断末魔の足音。「グリーンナイト」
🌟注: ストーリーに関するネタバレはありませんが、劇中の音に関して種明かしをしています。「観る前にファンタジーぶち壊すな!」とお感じの方は鑑賞後にまたおいでください。
時代劇はワクワク
がいっぱい、生音をつける作業も野良作業っぽくなるので好きなのです。それが中世SFファンタジーとなればなおさら。映画「グリーンナイト」は映像も美しく、音を作るのも面白かった。
ケモノとケダモノ
の音作りは毎日やっていたいくらい楽しい。本作では「緑の騎士」の音をあーだこーだと作り込んでみました。
モンスターのレシピ
ハンティングで使うカモフラージュネットを革ジャンで包み込んで、それを抱き抱えてわしゃわしゃ。それをベースに、藤のかごや麻のロープ、セーム革、セロリに白菜、クリスマス飾りのリースなど。これであれこれ音出して遊ぶのがいかに楽しかったか、ご想像頂きたい。
音楽がこれまたいい。
ハリウッド映画はとにかく音楽てんこ盛りなので、「動きの音」が押しつぶされちゃうことも多いんだけど、そこは生音の性。お手伝い出来るところをしっかり押さえるのが我がお役目。本作も音楽いっぱいではあったのだけど、悠久の民族っぽくていい感じだと思った。
やっぱザラザラがいい。
フリフリドレスと絢爛豪華なご馳走を見せるタイプの「お城」映像ではなく、地面はザラザラしていただろう、城の石壁は黒く冷たかっただろう、纏った毛皮からは強烈な臭いがしていただろう、のような想像を、この作品の映像は掻き立ててくれる。現実と幻影の境界線があやふやな仕立てになっていて、その中に音を落としていく作業はとても楽しかった。
結果は重量感、生い茂る感、不穏なギチギチ感とか色々盛りだくさんのいい仕上がりとなっております。本作には馬やキツネ等の動物、巨人やクリーチャーも出てきて、映像も音もアドベンチャーがいっぱいです。ご堪能ください。
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