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しゃぼん玉

しにたいとかしにたくないとか
真昼間の空気に似合わない色があって
ふと足を踏み入れたくなる瞬間
蓮沼のどろのようにそっと

そこにあるのがしあわせかもわからずに
わたしがそこにあるにもかかわらず

なにもないという
影も形もないという

誰も知らないのは罪か
誰にも知られずにしんでいくのは罪か
何も知らずに、はじけて消えて

土に還り、空気に塗れ
わたしはそこにあったと懐かしむ

世界にふれて、そっとはじけて、漂って
それは生きた証しと呼べはしないか




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