんな僕を怖がって友達がいないから、とてもつまらないんだ。だから君と友達になりたいんだよ」。

水牛は不安そうに言いました。
「でも、たくさんのワニは僕たち水牛を食べてしまうんだ」
ワニは言いました。
「僕はそんなワニではないよ、僕は水牛を食べないワニなんだ。
信じておくれよ」

水牛はそんなワニの言葉を信じてみることにしました。
「ワニさん、僕は君と友達になるよ。
川を越えて街へ行くためにどうやって私を助けてくれるの? 
僕の身体はこんなに大きいんだよ」と尋ねました。

ワニは答えます。
「問題ないよ、心配しないで!私の背中にお乗りよ。
泳いで川を渡って街まで連れていくよ。」

水牛がワニの背中に乗ると、ワニは「スイースイー」と川を泳ぎ始めました。

ワニが川の真ん中に行ったとき、突然、水中の中へともぐっていきます。
水牛は「どうしたんだい!? 僕は息ができないよ!」と叫びました。

すると、ワニは言いました。
「お前はとても愚かな水牛だ、ハハハハハハ!
ワニは誰とも仲良くしないことを知っているだろう」。

ワニは水牛を食べて、飲み込んでしまいました。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?